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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

2020年度診療報酬改定、特定行為研修修了看護師の評価新設やDPC再入院ルールの廃止など行え―全自病

2019.6.20.(木)

 2020年度の次期診療報酬改定において、「常勤加算」規定を拡大するほか、入退院支援加算の増点や、特定行為研修を修了した看護師による在宅での特定行為実施の評価新設などを行ってほしい。またDPCについては、高額薬剤の取り扱い見直しや再入院ルールの廃止などを実施すべきである―。

 全国自治体病院協議会は6月18日に、こうした内容を盛り込んだ2020年度の「社会保険診療報酬に関する改正・新設要望書」を厚生労働省保険局の樽見英樹局長、同局医療課の森光敬子課長に宛てて提出しました(全自病のサイトはこちら(全自病のトップページ、「協議会情報一覧」から要望書をダウンロード可能)。

「常勤換算」規定の拡大や入退院支援加算の増点、看護必要度見直しなども検討せよ

 全自病の要望内容は非常に多岐にわたります。気になる項目をピックアップしてみましょう。

 まず出来高報酬に関する重点要望項目としては、次のような項目が目立ちます。

▼「常勤換算」規定の拡大

▼2科目の【初診料】の増点(141点→188点)、3科目の【初診料】の新設(94点)

▼A207【診療録管理体制加算】(加算1)の増点・要件の緩和

▼A207-2【医師事務作業補助体制加算】の増点(15対1:125点増、20対1:100点増、25対1・30対1:60点増、40対1・50対1:25点増、75対1・100対1:10点増)

▼A207-3【急性期看護補助体制加算】の増点(210-130点→300-150点)

▼A230-4【精神科リエゾンチーム加算】の拡大(週1回300点→週2回400点)

▼A234【医療安全対策加算】の増点(加算1:85点→200点、加算2:30点→100点)

▼A244【病棟薬剤業務実施加算】の拡大(回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟などの包括評価病棟における算定を認める)

▼A246【入退院支援加算】の増点(加算1の「一般病棟入院基本料等」の場合:600点→800点)

▼A308-3【地域包括ケア病棟入院料】における「リハビリ要件」の緩和(入院料3・4については1日2単位→1日1単位に緩和など)

▼B001の12【心臓ペースメーカー指導管理料】の名称変更(「不整脈デバイス指導管理料」へ)と、拡大(両心室ペースメーカーによる場合:420点、植込型除細動器による場合:480点、両室ペーシング機能付き植込型除細動器による場合:540点)

▼B001の23【がん患者指導管理料】のハ「医師・薬剤師が抗悪性腫瘍剤の投薬・注射の必要性等について文書で説明を行った場合」の算定上限(患者1人につき6回まで)の撤廃

▼B011-4【医療機器安全管理料】の拡大(生命維持管理装置を用いて治療を行う場合:50点など)

▼地域医療支援病院におけるE200【コンピューター断層撮影(CT撮影)】、E202【磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)】の算定要件緩和(【画像診断管理加算2】の届け出を不要とする)

▼【入院時食事療養費】の増額(療養費I:1食640円→700円、療養費II:1食506円→557円、特別食加算:76円→84円)

▼糖尿病患者を対象とした新たな疾患別リハビリテーション料の新設

▼特定行為研修を修了した看護師が在宅で、特定行為(医行為)を実施した場合の評価(200点)の新設

▼【医療被曝管理料】の新設

 
 
 またDPCに関しては、次のような重点要望を行っています。

▼機能評価係数IIの「地域医療指数・体制評価指数」における精神疾患の受け入れ拡大(精神病床が無い急性期病院においてもA300【救命救急入院料】の注2加算「精神診断治療」・A248【精神疾患診療体制加算】の算定実績で評価する)

▼高額薬剤の取り扱いについて、「薬価収載と同時の出来高決定」、「診療報酬改定での包括評価における『分岐設定』」を行う

▼「短期滞在手術等基本料について点数設定方式Dを設定する」こととなったが、短期滞在手術3と比較して不利益のない効率的な入院を担保する点数設定への見直し

▼「病理組織標本作成」「免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製」の出来高算定

▼「他院受診」について、現状(入院病院が外来受診先病院に診療費等を支払う)を踏まえて、「高額医療機器による診療が必要な場合」「かかりつけ医(精神疾患の患者等)等の外来受診を受ける場合」など、患者にとって必要な外来機能がなく、自院の主治医の許可を得るなどの条件を満たした場合は、「他院分を出来高にて他院側で算定する」ような明確なルール設定を行う

▼「退院時処方」に関して、「転院の契機となった疾患に対する処方」以外の薬剤は転院元医療機関での退院時処方ができるようなルール設定を行う

 
 
 このほか、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について▼一連の再手術についてもC項目の評価対象とする▼歯科の患者を「DPCのEF統合ファイルを用いる看護必要度II」の評価対象から除外する―ことを、DPCに関して▼「脳動脈瘤破裂後に(遅発性)脳血管攣縮を合併した場合」について、全身的薬物療法やTripleH療法など多くの医療資源を用いるため、「(遅発性)脳血管攣縮」を定義副傷病名に設定し、日当点を高くする▼再入院ルールの廃止―なども求めています。

 

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