Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
GemMed塾 過負荷状態の”看護部”が今こそ考えるべき業務改善・適正化 ~最前線の看護部門ならではの医療の質と経営の質の向上のための具体的なアクションとは?~

徐放性製剤であるインチュニブ錠、「分割、粉砕、かみ砕くなどの誤った使用」をしないよう医師・薬剤師は患者指導を―PMDA

2025.2.5.(水)

徐放性製剤であるAD/HD治療薬「インチュニブ錠」について、「分割、粉砕、かみ砕くなどの誤った方法」をしないよう医師・薬剤師は患者指導をしてほしい—。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2月3日に、製薬メーカーからの適正使用等に関する情報提供として「インチュニブ錠1mg、3mgは徐放性製剤です—分割、粉砕、かみ砕いての処方・投与・服用はしないでください—」を公表しました。医療機関・薬局において、改めて最大限の留意が必要です(PMDAのサイトはこちら)。

徐放性製剤全般について「分割、粉砕、かみ砕くなどの誤った使用」に留意を

「インチュニブ錠1mg、3mg」(一般名:グアンファシン塩酸塩)は、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の治療に用いますが、徐放性製剤ですが、分割、粉砕、かみ砕くなどの誤った方法での処方・投与・服用事例」が複数報告されています。なかには、患者自身や家族が「用量調整をしよう」と自己判断して自ら分割したケースもありました。

後述するように、こうした使用法は「適切な効果が生じない」「薬が急激に効きすぎる」などの弊害につながりかねません。

そこで同剤を製造販売する武田薬品社は、改めて、患者に対し次のような点に留意することの指導を医療機関・薬局に依頼しています。

▽本剤は徐放性製剤であることから、分割・粉砕したり、かみ砕いて服用すると急激に血中濃度が上昇し、重篤な副作用が発現するおそれがある

▽患者には「割ったり、かみ砕いたりせずに、そのまま服用する」よう、患者向け資材(インチュニブを飲んでいるみなさまへ)も活用し、服薬指導を徹底してほしい



こうした「徐放性製剤を砕いたりして交付してしまう・服用してしまう」事例は従前より報告されています。

徐放性製剤は「製剤からの有効成分の放出を遅くすることにより、服用回数を減らす。血中の有効成分濃度を一定に長時間保つことにより、副作用を回避する」視点に立って開発・製造されています(下図参照)。

徐放性製剤を粉砕して投与したために、患者に悪影響が出た事例が散発(医療安全情報158 200115)



しかし、これを粉砕してしまえば、有効成分が想定よりも早く放出され、「服用回数の削減」や「血中濃度の安定」などの効果が得られず、「効きすぎなどによる悪影響」が生じかねません。

医療機関・薬局に置かれては、本剤に限らず、徐放性製剤を処方・交付した患者に対し「割ったり、かみ砕いたりせずに、そのまま服用する」ことをきちんと指導することが重要です(関連記事はこちらこちら)。



病院ダッシュボードχ zeroMW_GHC_logo

【関連記事】

徐放性製剤の粉砕投与で患者に悪影響、薬剤師に「粉砕して良いか」確認を―医療機能評価機構
「徐放性製剤の粉砕投与」リスクなどを薬剤師が主治医に説き、適切な処方内容への変更を実現―医療機能評価機構