子宮収縮薬の使用にあたっては患者に必要性・危険性を説明して同意を得るとともに、分娩監視装置での常時監視を―PMDA
2024.12.11.(水)
子宮収縮薬は、治療の必要性・危険性を十分説明して、患者の同意を得てから使用すること—。
子宮収縮薬使用中は、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと—。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は12月6日に、製薬メーカーからの適正使用等に関する情報提供として「子宮収縮薬の適正使用に関するお願い、子宮頸管熟化薬の適正使用に関するお願い・プロウペス腟用剤を使用する際に、ご本人に理解していただきたいこと」を公表しました。医療機関・薬局において、改めて最大限の留意が必要です(PMDAのサイトはこちら(アトニン-O注)とこちら(プロスタルモン・F注射液)とこちら(プロスタグランジンE2錠)とこちら(オキシトシン注射液「F」)とこちら(ジノプロスト注射液「F」)とこちら(プロウペス腟用剤))。
子宮収縮薬使用にあたっては患者への説明・同意を行い、分娩監視装置で常時監視を
日本医療機能評価機構が公表した「子宮収縮薬の使用状況、使用に際した説明と同意」に関する資料によれば、「子宮収縮薬の使用についての説明・同意、分娩監視装置による胎児心拍数モニターが十分でない」ケースが散見されます(機構のサイトはこちら)。
子宮収縮薬が適切に使用されない場合、母体・胎児に重大な健康被害が生じる可能性野あることは述べるまでもありません。製薬メーカーでは、次のような点に留意して子宮収縮薬を使用するよう医療現場に強く要請しています。
【アトニン-O注】
【オキシトシン注射液「F」】
▽本剤を用いた分娩誘発、微弱陣痛の治療の必要性・危険性を十分説明し、患者の同意を得てから使用する
▽本剤投与中は、トイレ歩行時など「医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外す」ことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う
【プロスタルモン・F注射液】
【ジノプロスト注射液「F」】
▽本剤を用いた陣痛誘発、陣痛促進、分娩促進の必要性・危険性を十分説明し、同意を得てから使用を開始する
▽本剤投与中は、トイレ歩行時など「医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外す」ことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う
【プロスタグランジンE2錠】
▽本剤を用いた陣痛誘発、陣痛促進の必要性・危険性を十分説明し、同意を得てから使用を開始する
▽本剤投与中は、トイレ歩行時など「医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外す」ことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う
▽本剤は点滴注射剤と比べ「調節性に欠ける」ため、過量投与にならないように慎重に投与し、陣痛誘発効果、分娩進行効果を認めたときは投与を中止する
【プロウペス腟用剤】
▽本剤を用いた子宮頸管熟化の促進の必要性・危険性を十分説明し、患者の同意を得てから使用する
▽本剤投与中は、トイレ歩行時など「医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外す」ことを除き、分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には、本剤を速やかに除去し適切な処置を行う
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