2019年10月より、急性期一般1は1650点、特定機能7対1は1718点、初診料は288点、外来診療料は74点に―中医協総会(1)
2019.2.6.(水)
2019年10月予定の消費税対応改定の姿(案)を、厚生労働省が2月6日の中央社会保険医療協議会総会に提示しました。
初診料は288点、再診料は73点、外来診療料は74点、急性期一般入院料1は1650点、急性期一般入院料2は1619点、急性期一般入院料3は1545点、7対1特定機能病院は1718点、7対1専門病院は1667点などとなる見込みです。ここでは、点数案のみご紹介し、中医協論議は別途お伝えします。
消費税対応改定後点数の詳細はこちら(厚労省サイト(中医協資料))
初診料は288点、再診料は73点、外来診療料は74点に
2019年10月に消費税率が現在の8%から10%に引き上げられる予定で、これに合わせた診療報酬等の見直し(消費税対応改定)が行われることになります。医療機関等の控除対象外消費税負担(保険診療については消費税非課税となっており、物品購入等に際して支払った消費税を医療機関等が最終負担しなければならない)の増加分を補填するためです。
改定率は昨年末(2018年末)の予算編成に向けた根本厚労相と麻生太郎財務大臣との折衝で、▼診療報酬本体:プラス0.41%(医科:プラス0.48%、歯科:プラス0.57%、調剤:プラス0.12%)▼薬価:マイナス0.42%(実勢価格改定を踏まえればマイナス0.51%)▼材料価格:プラス0.06%(同プラス0.03%)―に決まっています(関連記事はこちら)。
ただし、2014年度の前回消費税対応改定(以下、ここでは2014年度改定)において「医療機関等種類別の補填過不足」が判明したため(関連記事はこちらとこちら)、2014年度改定をリセット(消費増税対応分のみ)し「5%→10%」に対応する点数等引き上げを行うことになります。
改定の対象となる診療項目は2014年度改定と同様に初再診料や入院基本料、特定入院料などの「基本診療料」が中心となります。ただし、「医療機関等種類別の補填の過不足(バラつき)」が可能な限り生じないように、▼基礎データの精緻化(NDB活用など)▼医療機関等の分類の精緻化(療養病床比率に応じた区分け)▼医業収益に占める「入院料のシェア」の勘案(手術や麻酔が多く、収入に占める入院基本料等のシェアが小さな高度急性期・急性期病院に手厚い対応を行う)▼診療所と病院との財源配分の調整(補填不足となっている病院に手厚い対応を行う)―などの改善を行います。
こうした方針に沿って、厚労省で具体的な配点を行った結果が、2月6日の中医協総会に報告されています。主な点数を見ると、次のようになっています。
▼初診料:288点(現在から6点、2014年度改定前から18点アップ)
▼再診料:73点(現在から1点、2014年度改定前から4点アップ)
▼外来診療料:74点(現在から1点、2014年度改定前から4点アップ)
▼オンライン診療料:71点(現在から1点アップ)
▼地域包括診療料
・診療料1:1660点(現在から100点、2014年度改定前から103点アップ)
・診療料2:1600点(現在から97点、2014年度改定前から100点アップ)
▼在宅患者訪問診療料(I)の1
・同一建物以外:888点(現在から55点、2014年度改定前から58点アップ)
・同一建物:213点(現在から10点、2014年度改定前から13点アップ)
▼在宅患者訪問診療料(I)の2
・同一建物以外:884点(現在から54点、2014年度改定前から57点アップ)
・同一建物:187点(現在から9点、2014年度改定前から12点アップ)
▼急性期一般入院料
・入院料1(旧7対1):1650点(現在から59点、2014年度改定前から84点アップ)
・入院料2(旧7対1と旧10対1の中間評価):1619点(現在から58点、2014年度改定前から83点アップ)
・入院料3(旧7対1と旧10対1の中間評価):1545点(現在から54点、2014年度改定前から79点アップ)
・入院料4(旧10対1+加算):1440点(現在から53点、2014年度改定前から74点アップ)
・入院料5(旧10対1+加算):1429点(現在から52点、2014年度改定前から73点アップ)
・入院料6(旧10対1+加算):1408点(現在から51点、2014年度改定前から72点アップ)
・入院料7(旧10対1):1382点(現在から50点、2014年度改定前から71点アップ)
▼療養病棟入院基本料1
・入院料A:1813点(現在から3点、2014年度改定前から44点アップ)
・入院料B:1758点(現在から3点、2014年度改定前から42点アップ)
・入院料C:1471点(現在から3点、2014年度改定前から36点アップ)
・入院料D:1414点(現在から2点、2014年度改定前から34点アップ)
・入院料E:1386点(現在から2点、2014年度改定前から33点アップ)
・入院料F:1232点(現在から2点、2014年度改定前から30点アップ)
・入院料G:968点(現在から1点、2014年度改定前から23点アップ)
・入院料H:920点(現在から1点、2014年度改定前から22点アップ)
・入院料I:815点(現在から1点、2014年度改定前から19点アップ)
▼特定機能病院入院基本料
・一般病棟7対1:1718点(現在から119点、2014年度改定前から152点アップ)
・一般病棟10対1:1438点(現在から99点、2014年度改定前から127点アップ)
▼専門病院入院基本料
・7対1:1667点(現在から76点、2014年度改定前から101点アップ)
・10対1:1296点(現在から64点、2014年度改定前から85点アップ)
▼救命救急入院料1
・3日以内:1万223点(現在から354点、2014年度改定前から512点アップ)
・4-7日:9250点(現在から321点、2014年度改定前から464点アップ)
・8-14日:7897点(現在から274点、2014年度改定前から369点アップ)
▼救命救急入院料2
・3日以内:1万1802点(現在から409点、2014年度改定前から591点アップ)
・4-7日:1万686点(現在から370点、2014年度改定前から535点アップ)
・8-14日:9371点(現在から325点、2014年度改定前から470点アップ)
▼特定集中治療室管理料1
・7日以内:1万4211点(現在から561点、2014年度改定前から711点アップ)
・8-14日:1万2633点(現在から507点、2014年度改定前から633点アップ)
▼ハイケアユニット入院医療管理料
・管理料1:6855点(現在から271点、2014年度改定前から344点アップ)
・管理料2:4224点(現在から140点、2014年度改定前から213点アップ)
▼脳卒中ケアユニット入院医療管理料:6013点(現在から209点、2014年度改定前から6302点アップ)
▼小児特定集中治療室管理料
・7日以内:16317点(現在から565点、2014年度改定前から817点アップ)
・8-14日:14211点(現在から491点、2014年度改定前から711点アップ)
▼新生児特定集中治療室管理料
・管理料1:1万539点(現在から365点、2014年度改定前から528点アップ)
・管理料2:8434点(現在から325点、2014年度改定前から423点アップ)
▼小児入院医療管理料
・管理料1:4750点(現在から166点、2014年度改定前から239点アップ)
・管理料2:4224点(現在から148点、2014年度改定前から213点アップ)
・管理料3:3803点(現在から133点、2014年度改定前から192点アップ)
・管理料4:3171点(現在から111点、2014年度改定前から160点アップ)
・管理料5:2206点(現在から61点、2014年度改定前から95点アップ)
▼回復期リハビリテーション入院料
・入院料1:2129点(現在から44点、2014年度改定前から98点アップ)
・入院料2:2066点(現在から41点、2014年度改定前から95点アップ)
・入院料3:1899点(現在から38点、2014年度改定前から88点アップ)
・入院料4:1841点(現在から35点、2014年度改定前から85点アップ)
・入院料5:1736点(現在から34点、2014年度改定前から80点アップ)
・入院料6:1678点(現在から31点、2014年度改定前から77点アップ)
▼地域包括ケア病棟入院料
・入院料1:2809点(現在から71点、2014年度改定前から129点アップ)
・入院料2:2620点(現在から62点、2014年度改定前から120点アップ)
・入院料3:2285点(現在から47点、2014年度改定前から105点アップ)
・入院料4:2076点(現在から38点、2014年度改定前から96点アップ)
▼緩和ケア病棟入院料1
・30日以内:5207点(現在から156点、2014年度改定前から291点アップ)
・31-60日:4654点(現在から140点、2014年度改定前から261点アップ)
・61日以上:3450点(現在から100点、2014年度改定前から193点アップ)
▼認知症病棟入院料1
・30日以内:1811点(現在から2点、2014年度改定前から50点アップ)
・31-60日:1503点(現在から2点、2014年度改定前から42点アップ)
・61日以上:1204点(現在から1点、2014年度改定前から33点アップ)
▼短期滞在入院等基本料1:2947点(現在から91点、2014年度改定前から147点アップ)
▼短期滞在入院等基本料2:5075点(現在から157点、2014年度改定前から253点アップ)
▼短期滞在入院等基本料3
・水晶体再建術1(片側):2万2411点(現在から401点、2014年度改定前から515点アップ)
・水晶体再建術2(両側):3万7839点(現在から567点、2014年度改定前から681点アップ)
・乳腺腫瘍摘出術1:2万756点(現在から789点、2014年度改定前から903点アップ)
▼訪問看護療養費
●月の初日
・機能強化型1:1万2530円(現在から130円、2014年度改定前から230円アップ)
・機能強化型2:9500円(現在から100円点、2014年度改定前から200円アップ)
・機能強化型3:8470円(現在から70円、2014年度改定前から170円アップ)
・機能強化型以外:7440円(現在から40円、2014年度改定前から140円アップ)
●月の2日目以降:3000点(現在から20点、2014年度改定前から50円アップ)
1月9日の「医療機関等における消費税担に関する分科会」では、引き上げ率について、▼急性期一般入院料1(旧7対1)は4.8%▼7対1特定機能病院は8.8%▼7対1専門病院は5.9%▼初診料・再診料は5.5%―などの数字が示されていましたが、今回の数字からは▼急性期一般1:5.36%▼7対1特定機能:9.71%▼7対1専門:6.45%▼初診料:6.67%▼再診料:5.80%—の引き上げが実施されたことが分かります。医療費の伸び率などを踏まえた調整がなされていることが分かります。
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