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異なるベンダー間の電子カルテデータ連結システムなどの導入経費を補助―厚労省・財務省

2018.12.17.(月)

 異なるベンダー間では、電子カルテデータの連結が困難で地域連携を阻害している。このため、こうしたデータの連結を可能とするコンバータシステムを医療機関が導入した場合の経費などを補助するための基金(医療ICT化促進基金(仮称))を国費300億円を投じて創設する―。

 こうした内容が、根本匠厚生労働大臣と麻生太郎財務大臣との2019年度予算折衝において固まったことが、12月17日に公表されました。

 また2019年度の社会保障関係費は、概算要求時点に比べて1200億円圧縮し、4800億円増となります。

12月17日に、麻生太郎財務大臣との間でなされた2019年度予算編成の折衝後、記者会見に臨んだ根本匠厚生労働大臣

12月17日に、麻生太郎財務大臣との間でなされた2019年度予算編成の折衝後、記者会見に臨んだ根本匠厚生労働大臣

 

消費増税に伴い、診療報酬・介護報酬のプラス改定、新たな処遇改善加算の創設も

 2019年度予算については、今年(2018年)8月の概算要求時点で「前年度当初予算に比べて6000億円増」となっていました(関連記事はこちらこちら)。今般の予算編成過程で、さらに▼介護納付金の総報酬割の4分の3導入で610億円減▼薬価・材料価格の実勢価格改定等分で500億円減(医薬品490億円減、材料10億円減)―などで1200億円を圧縮し、「4800億円増」(国費ベース)となることが決まりました。

 もっとも、2019年度には消費税率の引き上げが予定されており(2019年10月実施予定)、社会保障の充実に公費ベースで8100億円程度が充てられます。記者会見の席で根本厚労相は「全世代型社会保障の基盤構築に向け、必要な予算額を確保できた」とコメントしています。

 そこには、▼介護人材の処遇改善(新処遇改善加算の創設):420億円▼地域医療介護総合確保基金の増額:200億円(医療分100億円、介護分100億円)▼医療ICT化促進基金(仮称):300億円—などが盛り込まれます。

 このうち医療ICT化促進基金(仮称)は、データヘルス改革や電子カルテシステムの標準化などに向けた医療機関の投資を補助するものです。「電子カルテの標準化」と聞くと、「数多ある電子カルテシステムの標準仕様を定め、システム開発などに補助を行うのだろうか」と考えてしまいますが、これには検討のために多くの時間がかかり、また、そもそも「基金から補助を行う」性質の事業ではありません。

厚労省医政局地域医療計画課の鈴木健彦課長は、「異なるベンダー間で電子カルテデータ連結が困難となっており、地域連携を阻害しているとの指摘を放置しておくことはできない。電子カルテデータを連結するためのコンバータシステムなどを導入する医療機関に対し、その費用の一部を補助する」と、基金創設の目的を説明しています。地域医療連携の推進に向けて、大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

 
また、前述したように2019年10月には消費税率の引き上げ(8%→10%)が予定されており、これによる医療機関等の負担増を補填するための特別の診療報酬・介護報酬改定が行われます。今般の予算折衝では、次のような改定率が確認されています。

【診療報酬本体】(関連記事はこちらこちら

プラス0.41%(国費200億円程度)で、その内訳は▼医科:プラス0.48%(同170億円程度)▼歯科:プラス0.57%(同20億円程度)▼調剤:プラス0.12%(同10億円程度)―(医科:歯科:調剤の比率は「各医療費シェア」×「課税経費率」に基づく)

【薬価・材料価格】(関連記事はこちら

▽薬価:マイナス0.51%(国費290億円程度):前述した実勢価格改定等により0.93%の引き下げ(同490億円程度)を行ったうえで、消費税率引き上げ分0.42%の引き上げ(同200億円程度)を行う

▽材料価格:プラス0.03%(国費20億円程度):前述した実勢価格改定等により0.02%の引き下げ(同10億円程度)を行ったうえで、消費税率引き上げ分0.06%の引き上げ(同30億円程度)を行う

【介護報酬本体】(関連記事はこちらこちら
プラス0.39%(国費50億円程度):さらに、別途「補足給付の引き上げ」(国費7億円程度)を行う

また、介護人材の確保・定着を目指した「新たな処遇改善加算」も創設されます。満年度ベースで1000億円の公費(勤続10年以上の介護福祉士(20万人)の給与を、全産業平均並みにするため、月額8万円程度の引き上げを行うために2000億円が必要となり、これを保険料と公費で2分の1ずつ負担する)が準備されます。新たな処遇改善加算は2019年10月から創設されることから、「2019年11月支払い分(10月の介護サービス提供に対し、11月に介護費が支払われる)から2020年3月支払い分」の5か月分が2019年度予算で確保され、その額は公費ベースで420億円程度、国費ベースで210億円程度(介護費の公費は、国が50%、地方(都道府県と市町村)が25%ずつ負担)となります(関連記事はこちらこちら)。

 こうした報酬改定の内容については、すでに中央社会保険医療協議会と社会保障審議会・介護給付費分科会で議論が進んでいます。

 
 なお、消費税率の引き上げに伴い、「介護保険料の軽減拡充」「年金生活者支援給付金の支給」が可能となり、これと併せて「後期高齢者医療制度における保険料(均等割)の軽減特例(9割軽減・8.5割軽減)」の見直し(特例を廃止し、法律本則に基づく7割軽減とする)も行われます。これは、2016年12月に社会保障制度改革推進本部が決定した「今後の社会保障改革の実施について」に基づくもので、詳細は別途お伝えします。

【更新履歴】薬価の実勢価格改定分で490億円減と記載していましたが、この中には2018年度の薬価制度抜本改革で導入された「四半期再算定」(オプジーボで実施)による70億円減が含まれています。このため「薬価の実勢価格改定分等 490億円」と修正しました。記事は修正済です。
 
 

 

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