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東日本大震災を受けた診療報酬の被災地特例、福島では継続するが、宮城・岩手は最長2021年3月で終了―中医協総会(2)

2019.3.7.(木)

 東日本大震災を受けた診療報酬の被災地特例について、福島県では、当面「半年ごとの状況を受けての延長の可否判断」を続けるが、宮城県・岩手県については「半年ごとの状況確認」は行うが、2020年3月末まで(最長2021年3月まで延長)とする。また熊本地震および北海道胆振東部地震に伴う被災地特例は、この3月(2019年3月)末で終了し、西日本豪雨に伴う被災地特例については、2019年9月末まで延長する―。

 3月6日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、こうした点も了承されました。

3月6日に開催された、「第410回 中央社会保険医療協議会 総会」

3月6日に開催された、「第410回 中央社会保険医療協議会 総会」

 

診療報酬の被災地特例、利用状況や解消見込みなど踏まえ、継続の可否を判断

 大地震などの大きな災害に見舞われた地域では、▼多くの傷病者が発生する▼医療機関の中にも通常診療が行えないところが出てくる▼医療スタッフが十分に確保できなくなる―などの事態が生じます。

 こうした事態に、「入院患者に対しスタッフが不足しているので、診療報酬を減額する」などといった対応をとることは人道に悖るでしょう。そこで、厚生労働省では▼一時的な定員超過入院▼平均在院日数や重症度、医療・看護必要度などの施設基準の一部欠如―などが起きた場合でも、通常の診療報酬算定を認めるなどの特例(被災地特例)を設定しています。

 現在、次の4つの「被災地特例」が設けられており、「半年に1度、現地の状況を中医協で確認し、特例の延長を認めるか否かを判断する」ことになっています。
(1)東日本大震災に伴う特例
(2)熊本大地震(平成28年)に伴う特例
(3)西日本豪雨(平成30年7月)に伴う特例
(4)北海道胆振東部地震(平成30年)に伴う特例

 このうち(1)の東日本大震災特例に関しては、▼岩手県の1医療機関では2019年12月中に特例解消▼宮城県の1医療機関では2020年3月に、同じく宮城県の1医療機関では2021年3月に特例解消―が見込まれています。一方、福島県の1医療機関では「帰還困難地区の入院患者を受け入れており、特例解消の時期が見込めない」状況にあることが報告されました。

これを受け、厚労省保険局医療課の森光敬子課長は、▼福島県では、当面「半年ごとの状況を受けての延長の可否判断」を続ける▼宮城県・岩手県については「半年ごとの状況確認」は行うが、2020年3月末までとする(最長2021年3月末まで延長)―ことを提案しました。

  
 また、(2)の熊本地震特例に関しては、現在1医療機関が利用していますが、この3月末(2019年3月末)までに「閉院」が決まっており、(3)の北海道胆振東部地震に関しては、現在、利用している医療機関がないことから、森光医療課長は「2019年3月末で被災地特例を終了する」ことを提案しました。

 
 一方、(4)の西日本豪雨特例に関しては、現在、7医療機関等が利用しており、継続の要望も強いことから、「2019年9月まで延長し、再延長の可否を改めて判断する」ことを森光医療課長が提案しています。

 特例の実際の活用状況を十分に踏まえた対応案で、中医協ではこれらを了承しています。

2020年度の次期改定に向け、まず「医療全体に関連する総論」から検討開始

 また3月6日の中医協総会では、森光医療課長から「2020年度の診療報酬改定」に向けた検討スケジュールが報告されました。

 夏頃まで「医療全体、入院・外来・在宅等に関する総論」(第1ラウンド)の議論を行い、秋以降「個別改定項目」(第2ラウンド)の議論を行う、というものです。第1ラウンドでは、まず「医療全体」に関連する幅広い事項についての検討が行われる見込みです。医療提供体制に目を向ければ、▼医師の働き方改革▼医師の偏在対策▼地域医療構想の実現―という3つの連環する動きがあり、診療報酬もこれを下支えしていく(少なくとも方向を合わせる)ことが求められるでしょう。2020年度改定に向けたスタートの議論は、こうした点もにらんだ「幅広」なものとなると考えられます。

 もちろん、併行して下部組織(診療報酬調査専門組織等)で▼入院医療やDPC制度の改革▼2018年度改定の結果検証―などに関する議論も行われ、逐次、中医協総会に検討状況や中間とりまとめなどが報告されることになります。
中医協総会(2) 190306の図表
 

「選定療養」「療養の給付と関係なく実費徴収可能な事項」の拡大も検討

 このほか、2016年度・18年度の診療報酬改定に倣い、2020年度の診療報酬改定に合わせて「選定療養の拡大」なども検討されます。

 選定療養は、快適な療養環境を求める患者の要望に応えるために、「保険診療と保険外診療を組み合わせ」を認めるものです。例えば▼特別の療養環境(個室などの差額ベッド)▼予約診療▼時間外診療▼大病院の紹介状なし患者に対する初診・再診▼180日超の入院(入院料が減額され、その減額分を患者から徴収可能)▼制限回数を超える医療行為―などが選定療養として認められています。

 厚労省は、医療関係団体や関係医学会、国民から広く「新たな選定療養」要望を募り(2019年3月から1-2か月程度)、中医協に示す(2019年7月予定)考えを提示しました。あわせて「医療通訳」など「『療養の給付』とは直接関係なく、実費徴収が可能な事項(テレビ貸与料金などもこれに該当)」の拡大も検討することになりそうです。

 
 

 

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