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GemMed塾診療報酬改定セミナー2026

2027年度介護報酬改定に向け「介護事業所・施設の経営状況」調査を実施、補助金の効果なども把握―介護事業経営調査委員会

2026.2.3.(火)

2027年度の次期介護報酬改定に向けて、2024年度介護報酬改定が介護事業所・施設の経営に及ぼした影響を調査する(2026年度の介護事業経営実態調査)—。

その際、介護テクノロジーの「維持コスト」や、2025年度補正予算に盛り込まれた「介護保険事業所向けの補助金」(賃上げ、事業継続支援)などの効果なども把握できるように工夫する—。

1月28日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会の「介護事業経営調査委員会」で、こういった内容が概ね固められました。近く開催される親会議(介護給付費分科会)の了承を経て、調査が実施されます。

介護テクノロジーの導入状況や運用コスト」などを詳しく調査

介護事業所・施設における収益の柱は「介護報酬」です。介護報酬は「公定価格」であるため、物価や賃金の動きに合わせて見直し必要があります(さもなければ物価等高騰の中で収益が増えず経営維持が困難になってしまう)。また、介護現場の課題等を解決するために「政策的に報酬の見直し」を行う必要もあります(例えば介護データの提出を求めるために加算を設けるなど)。

こうした点から介護保険制度では、3年に一度、介護報酬を見直すこととなっています。直近では2024年度に改定が行われ、2027年度に次期改定が控えています(なお、2026年度に臨時(期中)の賃上げ対応を主とする介護法報酬改定が行われる、関連記事はこちら)。

上述のとおり、介護報酬は介護事業所・施設における収益の柱であるため、介護報酬改定においては「介護事業所・施設の経営状況」を踏まえることも重要となります。経営状況が厳しければ、安定的な介護サービス確保のために経営の下支え(プラス改定等)が必要となるためです。

この介護事業所・施設の経営状況(収支や人員配置、利用者数など)を把握するための調査には、▼介護事業経営概況調査▼介護事業経営実態調査―の2種類があり、両者の関係は次のようになっています(関連記事はこちらこちらこちら)。

▽直近改定(ここでは2024年度改定)の翌年度(ここでは2025年度)に「介護事業経営概況調査」を行い、直近改定前後の2年度分(ここでは2023年度および2024年度)の経営状況を把握する

▽直近改定(同)の翌々年度(ここでは2026年度)に「介護事業経営実態調査」を行い、次期改定の翌年度(ここでは2025年度)の経営状況を把握する



定点調査(同一の事業所・施設のデータを3年度分収集する)ではないために厳密な比較はできませんが、介護事業所・施設の経営状況の大枠を3年度分把握することができ、介護報酬改定に向けた重要な基礎資料の1つとなります。



1月28日の介護事業経営委員会では、後者の「介護事業経営実態調査」を来年度(2026年度)に実施するため、その詳細を固めました。これまでの調査(2023年度に行われた介護事業経営実態調査、2025年度に行われた介護事業経営概況調査など)と大枠は同様で「全介護サービスを対象に、サービス毎に調査対事業所・施設を抽出し、各事業所・施設における収益・支出・人員配置や給与の状況・利用者の状況・施設や設備の状況など」を詳しく調査します。

ただし、次のような点がこれまでの調査と異なります。

▽施設系サービスについて、食費に計上される食事提供回数を把握するための調査項目を追加する(より精緻に食費負担の上昇度合いを把握可能とする)

2026年度介護事業経営実態調査における従前から見直しポイント1(施設において食事提供の延べ回数を調べる)



2025年度概況調査では「訪問系サービスについて、訪問先の状況(利用者宅か?サービス付き高齢者住宅等か?訪問に係る移動手段・移動時間)を把握するための調査項目追加」を行った。今般の2026年度実態調査では、さらに「訪問回数における訪問先の状況をより精緻に把握できる」ようにする(通所系サービスでも同様の調査項 目を追加する)

2026年度介護事業経営実態調査における従前から見直しポイント4(訪問系・通所系サービスでサ高住等への訪問回数を調べる)



2025年度概況調査では、介護ロボットやICT等の介護テクノロ ジーについて「導入状況や保守・点検等のランニングコストを把握するための調査項目」を追加した。今般の2026年度実態調査では、さらに「介護テクノロジーの機器別に保守・点検等のランニングコストを把握できる」ようにする

2026年度介護事業経営実態調査における従前から見直しポイント2(介護テクノロジーの保守点検等の維持費用を詳しく調べる)



介護従事者の賃金引き上げに係る補助金や介護サービスの継続支援に係る補助金の効果も踏まえた分析が行えるよう、それらの補助金収入の金額を記載する欄を追加する

2026年度介護事業経営実態調査における従前から見直しポイント3(介護関連補助金の状況を調べる)



より精緻かつ詳細に介護事業所・施設の経営状況を把握することが狙いですが、「回答者の負担」にも配慮しなければなりません(負担が重ければ回答がおっくうとなり、回答率が下がってしまう)。

このため、次のような「回答負担軽減策」も継続・充実されます。

▽既存情報の活用(介護保険総合データベースを引き続き活用し、これにより、全国の施設・事業所情報の把握等が可能になる)

▽建物の状況や面積等のプレプリント対応(変わる可能性の低い建物の状況や面積等について、これまでの調査と同一の施設・事業所について引き続きプレプリントを行う)

▽オンライン調査の促進(調査専用ホームページを利用したオンライン調査を引き続き実 施し、積極的な活用を推奨する。電子調査票では回答期限も長くなることなどから、回答率が8割近い)

▽一括送付の仕組み(希望する法人について、法人本部に対して調査対象となった施設・事業所名の伝達や調査票の一括送付を行う、一括送付の法人では回答率が8割近い)

▽その他(調査票発送時にアンケートを同封し、回答にあたって困難を感じている点等を把握し、調査手法等の改善を図る。また、電子調査票(上記)に所定の項目を入力すると「経営分析に参考となる指標が得られる計算式」を組み込むなどの取り組みを引き続き実施する)



なお、新規調査項目や見直し項目などは、事前に介護事業所や施設等に対し「●●の調査項目を追加するが、回答できそうか?また回答負担が過重でないか?」などを確認していることが厚生労働省の担当者から報告されています(新たな回答項目が増えるが、負担がそれほど過重になるものではないと現場サイドが回答している)。

調査内容に異論・反論は出ておらず、田辺国昭委員長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は近く開催される親会議(介護給付費分科会)に調査内容等を報告する考えを示しました。

介護給付費分科会での了承を得たのち、この5月(2026年5月)に調査を実施し、今秋(2026年10月頃)に調査結果が報告・公表される見込みです。上述のとおり2027年度介護報酬改定論議の重要な基礎資料となります。



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