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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

都道府県がん拠点病院50施設、地域がん拠点病院339施設など4月1日から新指定―がん拠点病院指定検討会

2019.3.7.(木)

 都道府県がん診療連携病院として50施設を、地域がん診療連携拠点病院として329施設を指定する―。

 3月7日に開催された「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」で、こういった方針が固められました。

 検討会の意見を踏まえ、根本匠厚生労働大臣が本年度中(2019年3月末まで)に指定手続きなどを行い、この4月1日(2019年4月1日)から新たながん診療提供体制がスタートすることになります。

3月7日に開催された、「第14回 がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」

3月7日に開催された、「第14回 がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」

 

がん医療の質向上を目指し、がん診療連携拠点病院の指定要件を刷新

 「日本全国のどの地域に住んでいても、優れたがん医療を受けられる体制を整える」(均てん化)という方針の下、我が国では、高度ながん医療を提供する病院を▼都道府県がん診療連携拠点病院▼地域がん診療連携拠点病院▼地域がん診療病院▼特定領域がん診療連携拠点病院—として指定しています(以下、本稿では全体を拠点病院等と呼ぶ)。

 拠点病院等として指定されるには、国の定めた基準(指定要件)を満たすことが求められますが、▼拠点病院間で診療実績や体制に大きなバラつきがある▼新たながん対策推進基本計画(第3期計画)が2018年度から稼働している▼医療安全体制の強化が求められている▼従前の基準に曖昧な部分がある―ことなどを踏まえ、厚労省の「がん診療提供体制の在り方に関する検討会」で基準見直しが行われました(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

見直し内容は非常に多岐にわたりますが、そのポイントは次のように整理できるでしょう。

▽地域がん診療連携拠点病院の設置について、従前の「2次医療圏に1か所」から「都道府県が定める医療計画での『がん医療圏』に1か所整備する」とする(相乗効果が認められる場合などには、複数の整備も可能)

▽同じ医療圏に地域がん診療連携拠点病院が複数ある場合、実績・機能等に応じて次の3区分で指定を行う
(1)地域がん診療連携拠点病院(高度型):▼必須要件をすべて満たす▼「望ましい」要件を複数満たす▼優れた取り組み(相談支援センター、緩和ケアなど)を実施している▼圏域内で診療実績が最も優れている―施設を圏域内に1か所指定する
(2)地域がん診療連携拠点病院:必須要件をすべて満たす施設を指定する
(3)地域がん診療連携拠点病院(特例型):2019年4月以降に指定されたものの、後に「必須要件を十分に満たせなくなった」場合に指定する(要件充足の見通しが立たない場合には指定を取り消す)

指定に関する見直し項目(その3)

指定に関する見直し項目(その3)

 
▽診療体制要件について厳格化を行う。例えば、▼DPCデータの提出を義務化する▼保険適応外の免疫療法等を実施は、原則として治験や臨床研究(先進医療含む)として実施する▼放射線治療の提供体制に関して、緩和的放射線治療提供を必須要件化し、強度変調放射線治療(IMRT)実施を「望ましい」要件とする▼放射線診断医・放射線治療医を「専従」とするなど、専門医・専門医療従事者の配置要件を厳格化する▼病病連携・病診連携を強化する―ことなどを求める
がん拠点病院指定検討会3 190307
 
▽診療実績(手術件数や化学療法件数、圏域内の患者カバー率など)について、同一医療圏で複数の病院を指定する場合には「すべての実績要件を満たす」(基準値の9割)ことを求め、1病院のみ指定の場合には相対評価(当該地域のがん患者の2割程度以上のシェアを誇っていればよい)も可能とする
がん拠点病院指定検討会2 190307
 
▽医療安全体制確保のため、▼常勤の医師▼常勤の「専任」薬剤師▼常勤の「専従」看護師―などで構成される「医療安全管理部門」の設置を義務化する
がん拠点病院指定検討会4 190307
 
▽第三者評価(日本医療機能評価機構やJCI(Joint commission international)などの評価・認定など)を「望ましい」要件とする

◆がん診療連携拠点病院の指定要件はこちら(厚労省サイト・検討会資料)

既存の拠点病院を含めて、がん拠点病院の要件を満たしているかを確認

 厚労省では、すべてのがん診療連携拠点病院を対象に、こうした基準を満たすか否かを洗いなおす方針も決定し、3月7日の検討会でその審査が行われました。原則として「必須要件をすべて満たす」ことが求められますが、既存病院に関しては「経過措置項目(専従の放射線常勤医の配置、緩和ケアの診療実績など)のみを満たさない場合」のみ、期間を短縮(通常4年だが、1年または2年に短縮)した指定が可能となります。逆に言えば、新規申請では「必須要件を1つでも満たさなければ」、既存病院では「経過措置項目以外の要件を1つでも満たさなければ」、拠点病院の指定はなされません。実際、既存病院が指定されなかったケース(青森県の八戸市立市民病院など)もあります。
がん拠点病院指定検討会1 190307
 
審査の結果、次の病院を拠点病院等として指定する方針が固められました。都道府県がん診療連携拠点病院は50施設(数字上は従前から増減なし)、地域がん診療連携拠点病院は339施設(同じく9施設減)、特定領域がん診療連携拠点病院は1施設(同増減なし)、地域がん診療病院は36施設(同増減なし)となりました(入れ替わりはある)。根本匠厚生労働大臣が指定手続きを行い、4月1日から発効します。

【国立がん研究センター】
▽中央病院▽東病院

【北海道】
●都道府県拠点病院:北海道がんセンター

●地域拠点病院:▽市立函館病院▽市立札幌病院▽砂川市立病院▽日鋼記念病院▽王子総合病院▽旭川厚生病院▽北見赤十字病院▽帯広厚生病院▽市立釧路総合病院▽函館五稜郭病院▽KKR札幌医療センター▽恵佑会札幌病院▽札幌医大病院▽札幌厚生病院▽手稲渓仁会病院▽北海道大病院▽旭川医大病院▽市立旭川病院▽釧路労災病院

●地域がん診療病院:▽小樽市立病院▽北海道中央労災病院

【青森県】
●都道府県拠点病院:青森県立中央病院

●地域拠点病院:▽弘前大病院▽十和田市立中央病院

【岩手県】
●都道府県拠点病院:岩手医大付属病院

●地域拠点病院:▽岩手県立中央病院▽岩手県立中部病院▽岩手県立磐井病院▽岩手県立宮古病院▽岩手県立二戸病院▽岩手県立胆沢病院▽岩手県立大船渡病院▽岩手県立久慈病院▽岩手県立釜石病院

【宮城県】
●都道府県拠点病院:▽宮城県立がんセンター▽東北大病院

●地域拠点病院:▽仙台医療センター▽東北労災病院▽大崎市民病院▽石巻赤十字病院

●地域がん診療病院:みやぎ県南中核病院

【秋田県】
●都道府県拠点病院:秋田大病院

●地域拠点病院:▽秋田赤十字病院▽大曲厚生医療センター▽平鹿総合病院▽大館市立総合病院▽秋田厚生医療センター

●地域がん診療病院:▽能代厚生医療センター▽由利組合総合病院▽雄勝中央病院▽北秋田市民病院

【山形県】
●都道府県拠点病院:山形県立中央病院

●地域拠点病院:▽山形市立病院済生館▽山形大病院▽山形県立新庄病院▽公立置賜病院▽日本海総合病院

【福島県】
●都道府県拠点病院:福島県立医大病院

●地域拠点病院:▽坪井病院▽総合南東北病院▽太田西ノ内病院▽竹田綜合病院▽会津中央病院▽福島労災病院▽白河厚生総合病院▽いわき市立総合磐城共立病院

【茨城県】
●都道府県拠点病院:茨城県立中央病院

●地域拠点病院:▽日立総合病院▽土浦協同病院▽筑波メディカルセンター病院▽筑波大病院▽東京医大茨城医療センター▽友愛記念病院▽水戸医療センター▽ひたちなか総合病院

●地域がん診療病院:小山記念病院

【栃木県】
●都道府県拠点病院:栃木県立がんセンター

●地域拠点病院:▽自治医大病院▽済生会宇都宮病院▽独協医大病院▽足利赤十字病院▽上都賀総合病院▽那須赤十字病院

●地域がん診療病院:芳賀赤十字病院

【群馬県】
●都道府県拠点病院:―(指定保留)

●地域拠点病院:▽前橋赤十字病院▽高崎総合医療センター▽渋川医療センター▽公立藤岡総合病院▽公立富岡総合病院▽伊勢崎市民病院▽桐生厚生病院▽群馬県立がんセンター

【埼玉県】
●都道府県拠点病院:埼玉県立がんセンター

●地域拠点病院(高度型):埼玉医大国際医療センター

●地域拠点病院:▽春日部市立医療センター▽獨協医大埼玉医療センター▽さいたま赤十字病院▽さいたま市立病院▽川口市立医療センター▽埼玉医大総合医療センター▽国立病院機構埼玉病院▽深谷赤十字病院▽済生会川口総合病院▽自治医大さいたま医療センター▽戸田中央総合病院

【千葉県】
●都道府県拠点病院:千葉県がんセンター

●地域拠点病院:▽千葉大病院▽千葉医療センター▽船橋市立医療センター▽東京歯大市川総合病院▽順天堂大浦安病院▽東京慈恵会医大柏病院▽松戸市立総合医療センター▽日本医大千葉北総合病院▽国保旭中央病院▽亀田総合病院▽君津中央病院▽千葉労災病院

●地域がん診療病院:さんむ医療センター

【東京都】
●都道府県拠点病院:▽都立駒込病院▽がん研有明病院

●地域拠点病院(高度型):▽NTT東日本関東病院▽帝京大病院▽慶大病院▽東京医療センター

●地域拠点病院:▽東京大病院▽日本医大病院▽聖路加国際病院▽都立墨東病院▽日赤医療センター▽日大板橋病院▽青梅市立総合病院▽東京医大八王子医療センター▽武蔵野赤十字病院▽杏林大病院▽順天堂大順天堂医院▽昭和大病院▽東京医大病院▽国立国際医療研究センター病院▽都立多摩総合医療センター▽公立昭和病院▽東京慈恵会医大病院▽虎の門病院▽東邦大医療センター大森病院▽東京医科歯科大病院▽災害医療センター

●地域がん診療病院:東京女子医大東医療センター

【神奈川県】
●都道府県拠点病院:神奈川県立がんセンター

●地域拠点病院:▽横浜労災病院▽横浜市立市民病院▽横浜市大病院▽聖マリアンナ医大病院▽川崎市立井田病院▽横須賀共済病院▽藤沢市民病院▽東海大病院▽相模原協同病院▽北里大病院▽小田原市立病院▽昭和大横浜北部病院▽みなと赤十字病院▽大和市立病院▽横浜市東部病院▽横浜市大市民総合医療センター▽関東労災病院

【新潟県】
●都道府県拠点病院:新潟県立がんセンター新潟病院

●地域拠点病院:▽新潟県立新発田病院▽新潟市民病院▽新潟大病院▽長岡中央綜合病院▽長岡赤十字病院▽新潟県立中央病院

●地域がん診療病院:佐渡総合病院

【富山県】
●都道府県拠点病院:富山県立中央病院

●地域拠点病院(高度型):富山大病院

●地域拠点病院:▽厚生連高岡病院▽高岡市民病院▽砺波総合病院▽黒部市民病院

【石川県】
●都道府県拠点病院:金沢大病院

●地域拠点病院:▽金沢医療センター▽石川県立中央病院▽金沢医大病院▽国保小松市民病院

【福井県】
●都道府県拠点病院:福井県立病院

●地域拠点病院:▽福井大病院▽福井赤十字病院▽福井県共済会病院▽敦賀医療センター

【山梨県】
●都道府県拠点病院:山梨県立中央病院

●地域拠点病院:▽山梨大病院▽市立甲府病院▽富士吉田市立病院

●地域がん診療病院:山梨厚生病院

【長野県】
●都道府県拠点病院:信州大病院

●地域拠点病院:▽佐久医療センター▽諏訪赤十字病院▽飯田市立病院▽相澤病院▽長野赤十字病院▽長野市民病院▽伊那中央病院

●地域がん診療病院:▽北信総合病院▽信州上田医療センター▽長野県立木曽病院▽北アルプス医療センターあづみ病院

【岐阜県】
●都道府県拠点病院:岐阜大病院

●地域拠点病院:▽岐阜県総合医療センター▽岐阜市民病院▽大垣市民病院▽木沢記念病院▽岐阜県立多治見病院▽高山赤十字病院

【静岡県】
●都道府県拠点病院:静岡県立静岡がんセンター

●地域拠点病院:▽順天堂大静岡病院▽静岡県立総合病院▽静岡市立静岡病院▽藤枝市立総合病院▽聖隷三方原病院▽聖隷浜松病院▽浜松医療センター▽浜松医大病院▽磐田市立総合病院

●地域がん診療病院:▽国際医療福祉大熱海病院▽富士市立中央病院

【愛知県】
●都道府県拠点病院:愛知県がんセンター中央病院

●地域拠点病院(高度型):藤田医大病院

●地域拠点病院:▽名古屋医療センター▽名古屋大病院▽中京病院▽名古屋市大病院▽名古屋第一赤十字病院▽名古屋第二赤十字病院▽名古屋市立西部医療センター▽海南病院▽公立陶生病院▽愛知医大病院▽一宮市立市民病院▽小牧市民病院▽豊田厚生病院▽安城更生病院▽豊橋市民病院▽半田市立半田病院▽岡崎市民病院

【三重県】
●都道府県拠点病院:三重大病院

●地域拠点病院:▽伊勢赤十字病院▽松坂中央総合病院▽鈴鹿中央総合病院▽市立四日市病院

【滋賀県】
●都道府県拠点病院:滋賀県立総合病院

●地域拠点病院:▽大津赤十字病院▽市立長浜病院▽彦根市立病院▽滋賀医大病院

●地域がん診療病院:高島市民病院

【京都府】
●都道府県拠点病院:▽京都府立医大病院▽京大病院

●地域拠点病院:▽市立福知山市民病院▽京都桂病院▽京都市立病院▽京都第一赤十字病院▽京都第二赤十字病院▽京都医療センター▽宇治徳洲会病院

●地域がん診療病院:▽京都府立医大北部医療センター▽京都中部総合医療センター▽京都山城総合医療センター

【大阪府】
●都道府県拠点病院:大阪国際がんセンター

●地域拠点病院(高度型):▽大阪市立総合医療センター▽大阪医大病院

●地域拠点病院:▽市立豊中病院▽市立東大阪医療センター▽大阪南医療センター▽大阪労災病院▽市立岸和田市民病院▽大阪赤十字病院▽大阪市大病院▽大阪大病院▽近畿大病院▽関西医大病院▽大阪医療センター▽大阪急性期・総合医療センター▽堺市立総合医療センター▽八尾市立病院

【兵庫県】
●都道府県拠点病院:兵庫県立がんセンター

●地域拠点病院(高度型):姫路赤十字病院

●地域拠点病院:▽神戸大病院▽神戸市立医療センター中央市民病院▽関西労災病院▽兵庫医大病院▽近畿中央病院▽市立伊丹病院▽西脇市立西脇病院▽姫路医療センター▽赤穂市民病院▽公立豊岡病院▽兵庫県立柏原病院▽兵庫県立淡路医療センター▽神戸市立西神戸医療センター

【奈良県】
●都道府県拠点病院:奈良医大病院

●地域拠点病院:▽奈良県総合医療センター▽天理よろづ相談所病院▽近畿大奈良病院▽市立奈良病院

●地域がん診療病院:南奈良総合医療センター

【和歌山県】
●都道府県拠点病院:和歌山医大病院

●地域拠点病院(高度型):日赤和歌山医療センター

●地域拠点病院:▽公立那賀病院▽橋本市民病院▽紀南病院▽南和歌山医療センター

【鳥取県】
●都道府県拠点病院:鳥取大病院

●地域拠点病院:▽鳥取県立厚生病院▽米子医療センター▽鳥取県立中央病院

【島根県】
●都道府県拠点病院:島根大病院

●地域拠点病院(高度型):松江市立病院

●地域拠点病院:▽松江赤十字病院▽島根県立中央病院▽浜田医療センター

【岡山県】
●都道府県拠点病院:岡山大病院

●地域拠点病院:▽岡山済生会総合病院▽岡山赤十字病院▽岡山医療センター▽倉敷中央病院▽川崎医大病院▽津山中央病院

●地域がん診療病院:▽高梁中央病院▽金田病院

【広島県】
●都道府県拠点病院:広島大病院

●地域拠点病院:▽県立広島病院▽広島市民病院▽広島赤十字・原爆病院▽廣島総合病院▽呉医療センター▽東広島医療センター▽尾道総合病院▽福山市民病院▽市立三次中央病院▽安佐市民病院

【山口県】
●都道府県拠点病院:山口大病院

●地域拠点病院:▽岩国医療センター▽周東総合病院▽徳山中央病院▽山口県立総合医療センター▽済生会下関総合病院

●地域がん診療病院:▽長門総合病院▽都志見病院

【徳島県】
●都道府県拠点病院:徳島大病院

●地域拠点病院(高度型):徳島県立中央病院

●地域拠点病院:▽徳島赤十字病院▽徳島市民病院

●地域がん診療病院:徳島県立三好病院

【香川県】
●都道府県拠点病院:香川大病院

●地域拠点病院:▽香川県立中央病院▽高松赤十字病院▽香川労災病院

【愛媛県】
●都道府県拠点病院:四国がんセンター

●地域拠点病院:▽住友別子病院▽済生会今治病院▽愛媛大病院▽愛媛県立中央病院▽松山赤十字病院▽市立宇和島病院

【高知県】
●都道府県拠点病院:高知大病院

●地域拠点病院:▽高知医療センター▽高知県立幡多けんみん病院

●地域がん診療病院:高知県立あき総合病院

【福岡県】
●都道府県拠点病院:▽九州がんセンター▽九州大病院

●地域拠点病院:▽九州医療センター▽済生会福岡総合病院▽福岡大病院▽福岡東医療センター▽久留米大病院▽聖マリア病院▽公立八女総合病院▽大牟田市立病院▽飯塚病院▽社会保険田川病院▽北九州市立医療センター▽地域医療機能推進機構九州病院▽産業医大病院▽戸畑共立病院

●地域がん診療病院:▽福岡大筑紫病院▽朝倉医師会病院

【佐賀県】
●都道府県拠点病院:佐賀大病院

●地域拠点病院(高度型):佐賀県医療センター好生館

●地域拠点病院:▽唐津赤十字病院▽嬉野医療センター

【長崎県】
●都道府県拠点病院:長崎大病院

●地域拠点病院:▽長崎みなとメディカルセンター▽長崎原爆病院▽佐世保市総合医療センター▽長崎医療センター▽長崎県島原病院

【熊本県】
●都道府県拠点病院:熊本大病院

●地域拠点病院:▽熊本赤十字病院▽熊本医療センター▽済生会熊本病院▽荒尾市民病院▽熊本労災病院▽人吉医療センター

【大分県】
●都道府県拠点病院:大分大病院

●地域拠点病院:▽別府医療センター▽大分赤十字病院▽大分県立病院▽済生会日田病院▽中津市民病院

【宮崎県】
●都道府県拠点病院:宮崎大病院

●地域拠点病院:▽県立宮崎病院▽都城医療センター

【鹿児島県】
●都道府県拠点病院:鹿児島大病院

●地域拠点病院:▽鹿児島医療センター▽済生会川内病院▽鹿児島市立病院▽今給黎総合病院

●特定領域がん診療連携拠点病院:相良病院

●地域がん診療病院:▽出水郡医師会広域医療センター▽種子島医療センター

【沖縄県】
●都道府県拠点病院:琉球大病院

●地域拠点病院:▽沖縄県立中部病院▽那覇市立病院

●地域がん診療病院:▽北部地区医師会病院▽沖縄県立八重山病院

◆拠点病院等の推薦状況はこちら(厚労省サイト・検討会資料、ただし、青森県の「十和田市立中央病院」、富山県の「黒部市民病院」、鳥取県の「鳥取県立中央病院」の3施設は別枠で審査されたため、本資料には未掲載)

 
 ところで、拠点病院等が指定されていない空白地域もあります(すでに、2次医療圏単位で65の空白地域がある)。今回の指定見直し(既存病院の指定が認められなかった)により、新たに6県・10医療圏が「がん診療連携拠点病院の空白地域」となりました。例えば、青森県の八戸医療圏や下北医療圏などです。

 空白地域の増加は、冒頭に述べた「均てん化」の方針に反しますが、一方で、「要件を満たさない病院を形だけ拠点病院とすることは、患者の利益にならない」(村本高史構成員:サッポロビール人事部プランニング・ディレクター)という面もあります。厚労省では、「新たな空白地域においても、診療実績から『地域がん診療病院』となれる病院もある。空白地域を持つ都道府県に対し、今夏(2019年夏)までに地域がん診療病院の再申請を検討するよう依頼する」考えを述べています。「地域がん診療」病院は、近隣医療圏のがん診療連携拠点病院と連携して、高度ながん医療を提供するもので、空白地域のある6県(青森県、群馬県、滋賀県、香川県、鹿児島県、沖縄県)では、病院に意向(地域がん診療病院となるか否か)を確認するとともに、連携できる「がん診療連携拠点病院」との調整を進めることになります。

 
なお、群馬大病院については、重大な医療事故が発生し、その背景に「ガバナンス不足」があることなどから、都道府県がん診療連携拠点病院・特定機能病院の指定が取り消されています。その後、医療安全体制・ガバナンス体制などが確立され、診療実績等などの要件も満たしているとして、群馬県が3月7日の検討会に「都道府県がん診療連携拠点病院」として推薦しました。しかし、検討会では、「検討会として群馬大病院にヒアリング等を行うべきではないか」(村本構成員)、「改善内容に関する十分な資料提出を求めるべきではないか」(羽鳥裕構成員:日本医師会常任理事)、「ベテラン医師を中心とした医療安全の風土が構築されているか確認すべきではないか」(小松本悟構成員:日本病院会副会長)などの慎重意見が相次ぎました。こうした意見を受け、藤也寸志座長(九州がんセンター院長)は「指定の可否については『保留』し、今後の取扱いについて再検討する」考えを示しています(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。

医療事故等を契機に、同じく都道府県がん診療連携拠点病院の指定を取り消された千葉県がんセンターについては、再指定申請を保留し、当時の山口建・検討会座長(静岡県立静岡がんセンター総長)と厚労省が実地調査に入り、医療安全体制等を確認。その後の、「再度の再指定申請」で、ようやく指定を認めるに至りました。こうした前例も勘案しながら、群馬大病院の取扱いを検討していくことになります(関連記事はこちら)。

がん医療の質向上・経営の質向上を目指すCQI研究会、8月に都内で研究会を開催

 ところで、100超のがん診療連携拠点病院などが参加する CQI(Cancer Quality Initiative)研究会(代表世話人:望月泉:八幡平市病院事業管理者・岩手県立病院名誉院長)では、DPCデータをもと「がん医療の質向上」に向けた研究を行っており、メディ・ウォッチを運営するグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)がデータ分析等を担当しています。

 今年8月24日には、都内で第14回研究会を開催します。研究会では、「診療の質」と「経営の質」を向上するためのデータ分析方法を議論。GHCの開発した「がん診療分析システム」(下図)を用いて、例えば、結腸がんの「術式の割合」(開腹か、腹腔鏡か)、「平均在院日数」や「周術期の医療行為」などを、参加病院の実データを用いてベンチマーク分析し、自院の課題や改善方向などを探ります。

さらに厚労省のがん対策担当者による講演も予定しており、「がん医療の質・経営の質向上」を検討する絶好の機会です。がん診療連携拠点病院や、がん医療に力を入れる急性期病院におかれては、是非、CQI研究会にご参加ください。

◆「第14回CQI研究会」のお申し込みはこちらから
◆お問い合わせ先:CQI研究会事務局(GHC内、担当:八木、森、安斎 E-mail : cqi@ghc-j.com)

 
 
診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo

 

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