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一般病棟の利用率は前月比4.1ポイント増、在院日数の延伸抑え、集患に尽力した結果か―病院報告、15年11月分

2016.3.8.(火)

 2015年11月には、平均在院日数の伸びがわずかにとどまり(0.4日増)、一般病床の利用率は大きく増加した(4.1%増)―。こうした状況が、8日に厚生労働省が発表した2015年11月分の病院報告から明らかになりました。

 「平均在院日数を短縮する」とともに「病床利用率を高める」ことが理想ですが、11月は集患が上手く進み利用率(稼働率)がアップ。一方、在院日数の伸びはごくわずかに抑えることができたと見ることが可能でしょう。

2016年度改定の「地域医療連携」項目を活用し、前方・後方連携を

 厚労省は毎月、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率―を集計し、「病院報告」として公表しており、2015年11月の状況は次のようになりました。

 (1)の1日平均患者数は、病院全体では入院124万9302人(前月比4959人、0.4%増)、外来136万4255人(同5万7068人、4.0%減)で、入院は微増、外来は大幅減少となっています。

 診療所の療養病床については、入院6236人(同62人、1.0%減)となりました。

 病院の一般病床に焦点を合わせると、入院患者数は66万9375人で、前月に比べて5713人・0.9%減少しました。また、病院の療養病床では、入院患者数は28万8978人で、前月に比べて124人・0.04%とごくわずかに減少しました(実質横ばい)。

2015年11月、病院では入院患者数は微増、外来患者数は大幅減となった

2015年11月、病院では入院患者数は微増、外来患者数は大幅減となった

 

 (2)の平均在院日数については、病院全体では29.0日で、前月から0.6日延びました。昨年(2015年)7月以降、在院日数が少しずつ伸びており、前月(2015年10月)には短縮方向に舵が切られたかに見えましたが、また延伸方向に動いています。

 病床種別に見ると、▽一般病床16.5日(前月比0.4日増)▽療養病床159.0日(同2.1日増)▽介護療養病床316.2日(同5.7日増)▽精神病床287.0日(同14.3日増)▽結核病床70.7日(同2.2日増)―とすべてで延伸しています。有床診療所の療養病床は107.9日で、こちらも前月に比べて1.6日と伸びています。

2015年11月の平均在院日数、一般病床では前月から0.4日延伸し、16.5日となった

2015年11月の平均在院日数、一般病床では前月から0.4日延伸し、16.5日となった

 メディ・ウォッチでもたびたび指摘していますが、在院日数の不必要な延伸には、ADLの低下、院内感染リスクの高まり、医療費の増加などの弊害があります。もちろん、平均在院日数などの動向は長期的に見ていく必要がありますが、2015年7月以降、平均在院日数は延伸傾向にあり、前月(2015年10月)には短縮し、延伸にストップがかかったかに見えましたが、2015年11月には再び延伸してしまいました。今後の動向に注目する必要があります(関連記事はこちら
こちら)。

 

 平均在院日数の短縮は、延べ患者数の減少、つまり病床利用率の低下、減収に繋がります。このため「利用率を維持するために、平均在院日数を延ばす」という現象も一部に生じることがあります。しかし、前述のとおり平均在院日数の延伸は医療にとって好ましいものではないため、「平均在院日数を短縮しながら、病床利用率を上げていく。そのために地域の医療機関と連携したり、救急患者を積極的に受け入れていく」ことが理想的です。

 (3)の月末病床利用率に目を移すと、病院全体では79.3%で、前月に比べて2.2ポイント増加しました。

 病院の病床種別に見ると、▽一般病床74.5%(前月から4.1ポイント増加)▽療養病床87.5%(同0.2ポイント減少)▽介護療養病床91.0%(同0.5ポイント減少)▽精神病床85.5%(同0.1ポイント減少)▽結核病床36.0%(同0.4ポイント増加)―となっています。

 (2)の結果と合わせて見ると、一般病床については「平均在院日数の短縮(0.4日増、前月から2.5%増)に比べて、病床利用率の増加(4.1ポイント増)がやや大きい」ことが伺えます。このため、「利用率(稼働率)アップのために在院日数を延ばした」というよりも、「在院日数の延伸をわずかに抑え、集患努力などによって利用率(稼働率)を向上させた」と考えられます。

 前方連携(地域の診療所や中小病院との連携)による集患を強化し、後方連携(療養病床や介護事業所・施設との連携)による早期退院に、一層力を入れていくことが期待されます。

2015年11月の月末病床利用率、一般病床では4.1ポイントと相当増。平均在院日数の延伸に比べて、利用率増加が大きく、集患への努力が効果を出していると見ることができそうだ。

2015年11月の月末病床利用率、一般病床では4.1ポイントと相当増。平均在院日数の延伸に比べて、利用率増加が大きく、集患への努力が効果を出していると見ることができそうだ。

 2016年度の診療報酬改定でも、地域医療連携を評価する項目が散見されます。例えば、退院調整加算の厳格化版と言える「退院支援加算1」では、20以上の医療機関や介護施設・介護事業所と連携することが施設基準の1つとなっています。さらに単なる連携ではなく、「年に3回以上の情報交換」を行うなど、継続的な関係を構築することが必要とされています。なかなか厳しい基準ですが、こうした新点数が、医療現場でどのように活用されるのか注目が集まります。

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