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公立病院の医療DX対応、医師働き方改革対応は相当進んでいるが、国などによる更なる支援にも期待―全自病・小熊会長

2023.12.8.(金)

公立病院の医療DX対応、医師働き方改革対応は相当進んでいるが、DX対応では「お金がない」「人材確保が難しい」実情もある。国などによる更なる支援にも期待している—。

全国自治体病院協議会が12月7日に記者会見を開き、小熊豊会長(砂川市立病院名誉院長)ら幹部から、こうした考えが示されました。

12月7日の定例記者会見に臨んだ全国自治体病院協議会の小熊豊会長(砂川市立病院名誉院長)

意欲・能力ある高齢者が働き続けられる環境の整備が重要

年内(2023年内)最後の定例記者会見となった12月7日に小熊会長は、自治体病院における▼コロナ感染症対応医療DX対応医師働き方改革対応—などを総括。「2024年度以降はコロナ関連補助金も診療報酬特例もなくなるため、公立病院経営は非常に厳しくなる」と見通すとともに、「公立病院の看護職員等の確保状況(離職が増加している病院も少なくない)、患者の動向(コロナ禍前の2019年度水準に患者数が戻っていない病院も少なくない)を近く改めて調査する」方針も明らかにしました。

また2024年度診療報酬改定に向けては、「自治体病院議員連盟の国会議員には『医療崩壊・介護崩壊が怒らないよう、診療報酬・介護報酬を適切な水準に引き上げなければならない』との理解を得ており心強いが、予断を許さない状況である。十分な医療、介護が提供可能な改定率設定(12月中旬決定見込み)を期待したい」との考えを述べています(関連記事はこちら)。

さらに医療DX・医師働き方改革に関しては、「公立病院の意識が相当向上し、働き方改革は進んでいる。たとえば公立病院勤務医の休日・時間外労働は激減している(すべての勤務医の休日・時間外労働が960時間以内となるA水準病院が65.4%を占めている)。さらに取り組みを進めていく(関連記事はこちら)」、「医療DXの意識もブロック会議での議論や、委員会設置で効率病院の意識向上が著しい。国の示すチェックリストなども活用してサイバーセキュリティ対策を行っていく。ただし『お金がない』『ICTに詳しい人材の確保が難しい』実情もあり、国により支援に期待したい(関連記事は医療DX対応)」との考えを小熊会長は強調しています。



なお、2024年度予算編成論議が進み、その中では「高齢者の医療・介護負担増」案が少なからず盛り込まれる見込みです(関連記事はこちら)。この点について全自病幹部からは「裕福な高齢者に相応の医療・介護負担を求めることは理解できるが、そうでない高齢者に重い負担を課すことはいかがなものか。実態を踏まえて国で適切に判断してほしい。国の財政が厳しいことも十分に理解できる」(小熊会長)、「意欲・体力・能力のある高齢者が働き続けられる環境を整備する必要があるのではないか。しっかり働いて余裕ができれば、医療・介護負担増にも対応可能となる」(松本昌美副会長:奈良県・南和広域医療企業団南奈良総合医療センター院長)、「高齢者が働き続けられる環境の整備を十分に行い、支える側の高齢者を増やすことが重要であろう。そうした環境を整える中で、世界に先駆けて高齢社会となる我が国の医療の在り方をきちんと考えていく必要がある」(末永裕之参与:愛知県・小牧市病院事業管理者)との考えが示されました。

全自病幹部:向かって左から田中一成副会長(静岡県立病院機構理事長)、竹中賢治副会長(熊本県・天草市病院事業管理者)、小熊豊会長(砂川市立病院名誉院長)、松本昌美副会長(奈良県・南和広域医療企業団南奈良総合医療センター院長)、末永裕之参与(愛知県・小牧市病院事業管理者)



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