介護報酬における科学的介護推進体制加算、協力医療機関連携加算、リハ・栄養・口腔の一体的実施について詳細明確化(2024年度介護報酬改定)
2024.6.13.(木)
厚生労働省は6月7日に、2024年度介護報酬改のQ&A(Vol.7)を公表しました(厚労省サイトはこちら)。今回は、▼科学的介護推進体制加算▼居住系サービス・施設系サービスの【協力医療機関連携加算】▼「リハビリ(個別機能訓練)・栄養・口腔に係る実施計画書」—について、介護現場の疑問に答えています。
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目次
科学的介護推進体制加算、LIFEへのデータ提出は「6か月に1回」から「3か月に1回」へ
【科学的介護推進体制加算】は、LIFE(介護関連データベース)にデータを提出し、そこからフィードバックを受けることで「より質が高く、より効率的な介護サービス提供」を行う介護事業所を評価する加算です。2021年度の介護報酬改定で新設され、2024年度の介護報酬改定でデータ提出頻度の見直し(従前「少なくとも6か月に1回」→改定後「少なくとも3か月に1回」)などが行われています。
今般のQ&A7では、新たなデータ提出頻度の考え方について、例えば「本年(2024年)2月にデータ提出をしていた場合、▼6か月後の本年(2024年)8月までに少なくとも1回データ提出する(旧報酬要件)▼それ以降は3か月後の本年(2024年)11月までに少なくとも1回のデータ提出(新報酬要件)—が必要」であることを示しました。
介護施設や居住系サービスの協力医療機関連携加算は、入所者・入居者全員に算定可
2024年度の介護報酬改定では、医療・介護連携のさらなる強化を目指して、(地域密着型)特定施設入居者生活介護・認知症対応型共同生活介護・(地域密着型)介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院において【協力医療機関連携加算】が新設されました。具体的には、次のようなものです。
▽認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護医療院について、「入所者の現病歴等の情報共有を行う会議」を定期的に開催することを新たに設ける【協力医療機関連携加算】として評価する(関連記事はこちら)
▽(地域密着型)特定施設入居者生活介護について、【医療機関連携加算】を【協力医療機関連携加算】と名称変更し、要件に「入所者の現病歴等の情報共有を行う会議」の定期的開催を追加する(関連記事はこちら)
【(地域密着型)介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院】
▼協力医療機関が3要件((1)入所者等の病状が急変した場合等に医師・看護職員が相談対応を行う体制を常時確保している(2)施設等からの診療の求めがあった場合に診療を行う体制を常時確保していること(3)入所者等の病状が急変した場合等で、入院を要すると認められた入所者等の入院を原則として受け入れる体制を確保している—、以下同じ)を満たす場合:2024年度は1か月あたり100単位、2025年度以降は同じく50単位(新設)
▼それ以外の場合:1か月あたり5単位(新設)
【(地域密着型)特定施設入居者生活介護】
▼協力医療機関が3要件を満たす場合:1か月あたり100単位(現在は同じく80単位)
▼それ以外の場合:1か月あたり40単位(現在は同じく80単位)
【認知症対応型共同生活介護】
▼協力医療機関が3要件を満たす場合:1か月あたり100単位(新設)
▼それ以外の場合:1か月あたり40単位(新設)
本加算の要件として、上述のとおり「入所者の同意を得て、当該入所者の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催する」ことが求められています。
今般のQ&A7では、▼高齢者施設等と協力医療機関との実効性のある連携体制を構築することを目的とした「体制加算」であり、入所者全員について算定できる(病歴等の情報を協力医療機関と共有することに同意が得られない者でも算定可)▼病歴等の情報を共有することについて同意が得られない入所者についても、「当該入所者の急変時等に、協力医療機関による診療等が受けられる」ように取り組むことが必要である—点を明確にしています。
リハビリ・栄養・口腔の一体的実施を評価する加算の詳細をさらに明らかに
2021年度・24年度の介護報酬改定では「リハビリ・栄養管理・口腔管理の一体的実施」の重要性が非常に強く意識されました(2024年度診療報酬改定でも対応)。
リハビリの効果を高めるためには「十分な栄養(タンパク質やアミノ酸等)の摂取」が必要となり(低栄養状態でリハビリを行っても十分な効果が得られない)。また効果的な栄養摂取のためには「口腔機能の維持」が極めて重要となる(口からものを食べることが非常に重要との研究結果あり、関連記事はこちら)ためです。
そこで2024年度介護報酬改定でも、例えば、リハ・機能訓練、口腔、栄養の一体的取り組みを推進し、自立支援・重度化防止を効果的に進める観点から▼通所リハビリの【リハビリマネジメント加算】に新たな区分を設ける▼介護老人福祉施設の【個別機能訓練加算】に新区分を設ける▼介護老人保健施設の【リハビリテーションマネジメント計画書情報加算】、介護医療院の【理学療法、作業療法及び言語聴覚療法】に新たな区分を設ける—などの対応が図られました(関連記事はこちら)。
この点について、今般のQ&A7では、次のような考え方を明らかにしました。
▽リハビリ・個別機能訓練、栄養、口腔の一体的取組について、▼【リハビリテーションマネジメント計画書情報加算】のI▼【理学療法】の注7▼【作業療法】の注7▼【言語聴覚療法】の注5▼【個別機能訓練加算】のIII▼【リハビリテーションマネジメント加算】のハ—により評価されている
→各加算を算定する場合のLIFEへのデータ提出は、「介護記録ソフト等を使用して作成したCSVファイルを用いたインポート機能の使用」あるいは、「LIFE上での直接入力」として行う
→下記左欄の加算を算定する場合にも、右欄様式に対応するデータを提出する
▽「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」の別紙様式1-1、1-2、1-3、1-4を用いて利用者情報を記録した場合の、LIFEへの入力項目との対応は下表を参照する
→詳細は、Q&A7の「別紙」(7ページ以降)をご参照ください
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