2026年度診療報酬改定は本体プラス3.09%の高い水準、「今まで通りではなく、改革・改善に使う」ことが重要―四病協・会員交流会
2026.1.13.(火)
1月9日に四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)の会員交流会が、都内ホテルで開かれました。

四病院団体の会長(向かって左から相澤孝夫・日本病院会会長、山崎學・日本精神科病院会長、伊藤伸一・日本医療法人協会会長、神野正博・全日本病院協会会長)(四病協1 260109)
主催者代表として挨拶した全日本病院協会の神野正博会長は、次のように「2025年度補正予算、2026年度診療報酬改定率(本体プラス3.09%)を、病院の改善・改革のために使う」ことの重要性を強調しています。
●神野正博・全日病会長挨拶
「これから2040年にかけて85歳以上高齢者の増加、現役世代の急減という誰も経験したことのだい人口構造の変化が生じる。このため病院も、これまでのやり方とは異なる、これから生き残っていくための改善、改革を進めなければいけない。2025年度補正予算、2026年度診療報酬改定率(本体プラス3.09%)で得た原資を、今まで通りの使い方をするのではなく、改善、改革のために使うことが大事である。今年は、今後の社会保障改革に向けて医療界も政界も一緒になって議論する年になると思う。今後、病院が前に進んでいけるかは、イノベーションを起こせるとどうかにかかっている。皆で知恵を絞って、病院が一体となって頑張っていく必要がある」

神野正博・全日本病院協会会長(四病協4 260109)
また来賓挨拶を行った上野賢一郎厚生労働大臣は、医療行政をめぐる課題は「目下のもの」から「中長期にわたるもの」まで多岐にわたることを確認したうえで、まず「目下の課題」に対し、医療現場の厳しい状況を踏まえて「スタッフの賃上げ、経営安定化、スタッフの離職防止、新たな人材確保が図られるよう、『コストカット型からの転換』に取り組む」考えを強調しています。
そのために2025年度補正予算を組み、病院の経営支援、職員の処遇改善につながる支援を計上しており、「病院に対しては国が直接支援し、本年度(2025年度)内に補助を届けるという、昨年度(2024年度)の補正よりも大幅に前倒しするスピード感をもって経営を支援する」考えを強調しました。
あわせて2026年度診療報酬改定率については、片山さつき財務大臣と水面下で折衝を重ね、最終的に高市早苗内閣総理大臣の英断で「本体プラス3.09%」を確保した旨を説明し、「医療現場でしっかり活用されるように、これから基準・要件を決定していく」考えを示しています(関連記事はこちら)。
また、先の臨時国会では改正医療法が成立し、「地域医療構想の見直し」「医師偏在是正に向けた総合対策」「医療DX推進」などの方向が確定しています。この点について上野厚労相は▼本年度(2025年度)中に新地域医療構想策定ガイドラインを決定する▼医療DXの推進に向け、標準的電子カルテを2030年までに概ねすべての医療機関に導入すべく、今夏(2026年夏)までに「標準的電子カルテの普及計画」を策定する―考えを示しました。
あわせて、今後「高額療養費の見直し」「高齢者の金融所得を勘案した自己負担水準の設定」「 OTC類似薬の保険給付範囲見直し」などの医療保険制度改革にも精力的に取り組む姿勢を強調しました。

上野賢一郎厚生労働大臣(四病協3 260109)
他方、同じく来賓挨拶を行った日本医師会の松本吉郎会長は、「2025年は6月の骨太方針2025の策定、夏の参議院選挙、2025年度補正予算、2026年度診療報酬改定率設定など、激動の1年であったが、四病協と日医が一体となって闘ってきた。このため、2026年度診療報酬改定率は本体プラス3.09%という30年ぶりの高い数字を獲得することができた。明日からの医療、国民の生命・健康を守るための医療に使っていくことが重要となる」との考えを述べています。

松本吉郎・日本医師会会長(四病協2 260109)
今後も▼2026年度の診療報酬改定▼2040年頃を見据えた新たな地域医療構想ガイドライン策定—など、大きな動きが控えています。こうした大きな流れの中で、各病院では、まず「地域における自院の立ち位置の明確」を検討し、必要に応じて「機能の見直し」「規模の見直し」、さらには「他院との統合・再編も視野に入れた連携の強化」を早急に進めることが重要です。
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