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不正請求等で24件・19人の医師等が保険指定を取り消され、診療報酬87億円を返還―2018年度指導・監査実施状況

2019.12.25.(水)

2018年度に個別指導を受けた保険医療機関等は医科1653件・歯科1332件・薬局1739件の合計4724件、監査を受けた保険医療機関等は医科16件・歯科28件・薬局8件の合計52件で、保険指定取り消し処分などを受けた医療機関等は医科9件・歯科12件・薬局3件の合計24件だった―。

こうした状況が、12月19日に厚生労働省が発表した2018年度の「保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら(2018年度))(関連記事はこちら(17年度)こちら(16年度)こちら(15年度)こちら(14年度)こちら(13年度))。

指導・監査などにより返還された診療報酬は、合計で87億3840万円となっています。

2018年度には4724件の個別指導、1万3266件の集団的個別指導

保険診療は、▼公費(税金)▼保険料▼患者の一部負担―で賄われているため、その配分を「適正」に行わなければなりません。そこで医療機関が支払いを受ける(診療 → レセプト請求 → 支払い)に当たっての厳格なルール(健康保険法、療養担当規則、診療報酬点数表など)が定められており、このルールに従わない保険医療機関や保険医にはペナルティが科されます。最も重いペナルティとしては、保険指定の取り消し、つまり「保険診療からの退場命令」があります。

厚労省は、保険医療機関がこうしたルールを遵守しているかどうかを定期的に調査し、違反などが疑われる場合には、指導や監査というペナルティを科し、是正をはかっています。「指導」には次の3種類があります。

(1)集団指導:新規に保険指定を受けた医療機関や医師などを対象に、保険ルールを説明する講習会

(2)個別指導:違反などが疑われる医療機関を呼び出し、面接懇談方式で、保険ルールを遵守するよう指導する(新規に保険指定を受けた医療機関を対象とする「新規個別指導」もある)

(3)集団的個別指導:保険請求金額が高額な医療機関を一定の場所に集め、簡便な面接懇談方式で、保険ルールを遵守するよう指導する



昨年度(2018年度)に(1)の個別指導(新規個別指導を除く、以下同)を受けた保険医療機関等は4724件(前年度比107件増)で、内訳は▼医科1653件(同25件増)▼歯科1332件(同18件増)▼薬局1739件(同64件増)―となっています。

個別指導を受けた保険医等は1万4680人(同3826人増)で、内訳は、▼医師9210人(同2599人増)▼歯科医師2993人(同1190人増)▼薬剤師2657人(同217人増)―となりました。

一方、集団的個別指導は1万3266件(同42件増)で、内訳は▼医科4505件(同79件増)▼歯科4705件(同266件減)▼薬局4056件(同229件増)―となりました。

個別指導や集団的個別指導の状況(2018年度指導・監査1 191219)

52医療機関等・保険医等102人に監査を実施、保険指定取り消しは24件・19人

著しいルール違反が疑われる場合には、「監査」によって事実関係が調査されます。その中でルール違反が確認されれば、違反の程度に応じて「保険指定取消」「戒告」「注意」のいずれかの処分が行われます。

昨年度(2018年度)に監査を受けた保険医療機関等は52件(同14件減)あり、内訳は▼医科16件(同9件減)▼歯科28件(同5件減)▼薬局8件(同増減なし)―となりました。一方、監査を受けた保険医等は102人(同65人減)となり、その内訳は▼医師36人(同32人減)▼歯科医師48人(同11人減)▼薬剤師18人(同22人減)―でした。医科・歯科で監査件数が減っていることは「目立ったルール違反が減少している」ことを意味し、好ましいと言えそうです。

ただし監査の結果、ルール違反が確認され「保険指定取消」となった保険医療機関等14件(前年度に比べて1件増)、取消処分が決定する前に自ら保険指定を辞退した分(指定取消相当)10件(同5件減)を合計した「保険指定の資格喪失」件数は24件で、前年度から4件減少しました。内訳は、指定取り消しが▼医科6件(同2件増)▼歯科7件(同2件減)▼薬局1件(同1件増)―、指定取り消し相当が▼医科3件(同1件減)▼歯科5件(同5件減)▼薬局2件(同1件増)―という状況です。

また保険指定取消(指定取消相当を含む)となった保険医等は19人(前年度比1人増)で、内訳は、▼医師5人(同増減なし)▼歯科医師12人(同1人減)▼薬剤師2人(同2人増)―という状況です。

監査、保険指定取り消し等の状況(2018年度指導・監査2 191219)



保険指定取り消しとなった医療機関の事例を見ると、「行っていない診療行為を請求していた」(いわゆる架空請求)、「実際に行った保険診療に、行っていない診療行為を追加して請求した」(いわゆる付増請求)、「保険診療で認められない診療行為を、保険診療を装って請求していた」などがあります。

こうした不正請求については診療報酬の返還請求がなされ、2018年度の返還金総額は87億3840万円(前年度比15億3952万円増)となりました。

このうち、監査による返還金額が5億2699万円(同1億2990万円増)、適時調査(医療機関等が施設基準等を守っているか確認する調査)による返還金額が49億3272億円(同12億5733億円増)、指導による返還金額が32億7869万円(同1億5228万円減)という内訳です。

 

 

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