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0925ミニセミナーGemMed塾

乳がん治療薬「ノルバデックス」と、高血圧症・狭心症治療薬「ノルバスク」の取り違えに改めて留意を―PMDA

2025.9.9.(火)

乳がん治療薬「ノルバデックス」と、高血圧症・狭心症治療薬「ノルバスク」の取り違え事故が生じており、改めて留意してほしい—。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は先頃、7月14日に、製薬企業からの医薬品の安全使用(取り違え等)に関するお知らせとして「『ノルバデックス」と『ノルバスク』の販売名類似による取り違え注意のお願い』を公表し、医療現場等へ注意を呼びかけました(PMDAのサイトはこちら)。

処方オーダシステムでの対策、処方監査時の留意等の対応を

医薬品を取り違えた場合、患者に重大な健康被害が生じかねないことは述べるまでもありません。医薬品取り違えには様々なケースがありますが、よく知られるものの1つに「名称が類似している」ことに起因する取り違えがあります。

昨今、電子カルテやオーダリングシステムなどの医療情報システムが医療現場に相当程度普及し、医師が「医薬品名称の頭の数文字」を入力すると「候補薬」が複数示され、そこから医薬品を選択するという場面が多々あります。その際、医薬品の名称が類似しているものを誤って選択してしまう事故が数多く発生しています。また、医療情報システムを導入していない場合でも「名称類似薬」は取り違える危険性が高いと言えます。

今般、次の2つの名称類似薬について「取り違え」に関する注意喚起が製薬メーカーからなされました。

(1)ノルバデックス(条10mg、同20mg)
【一般名】タモキシフェンクエン酸塩
【効能・効果】乳がん

(2)ノルバスク(錠2.5mg、錠5mg、錠10mg、OD錠2.5mg、OD錠5mg、OD錠10mg)
【一般名】アムロジピンベシル酸塩
【効能・効果】高血圧症、狭心症

乳がん治療薬「ノルバデックス」と、高血圧症・狭心症治療薬「ノルバスク」



両剤のメーカーは医療現場に対し、(a)処方オーダシステム対策の導入を検討してほしい(b)処方監査時に注意してほしい—と要望しています。

まず(a)では、例えば▼<抗女性ホルモン剤>ノルバデックス/<Ca拮抗薬>ノルバスク▼ノルバデックスを選択した場合に「抗乳がん剤だが良いか?」/ノルバスクを選択した場合に「「高血圧・狭心症の薬だが良いか?」—などの表示上の工夫を行うこと、「特定の接頭語を付けないと検索されないようにする」等の検索上の工夫を行うことを例示・提案しています。

医療情報システムのベンダーと相談し、自院にマッチした対応を検討することが必要です。

あわせて「既に対策を導入済みの施設でも、施設における対策の周知徹底をしてほしい」とも要請しています。

処方オーダシステムでの対応案



また(b)では、▼ノルバデックスまたはノルバスクが「初めて処方される患者」の場合や、持参薬を施設での処方に切り替えた場合などには、処方監査時に取り違えがないか注意する▼抗がん剤などのハイリスク薬や処方オーダシステムで誤入力しやすい医薬品を処方した患者に対し、病歴や薬歴等の確認をする(患者に「どの時点でどのような疾患で受診したか」を確認、処方箋に記載された処方科で処方される薬剤科の確認、併用薬、病名などの情報を利用した前回の処方歴・薬歴との照合など)▼ノルバデックスとノルバスクの選択ミス防止の啓発と周知を行う(新しく配属になった薬剤師に研修等を実施、ノルバデックスとノルバスクの両薬剤の販売名・薬効分類名を記載した表の薬局内掲示など)—を呼びかけています。



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