医療法人経営情報データベース(MCDB)への情報登録は2025年4月からWAMNET上で行う、2025年2月までに利用申請を—厚労省
2024.12.12.(木)
原則として「すべての医療法人」には事業報告書等・経営情報等を都道府県に報告する義務が課されている(2023年8月スタート)。この報告は現在「G-MIS」で行うこととなっているが、来年(2025年)4月からは「WAM NET上に構築される新システム」で行うこととなるため、利用申請を「2025年2月まで」に行ってほしい—。
なお「紙媒体での報告」も従前どおり可能である—。
厚生労働省は先頃、事務連絡「医療法人の事業報告書等及び経営情報等の電子的届出に係る報告システムについて(周知依頼)」を示し、こうした点への留意を呼びかけました(厚労省サイトはこちら)。
新システムでは「前年度に登録した情報の自動入力が可能になる」などのメリット
昨年(2023年)8月から、原則としてすべての医療法人に対し「会計年度終了後に、すみやかに経営情報を報告する」義務が課されています。
2022年11月の「医療法人の経営情報のデータベースの在り方に関する検討会」で、▼「医療法人の経営情報データベース」を構築する▼一部の小規模法人(いわゆる「四段階税制」(小規模クリニック)が適用される場合)を除き、原則、すべての医療法人に経営情報の提出を義務付ける▼データベースを活用し、医療政策の企画・立案、医療従事者の処遇改善、医療機関の経営支援などを行う▼医療法人の経営状況に関する情報を広く国民に提供するとともに、医療経済研究に向けたデータの第三者提供を行う—方針が固められ、医療法が改正されています(関連記事はこちらとこちら)。
ところで、医療法人からの経営情報等報告は▼医療機関等情報支援システム(G-MIS)による▼書面で提出する—のいずれかとなっています。
この点について、厚労省は今般、「来年(2025年)4月以降、現行のG-MISから『福祉医療機構がWMA NET上に構築する新システム』へ移行する」考えを明らかにしました(紙媒体での報告も可能)。新システムでは、▼アカウント発行の所要時間が短縮する▼データ登録方法が追加される▼入力内容の整合性チェック機能が導入される▼前年度に登録した情報の自動入力が可能になる—などのメリットがあるとされています。
新システム利用のためには利用申請が必要となり、現在、福祉医療機構で「事前の利用申請受け付け」が行われています(福祉医療機構の申し込みサイトはこちら、医療法人名、担当者名、担当者連絡先などの必要な情報を入力する)。
厚労省・福祉医療機構では「本年度(2024年度)内にIDを発行するため、来年(2025年)2月28日までに入力(利用申請)してほしい」と要望しています(利用申請後に福祉医療機構からID発行メールが送付され、そこに示されたログインURLから、パスワードを設定のうえログインすることで、事業報告書等・経営情報等の報告が可能となる)。
なお、厚労省では以下の点に留意するよう求めています。
▽G-MISを利用している医療法人も「改めての利用申請」が必要となる
▽来年(2025年)4月1日以降は、利用申請のリンク先は利用できなくなるので、所管の都道府県に利用申請する
▽引き続き「紙媒体での報告」も可能である
なお、「医療法人の経営情報のデータベースの在り方に関する検討会」では、医療法人経営情報データベース(MCDB)のデータを「個々の医療機関情報などが判別できない」形に加工したうえで、学術研究などに活用するために「研究者等に提供【第3者提供】する」仕組みの検討を進めています(関連記事はこちら)。
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