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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

病院経営は2021→22年度に急激悪化、コロナ関連補助金がなければ多くの病院で赤字経営が続いている―福祉医療機構

2023.11.7.(火)

病院経営は2021→22年度に急激悪化しており、新型コロナウイルス感染症関連の補助金がなければ多くの病院で赤字経営(医業赤字、経常赤字)が続いている―。

このような状況が、福祉医療機構(WAM)が10月30日に公表した「2022年度 病院の経営状況(速報値)について」から明らかになりました(機構のサイトはこちら)。

こうしたデータを見て四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会の4団体で構成)では、「コロナ補助金が近く消滅し、病院経営はますます悪化し、倒産病院が多数出てくる恐れがある」と心配しています。

コロナ補助金を除け場病院経営は赤字基調が続いている

まず病院種類別の医業利益率を見ると、2022年度には、一般病院(全病床に占める一般病床の割合が50%以上):マイナス1.2%、療養型病院(同じく療養病床の割合が50%以上):1.9%、精神病院:0.5%となっています。各種類とも「長期的に医業利益率が低下してきている」「2022年度には極めて厳しい水準にある」ことが伺えます。

病院種類別の経営状況推移(WAM2022調査1 231030)



また、一般病院のうち「新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院」では、入院単価が上昇して「増収」となりましたが、それ以上の「費用増」となり、コロナ関連補助金を除く医業利益率はマイナス4.7%、同じく経常利益率はマイナス2.9%と厳しい経営状況にあることが分かりました。コロナ補助金を除けば61.3%の病院が「経常赤字」となっています。

ここにコロナ補助金を加えても、医業利益率はマイナス1.4%、経常利益率はプラス4.7%と厳しい状況です。

コロナ受け入れあり病院の経営状況(WAM2022調査2 231030)



他方、一般病院のうち「新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていない病院」では、1床当たり医業収益は増加したものの、各費用率が上昇し、コロナ補助金を除く医業利益率はマイナス1.5%、同じく経常利益率はプラス0.3%にとどまっています。

ここにコロナ補助金を含めても、傾向は大きく変わらず、前年度より経営状況は悪化し、赤字病院割合は43.8%となっています。

コロナ受け入れなし病院の経営状況(WAM2022調査3 231030)



10月25日の四病院団体協議会・総合部会では、「コロナ補助金が近く消滅し、病院の経営状況は極めて厳しくなっていく。このままでは『倒産』する病院が多数出てくる恐れがある」との見解で一致。さらに今後の2024年度診療報酬改定等に向けた対応を強化していく方針で一致したことが、日精協の野木渡副会長から明らかにされています。



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