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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

2020年1月に健保組合全体の後発品割合は調剤ベースで81.1%に到達したが・・・—健保連

2020.10.14.(水)

今年(2020年)1月時点で、健康保険組合における後発医薬品の使用割合は81.1%に達した―。

健康保険組合連合会が10月9日に発表した「後発医薬品の普及状況」(数量ベース)【令和2年1月診療分】から、こういった状況が明らかになりました(健保連のサイトはこちら)(2019年4月時点の記事はこちら)。

ただし、医科入院やDPCを勘案したとき、期限(2020年9月)内に目標が到達できているのかは不明です。

健保連後発品割合(2020年1月)

協会けんぽのデータでは、期限内の目標クリアは難しそうだが・・・

「医療技術の高度化」(脊髄性筋萎縮症の治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(1億6707万円)白血病等治療薬「キムリア」(3350万円)の保険適用など)、「少子・高齢化の進展」(2022年度からは、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が75歳以上に到達する。2025年度から2040年度にかけて高齢者の増加ペース自体は鈍化するが、現役世代人口が急速に減少していく)などにより、我が国の医療保険財政はさらに厳しくなっていくことが確実視されています。

新型コロナウイルス感染症の影響で医療費は一定程度マイナスに触れる可能性がありますが、同時に保険料収入の減少(失業や給与減など)が生じることから、医療保険財政が厳しさを増す点そのものには変化がないと考えられます。

こうした状況の下では「医療費の伸びを我々国民が負担可能な水準に抑える」(医療費適正化)ことが必要不可欠です。政府は、▼平均在院日数の短縮による入院医療費の適正化(入院基本料や特定入院料、DPCの包括点数は「1日当たり」の支払い方式であり、在院日数の短縮が入院医療費の縮減に効果的である)▼後発医薬品(ジェネリック医薬品、後発品)の使用促進による薬剤費の圧縮▼病院の機能分化推進と連携の強化▼地域差(ベッド数、外来受療率、平均在院日数など)の是正▼保健事業の充実による健康寿命の延伸―など、さまざまな角度から医療費適正化に向けて取り組んでいます。

このうち後発品に関しては、▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2020年9月に80%以上とする(第2目標)―という2段階の目標が設定され、全国で使用推進が行われています。



主に大企業のサラリーマンとその家族が加入する健康保険組合全体では、後発品割合が今年(2020年)1月時点で81.1%となったことが分かりました(サラリーマン本人と家族の合計、調剤分)。調剤ベースでは第2目標を期限到来前にクリアした格好です。

直近1年間の状況を見てみると、昨年(2019年)2月には78.0%であったことから、単純計算で「1か月当たり0.28ポイント強」のペースで増加しています。

また医科・歯科を含めた医療保険全体で見ると、今年(2020年)1月時点の後発品割合(調剤分)は80.2%となり、こちらも第2目標をクリアできています。



ただし医薬品は薬局で交付されるだけではありません。院内調剤を行う医療機関も少なくなく、また入院中に院内で使用する薬剤もあります。この点、主に中小企業の会社員とその家族が加入する協会けんぽのデータからは、▼「医科・DPC・歯科」を合わせると、今年(2020年)5月時点の後発品割合は78.7%にとどまっている(目標まで1.3ポイントの開き)▼後発品使用推進ペースが足踏み状態にあり、現在のペースが続くと仮定とすると、目標到達は今年(2020年)末となる—ことが分かっています。



後発品割合が高まるとともに「伸びしろ」が小さくなり、「停滞」が生じる可能性がままあります。また新型コロナウイルス感染症の影響が後発品割合にも出てくる可能性もあります。目標をいち早く実現できそうな健康保険組合連合会には、「後発品使用が十分に進んでいない国民健康保険などに対して『後発品使用促進に向けたノウハウ』を伝授していく」役割も期待されています。健康保険組合、その連合組織である健康保険組合連合会には、なすべき課題がまだまだあります。

すでに「2020年9月」の目標期限は到来しており、どういった状況にあるのか公的なデータの公表が注目されます。



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2019年4月に健保組合全体で後発品割合は78.4%、2019年10月には「80%以上」実現の見込み—健保連
2018年1月、健保組合全体で後発品割合は74.1%に—健保連
2017年、健保組合全体で後発品割合は70%を概ねクリア—健保連