2019年4月に健保組合全体で後発品割合は78.4%、2019年10月には「80%以上」実現の見込み—健保連
2019.10.11.(金)
今年(2019年)4月時点で、健康保険組合における後発医薬品の使用割合は78.4%に達した。現在のペースで進めば、今年(2019年)10月には、調剤・医療保険全体ともに「80%以上」をクリアできる見込みである―。
健康保険組合連合会が10月2日に発表した「後発医薬品の普及状況(数量ベース)【平成31年4月診療分(1225組合)】」から、こういった状況が明らかになりました(健保連のサイトはこちら)(2018年1月時点の記事はこちら、2017年の記事はこちら)。
現在のペースが続けば、2019年10月には「80%」を実現可能か
医療技術の高度化、高齢化の進展などに伴い、我が国の医療費は増加を続けています。2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるため、今後、医療・介護費がさらに増加スピードを上げると予想されます。
また、その後、高齢者人口の増加そのものは鈍化する(絶対数は大きく変わらない)ものの、高齢者を支える現役世代人口が急激に減少していくため、医療保険の基盤が極めて脆くなります。
このように医療費が国民の負担能力を超えて増加すれば、公的医療保険制度が破たんしてしまうため、政府は、医療費の増加を抑える(医療費の適正化)を重点課題に位置付け、その方策の1つとして「効果が同じで価格が安いジェネリック医薬品(後発品)」の使用促進を重視しています。具体的には▼2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とする(第1目標)▼2020年9月に80%以上とする(第2目標)―との2段階の目標値を設定しました。
主に大企業のサラリーマンとその家族が加入する健康保険組合全体では、後発品割合が今年(2019年)4月時点で78.4%となったことが分かりました(サラリーマン本人と家族の合計、調剤分)。
直近1年間の状況を見てみると、昨年(2018年)5月には75.4%であったことから、単純計算で「1か月当たり0.27ポイント」のペースで増加しています。このペースが維持されるとすれば、今年(2019年)10月には第2目標の「80%以上」をクリアできる見込みです。
また、医科・歯科を含めた医療保険全体で見ると、今年(2019年)2月時点の後発品割合は77.5%です。昨年(2018年)5月以降は「1か月当たり0.37ポイント」のペースで増加しており、これが継続すると仮定すれば、第2目標である80%以上の実現は、調剤分と同じく「2019年10月」となる見込みです。
現在のペースが続けば、「国の定めた期限」前に後発品割合80%以上を達成できそうです。
ただし、後発品割合が高まるとともに「伸びしろ」が小さくなり、「停滞」が生じる可能性もままあります。さらに、目標実現をいち早く実現できそうな健康保険組合連合会には、「後発品使用が十分に進んでいない国民健康保険などに対して『後発品使用促進に向けたノウハウ』を伝授していく」役割も期待されています。健康保険組合、その連合組織である健康保険組合連合会には、まだまだやるべきことが数多くあります。
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