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がん拠点病院・小児がん拠点病院・ゲノム拠点病院等の指定要件、2022年度に整合性とって改訂―がん診療提供体制検討会

2021.10.27.(水)

がん診療連携拠点病院(成人拠点)・小児がん拠点病院(小児拠点)・がんゲノム医療中核拠点病院(ゲノム拠点)などの指定要件について、医学医療の進展状況などを踏まえ、また各拠点病院制度の整合性なども踏まえて2022年度に見直し、2023年から新要件での指定を行うこととする―。

その際、がんゲノム医療中核拠点病院などでは「2021年度に指定要件を見直し、2022年度から新要件で指定を行う」こととされていたが、上記の方針に沿い「現行の指定期間を1年間延長する」こととする―。

10月27日に開催された「がん診療提供体制の在り方に関する検討会」(以下、検討会)で、こういった点が固められました。今後、▼成人拠点▼小児拠点▼ゲノム拠点―の要件を議論する3つのワーキンググループが開かれ、来年(2022年)7月頃に「新要件」が策定される見込みです。

がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院の指定期間を1年間延長

「日本全国のどの地域に住んでいても、優れたがん医療を受けられる体制を整える」(均てん化)という方針の下、我が国では、▼高度ながん医療を提供する「がん診療連携拠点病院」等▼小児特性に踏まえた高度がん医療を提供する「小児がん拠点病院」等▼ゲノム解析結果を踏まえて適切ながん医療提供を目指す「がんゲノム医療中核拠点病院」等―の整備が進められています。

がん医療の高度化(例えば新たな医療技術の開発・普及など)、患者ニーズの多様化など、がん医療を取り巻く環境は絶えず変化するため、指定要件については定期的に見直すことが求められています。具体的には▼成人拠点・小児拠点では4年に一度▼ゲノム拠点では2年に一度―見直すこととされています。

こうした拠点病院を統一的視点で整備していく観点から、「検討会を親組織として、その下に▼成人拠点▼小児拠点▼ゲノム拠点―の要件を議論する3つのワーキンググループを設置する」という体制変更が行われています。各ワーキンググループで議論された要件を親組織である検討会で審議・了承することで、「要件の齟齬等を排除できる」ことが期待されます。

がん診療提供提供体制を検討する体制を刷新(がん診療提供体制検討会1 211027)



これまでの指定期間・要件見直しスケジュール等に照らせば、▼成人拠点・小児拠点については2022年度に指針を見直す▼ゲノム拠点については2021年度に指針を見直す―ことになります。しかしゲノム医療に関しては、「遺伝子パネル検査の保険適用などが進んでいるが、医療提供が必要な体制等に関する大きな変化はない」こと、「現在『全ゲノム解析』に向けた症例(1万例)の蓄積・解析・研究が進んでおり、その結果をゲノム拠点病院等の指定要件に反映させることが重要である」こと、また「保険適用されている遺伝子パネル検査の実施状況、さらにエキスパートパネル(専門家会議)で遺伝子変異に照らして最適な抗がん剤を選択・投与できた治療実績などを十分に把握・検証する必要がある」こと、さらに「ゲノム拠点病院等と、成人拠点・小児拠点病院等との指定要件の整合性なども確保する必要がある」ことなどを総合的に踏まえ、検討会では「成人拠点・小児拠点・ゲノム拠点のいずれの指定要件についても2022年度に改訂する」方針を決定しました。

併せて、現在のがんゲノム医療中核拠点病院(12施設)・ゲノム医療拠点病院(33施設)の指定期間についても「2021年度まで」から「2022年度まで」に1年間延長することも了承されました。

成人拠点・小児拠点・ゲノム拠点等の指定要件を整合性を確保して見直すため、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定期間を延長する(がん診療提供体制検討会2 211027)



この点、天野慎介構成員(全国がん患者団体連合会理事長)から「当初予定どおり現行指定要件で2022年度に指定更新・新規指定を行ったうえで、新指定要件に基づいて2023年度に改めて指定更新・新規指定を行うことも考えられるのではないか。2022年度の新規指定向けて準備を進めている病院もあると思われる」との意見も出ています。しかし、病院側の負担が大きくなってしまうこと、がんゲノム医療中核拠点病院・がんゲノム医療拠点病院は合計で45施設指定され、がんゲノム医療連携病院(拠点病院等と連携してがんゲノム医療を提供する)は183施設指定され「拠点病院等の判断で随時拡大可能である」ことなどを踏まえ、上記の結論が導かれました。

今後、3ワーキンググループでそれぞれの拠点病院等に関する指定要件を議論し、その結果を踏まえて、来年(2022年)7月頃に検討会で「各拠点病院等の新指定要件を決定する」運びとなります。

今後のワーキンググループ議論に向けて、検討会構成員からは▼各拠点病院制度間で要件の整合性をとる必要があり(例えば、ある職種について成人拠点・小児拠点・ゲノム拠点のそれぞれで「専任である」ことが求められるとなれば、体制整備が非常に難しくなる)、適宜、情報連携等を行う必要がある(藤也寸志構成員:九州がんセンター院長、泉並木構成員:日本病院会副会長)▼がんゲノム医療は、「将来のがん治療のシーズ発見」「医療機関間のネットワーク構築」「小児→AYA世代→成人のがん医療、希少がんのがん医療等を横断的に見ていく際の視点・要」などの役割も果たすことが期待される。そうした点を踏まえた要件設定を検討する必要がある(中釜斉構成員:国立がん研究センター理事長)―といった意見が出されており、各ワーキンググループにも伝達されます。

ワーキンググループでは、この11月(2021年11月)から来年1月に指定要件見直し論議を開始する予定です。

がん診療連携拠点病院等の指定要件見直しスケジュール(がん診療提供体制検討会3 211027)

がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件見直しスケジュール(がん診療提供体制検討会4 211027)

小児がん拠点病院の指定要件見直しスケジュール(がん診療提供体制検討会5 211027)



なお天野構成員は「拠点病院に要件違反などがある場合の対応方法」を検討しておくべきとの考えも示しています。例えば、拠点病院では「保険適用外の免疫療法などについては、原則として治験や臨床研究(先進医療含む)として実施する」ことが求められていますが、一部の拠点病院には「自由診療による保険適用外の免疫療法実施」などの実態もあるようです。天野委員は「こうした違反をしながら拠点病院の看板を掲げているのは問題である」と指摘しています。

この点について厚生労働省の担当者は「指定要件を設定する検討会と別に、実際の指定を行う検討会が設けられている(がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会)。そこで違反事実を確認し、拠点病院等として相応しいか否かを検討している」旨を回答しました。運用の中で「違反が生じないように、違反した病院が拠点病院等として指定されないように」する工夫がなされています。実際に「自由診療で保険適用外の免疫療法実施」をしていた病院からの拠点病院指定申請については「却下」決定がなされたこともあり、運用の工夫による実効性も確保されています。

関連して松原謙二構成員(日本医師会副会長)は「研究費を拡充し、保険外の先進的な議論にがん患者がアクセスしやすくなる環境を整備してほしい」と厚労省に要請しています。



なお、来年度に策定・改訂される拠点病院等の新指定要件は、2024年度からの「第4期がん対策推進基本計画」にも反映されます。



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