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病床機能報告 看護モニタリング

HIFU施術は医行為、医師でない者は実施できず、医療施設でないエステサロン等では実施できない—厚労省

2024.6.17.(月)

いわゆるエステサロンなどで、無資格者が高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound、HIFU)を用いた施術を行ったために、急性白内障や神経麻痺等の健康被害が相当数生じている—。

医療用であるか否かを問わず、HIFUを人体に照射し、細胞に熱凝固を起こさせ得る行為は医師以外が行うことは認められず、医療施設以外での実施も認められない。都道府県は十分に指導を行うとともに、改善しない場合には警察と連携して対応してほしい—。

厚生労働省は6月7日に通知「医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について」を示し、こうした点を明確化しました。

HIFU施術により急性白内障や神経麻痺などの健康被害が多発

HIFUは、超⾳波を虫眼鏡のように一点に集めて、体内の組織を高温に加熱する機器で、例えば「前⽴腺がんの病変組織を焼き切る」などの治療に⽤いられています。美容医療分野でも、この技術を用いて「頬のたるみをとる」「しわをとる」などに活用されています。

ところで、消費者安全調査委員会による昨年(2023年)3月の調査報告書「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書—エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故」によれば、医師以外の者(無資格者)がHIFUを用いて皮下組織に熱作用を加える施術を行った結果、急性白内障や神経麻痺などの健康被害(医療事故)が相当数生じていることが報告されています(消費者庁サイトはこちら(報告書)こちら(概要))。

HIFUによる医療事故1

HIFUによる医療事故2



また、こうした事故の背景には(1)HIFU施術・機器に関する法規制が明確でない(HIFU施術が、医師法における医⾏為に当たるかについて明確な判断が⽰されておらず、個別判断にとどまっている)(2)施術の技術的困難さが施術者に知られていない(3)照射出⼒の⾼い機器が使⽤されている(4)信頼性の低い機器が使⽤されている(5)施術者の施術に関する知識が⽋如している(6)注意喚起が⾏き渡らない業界の実態がある(エステティック業界の主要団体ではHIFU施術を禁⽌しているが、団体未加盟の店舗が9割超と推測される)(7)利⽤者がリスクを知らない—点があると指摘されます。



こうした指摘(とりわけ(1)の指摘)を受け、厚労省は今般、次にように「医療用であるか否かを問わず、HIFUを人体に照射し、細胞に熱凝固を起こさせ得る行為は医師以外が行うことは認められない」点を明確化しています。

▽用いる機器が医療用であるか否かを問わず、HIFUを人体に照射し、細胞に熱凝固(熱傷、急性白内障、神経障害等の合併症だけでなく、HIFU施術が目的とする「顔・体の引き締め」や「シワ改善」なども含む)を起こさせ得る行為(以下、本行為)は、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する
→医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為である
(参考)
医師法
第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。



▽医師による本行為は、医療法第1条の2第2項に規定する医療提供施設において行うこと
(参考)
医療法(Gem Med編集部で一部改変)
第1条の2 医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、および医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置およびリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。
2 医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下、医療提供施設)、医療を受ける者の居宅等(居宅その他厚生労働省令で定める場所をいう)において、医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。



さらに、地域医療提供体制に責任主体である都道府県等に対し▼違反行為に関する情報に接した際には、実態を調査した上、行為の速やかな停止を勧告するなど必要な指導を行う▼指導を行っても改善がみられないなど悪質な場合には、刑事訴訟法第239条の規定に基づく告発を念頭に置きつつ、警察と適切な連携を図る—よう求めています。
(参考)
刑事訴訟法(Gem Med編集部で一部改変)
第239条 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
2 官吏または公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。



大きくまとめると、HIFU施術は「医師でない者は実施できない」「医療機関ではないエステサロン等では実施できない」ことが明確化されていると言えます。



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