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2020 診療報酬改定セミナー 2020 診療報酬改定セミナー 運営会社 GLOBAL HEALTH CONSULTING

2019年度消費税対応改定について答申、ただし新点数・薬価等の告示時期は未定―中医協総会(1)

2019.2.13.(水)

 今年(2019年)10月に予定される消費税率引き上げに伴って、医療機関等の負担(控除対象外消費税負担)が増加する。この負担増を補填するために、例えば、▼初診料を現在よりも6点高い288点に▼再診料を1点高い73点に▼外来診療料を1点高い74点に▼急性期一般入院料1を59点高い1650点に▼7対1特定機能病院入院基本料を119点高い1718点に▼7対1専門病院入院基本料を76点高い1667点に―などといった引き上げを行う―。

 中央社会保険医療協議会総会は2月13日に、根本匠厚生労働大臣に宛てて、こうした内容を盛り込んだ答申を行いました(診療報酬本体、薬価基準、材料価格基準)(根本厚労相からの諮問に関する記事はこちら)。

 新たな診療報酬点数表等は今年(2019年10月)から適用されることになります。厚生労働省は、「新点数(消費税対応改定後)と旧点数(現行点数)との長期間併存は、医療現場の混乱を招く」と考えており、告示時期は通常よりも遅く、適用が近づいてからとなる見込みです。

2月13日に開催された、「第408回 中央社会保険医療協議会 総会」

2月13日に開催された、「第408回 中央社会保険医療協議会 総会」

 

新旧2つの点数等併存は医療現場の混乱招く、告示は2019年10月近くなってから

 保険医療については消費税非課税となっているため、医療機関等が物品等を購入する際に支払った消費税は患者・保険者に転嫁できず(通常の商取引では、最終消費者が消費税を負担する)、医療機関等が最終負担者となっています【控除対象外消費税】。このため、2019年10月に予定される消費税率引き上げ(8%→10%)によって、医療機関等の控除対象外消費税負担が増加し、経営を圧迫してしまうことから、特別の診療報酬プラス改定(以下、消費税対応改定)で補填を行います。

 今回の消費税対応改定では、2014年度の前回消費税対応改定において「医療機関等種類別の補填過不足」が判明したため((関連記事はこちらこちら)、▼2014年度消費税対応改定(通常改定分は維持)をリセット(消費増税対応分のみ)し「5%→10%」に対応する点数等引き上げを行う▼医療機関等種類別の補填の過不足が生じないよう、例えば「基礎データの精緻化(NDB活用など)」「医療機関等の分類の精緻化(療養病床比率に応じた区分け)」「医業収益に占める入院料シェアの勘案(手術や麻酔が多く、収入に占める入院基本料等のシェアが小さな高度急性期・急性期病院に手厚い対応を行う)」「診療所と病院との財源配分の調整(補填不足となっている病院に手厚い対応)」を行う―こととなっています(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

 
また、薬価・材料価格に関しても、消費税率の引き上げを踏まえた価格調整(臨時的・特例的な改定)を行うこととなり、その概要は次のように整理できます(関連記事はこちら)。

●薬価改定
▽現行薬価について、まず市場実勢価格を踏まえた調整(実勢価改定)を行ったうえで、消費税率引き上げ分を上乗せする(108分の110を乗じる)

▽2018年度改定の際に【基礎的医薬品】とされた品目について、引き続き当該ルールを適用する。ただし、「全ての既収載品の平均乖離率以下」要件を満たさない品目は対象から除外する

▽【最低薬価】ルールについて、消費税引き上げ分を反映させた上で(つまり最低薬価を引き上げる)適用する

▽【新薬創出・適応外薬解消等促進加算】を適用する。その際、▼2018年度改定以降に後発品が収載されるなどで対象から除外された品目は、加算の対象とはしないが、加算の累積控除は行わない(2020年度改定で実施)▼企業区分は2019年度改定時点の物を継続する▼企業区分が設定されていない場合は、企業指標点数を算出し暫定的に適用する―こととする

▽【後発品等の価格帯集約】ルールを適用する

▽改定の回数に、今回の改定はカウントしない

●材料価格改定
▽現行の材料価格について、まず市場実勢価格を踏まえた調整(実勢価改定)を行い、そこに消費税率引き上げ分を上乗せする(108分の110を乗じる)

▽今回の改定においては、「改定前の価格が54円未満のものに限り、小数第1位(1円未満)を四捨五入する」こととする

▽再算定や機能区分の見直し等は行わない

▽「機能区分特例」「期限付き改良加算」「再算定」のルールにおける『改定』に、今回改定はカウントしない

 
 こうした内容について、中医協総会は根本厚労相に答申。今後、これを受け、厚生労働省において関連告示・通知等の改正が行われます。

 ところで、通常の診療報酬改定であれば、「2月上旬に答申 → 3月上旬に告示 → 4月1日から新点数等の適用」というスケジュールとなります。しかし、今回の消費税改定を受けた新点数の適用は「2019年10月から」となる見込みです(消費税率引き上げと同時)。このため、通常どおりに「3月上旬に告示」をした場合、長期間、新点数(消費税改定後の点数や薬価等)と旧点数(現行点数と薬価等)とが併存することになります。厚労省保険局医療課の担当者は「長期間、2つの点数・公定価格が併存すれば、医療現場の混乱を招く可能性がある」と考えており、告示時期は通常よりも遅く、「2019年10月が近づいてから」となりそうです(具体的な告示時期はまだ明らかにされていない)。

 
 答申に当たり、大口善德厚生労働副大臣は、▼迅速かつ継続した検証▼患者・国民への周知―に尽力する考えを示しました。前者は、上述したように「2014年度の消費税対応改定では、医療機関種類別に大きな過不足が生じていたが、それが2018年まで明らかにならず、特定機能病院を初めとする急性期病院を中心に、大きな補填不足が生じていた」ことへの反省を踏まえたものです(関連記事はこちらこちら)。また、後者は1月30日に行われた公聴会で指摘されたものです(関連記事はこちら)。

 厚労省保険局医療課の森光敬子課長も同様に、「迅速かつ継続した丁寧な検証」と「負担増となる患者の理解を得られるよう、分かりやすい周知」を心がける考えを強調しています。

 
なお、新たな点数(消費税改定対応後の点数)は、すでに2月6日の中医協総会で報告されています。主な点数をお浚いすると、次のとおりです(関連記事はこちらこちら)。DPCについては、新たな薬価・材料価格を織り込んだものとなり、現段階では示されておらず、今後の告示等を待つ必要があります。

●新点数に関する答申内容はこちら(医科・歯科・調剤)こちら(訪問看護療養費)こちら(DPCにおける特定入院料等)

●新薬価算定ルール(具体的な薬価は告示を待つことに)に関する答申内容はこちら(算定ルール)こちら(薬価収載に関する取扱い)

●新材料価格算定ルール(具体的な材料価格は告示を待つことに)に関する答申内容はこちら(算定ルール)こちら(保険適用に関する取扱い)

 
 
▼初診料:288点(現在から6点、2014年度改定前から18点アップ)

▼再診料:73点(現在から1点、2014年度改定前から4点アップ)

▼外来診療料:74点(現在から1点、2014年度改定前から4点アップ)

▼オンライン診療料:71点(現在から1点アップ)

▼地域包括診療料
 ・診療料1:1660点(現在から100点、2014年度改定前から103点アップ)
 ・診療料2:1600点(現在から97点、2014年度改定前から100点アップ)

▼在宅患者訪問診療料(I)の1
 ・同一建物以外:888点(現在から55点、2014年度改定前から58点アップ)
 ・同一建物:213点(現在から10点、2014年度改定前から13点アップ)

▼在宅患者訪問診療料(I)の2
 ・同一建物以外:884点(現在から54点、2014年度改定前から57点アップ)
 ・同一建物:187点(現在から9点、2014年度改定前から12点アップ)

 
▼急性期一般入院料
 ・入院料1:1650点(現在から59点、2014年度改定前から84点アップ)
 ・入院料2:1619点(現在から58点、2014年度改定前から83点アップ)
 ・入院料3:1545点(現在から54点、2014年度改定前から79点アップ)
 ・入院料4:1440点(現在から53点、2014年度改定前から74点アップ)
 ・入院料5:1429点(現在から52点、2014年度改定前から73点アップ)
 ・入院料6:1408点(現在から51点、2014年度改定前から72点アップ)
 ・入院料7:1382点(現在から50点、2014年度改定前から71点アップ)

▼療養病棟入院基本料1
 ・入院料A:1813点(現在から3点、2014年度改定前から44点アップ)
 ・入院料B:1758点(現在から3点、2014年度改定前から42点アップ)
 ・入院料C:1471点(現在から3点、2014年度改定前から36点アップ)
 ・入院料D:1414点(現在から2点、2014年度改定前から34点アップ)
 ・入院料E:1386点(現在から2点、2014年度改定前から33点アップ)
 ・入院料F:1232点(現在から2点、2014年度改定前から30点アップ)
 ・入院料G:968点(現在から1点、2014年度改定前から23点アップ)
 ・入院料H:920点(現在から1点、2014年度改定前から22点アップ)
 ・入院料I:815点(現在から1点、2014年度改定前から19点アップ)

▼特定機能病院入院基本料
 ・一般病棟7対1:1718点(現在から119点、2014年度改定前から152点アップ)
 ・一般病棟10対1:1438点(現在から99点、2014年度改定前から127点アップ)

▼専門病院入院基本料
 ・7対1:1667点(現在から76点、2014年度改定前から101点アップ)
 ・10対1:1296点(現在から64点、2014年度改定前から85点アップ)

▼救命救急入院料1
 ・3日以内:1万223点(現在から354点、2014年度改定前から512点アップ)
 ・4-7日:9250点(現在から321点、2014年度改定前から464点アップ)
 ・8-14日:7897点(現在から274点、2014年度改定前から369点アップ)

▼救命救急入院料2
 ・3日以内:1万1802点(現在から409点、2014年度改定前から591点アップ)
 ・4-7日:1万686点(現在から370点、2014年度改定前から535点アップ)
 ・8-14日:9371点(現在から325点、2014年度改定前から470点アップ)

▼特定集中治療室管理料1
 ・7日以内:1万4211点(現在から561点、2014年度改定前から711点アップ)
 ・8-14日:1万2633点(現在から507点、2014年度改定前から633点アップ)

▼ハイケアユニット入院医療管理料
 ・管理料1:6855点(現在から271点、2014年度改定前から344点アップ)
 ・管理料2:4224点(現在から140点、2014年度改定前から213点アップ)

▼脳卒中ケアユニット入院医療管理料:6013点(現在から209点、2014年度改定前から6302点アップ)

▼小児特定集中治療室管理料
 ・7日以内:16317点(現在から565点、2014年度改定前から817点アップ)
 ・8-14日:14211点(現在から491点、2014年度改定前から711点アップ)

▼新生児特定集中治療室管理料
 ・管理料1:1万539点(現在から365点、2014年度改定前から528点アップ)
 ・管理料2:8434点(現在から325点、2014年度改定前から423点アップ)

▼小児入院医療管理料
 ・管理料1:4750点(現在から166点、2014年度改定前から239点アップ)
 ・管理料2:4224点(現在から148点、2014年度改定前から213点アップ)
 ・管理料3:3803点(現在から133点、2014年度改定前から192点アップ)
 ・管理料4:3171点(現在から111点、2014年度改定前から160点アップ)
 ・管理料5:2206点(現在から61点、2014年度改定前から95点アップ)

▼回復期リハビリテーション入院料
 ・入院料1:2129点(現在から44点、2014年度改定前から98点アップ)
 ・入院料2:2066点(現在から41点、2014年度改定前から95点アップ)
 ・入院料3:1899点(現在から38点、2014年度改定前から88点アップ)
 ・入院料4:1841点(現在から35点、2014年度改定前から85点アップ)
 ・入院料5:1736点(現在から34点、2014年度改定前から80点アップ)
 ・入院料6:1678点(現在から31点、2014年度改定前から77点アップ)

▼地域包括ケア病棟入院料
 ・入院料1:2809点(現在から71点、2014年度改定前から129点アップ)
 ・入院料2:2620点(現在から62点、2014年度改定前から120点アップ)
 ・入院料3:2285点(現在から47点、2014年度改定前から105点アップ)
 ・入院料4:2076点(現在から38点、2014年度改定前から96点アップ)

▼緩和ケア病棟入院料1
 ・30日以内:5207点(現在から156点、2014年度改定前から291点アップ)
 ・31-60日:4654点(現在から140点、2014年度改定前から261点アップ)
 ・61日以上:3450点(現在から100点、2014年度改定前から193点アップ)

▼認知症病棟入院料1
 ・30日以内:1811点(現在から2点、2014年度改定前から50点アップ)
 ・31-60日:1503点(現在から2点、2014年度改定前から42点アップ)
 ・61日以上:1204点(現在から1点、2014年度改定前から33点アップ)

▼短期滞在入院等基本料1:2947点(現在から91点、2014年度改定前から147点アップ)

▼短期滞在入院等基本料2:5075点(現在から157点、2014年度改定前から253点アップ)

▼短期滞在入院等基本料3
 ・水晶体再建術1(片側):2万2411点(現在から401点、2014年度改定前から515点アップ)
 ・水晶体再建術2(両側):3万7839点(現在から567点、2014年度改定前から681点アップ)
 ・乳腺腫瘍摘出術1:2万756点(現在から789点、2014年度改定前から903点アップ)

 
▼訪問看護療養費
●月の初日

 ・機能強化型1:1万2530円(現在から130円、2014年度改定前から230円アップ)
 ・機能強化型2:9500円(現在から100円点、2014年度改定前から200円アップ)
 ・機能強化型3:8470円(現在から70円、2014年度改定前から170円アップ)
 ・機能強化型以外:7440円(現在から40円、2014年度改定前から140円アップ)

●月の2日目以降:3000円(現在から20円、2014年度改定前から50円アップ)

 
 

 

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