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植込み型補助人工心臓「EVAHEART」の不具合で、患者1名が新たに死亡

2020.8.4.(火)

厚生労働省は8月3日、植込み型補助人工心臓「EVAHEART」(サンメディカル技術研究所、長野県)の機能停止により、新たに患者が1名亡くなったことを発表しました(厚労省のサイトはこちら、メーカーのサイトはこちら)。

旧型製品のパーツが経年劣化で不具合、2019年9月から自主回収を実施

植込み型補助人工心臓「EVAHEART」については、構成部品である「血液ポンプ」のモーター回転部が経年劣化による変形で回転障害が発生することが判明、これにより患者が1名亡くなりました。製造販売メーカーであるサンメディカル技術研究所(長野県)では、重篤な健康被害・死亡の原因となる【回収クラスI】と判断し、医薬品医療機器等法に基づいて2019年9月に自主回収を決定しました。

医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)
第六十八条の十一 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造販売業者、外国特例承認取得者又は第八十条第一項から第三項までに規定する輸出用の医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造業者は、その製造販売をし、製造をし、又は第十九条の二、第二十三条の二の十七若しくは第二十三条の三十七の承認を受けた医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品を回収するとき(第七十条第一項の規定による命令を受けて回収するときを除く。)は、厚生労働省令で定めるところにより、回収に着手した旨及び回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。



同社では、当該製品仕様患者について主治医を通じて全員把握しており、製品の回収・交換を実施していました。しかし、全身状態が悪く当該製品の交換ができなかった入院患者において、今年(2020年)7月14日に、上記不具合によって血液ポンプが停止。昇圧ユニットによる血液ポンプの再起動が試みられましたが、再起動できず、同日に当該患者が死亡しています。この患者の植込み型補助人工心臓による補助期間は「7年4か月」でした。



事故(血液ポンプ停止)の原因は、「ポンプのロータケースの内部にあるネオジウム磁石の表面に錆が生じ(PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)を透過した水分による)、磁石の体積が膨張し、ロータケースが変形。結果、ロータケースと防水ケースとの隙間がなくなり、回転障害を引き起こした可能性が高い」と考えられています。

事故の原因(EVAHEART死亡事故1 200803)



既に交換が行われた111台のポンプを用いてメーカーが解析した結果、▼ロータケースの変形は、経時的に進行する▼しかし、バラツキが非常に大きく、使用時間が長くても変形が発生しない場合もある▼ロット依存性は認められない―ことが分かっています。

事故発生リスク(1)(EVAHEART死亡事故2 200803)



また、事故(回転障害)リスクのあるサンプルの割合は、▼補助期間3-4年:3.8%▼補助期間4年超:18.2%―で、補助期間3年以下では「回転障害リスクのあるサンプルは存在しない」としています。

事故発生リスク(2)(EVAHEART死亡事故3 200803)



なおメーカーでは、「旧タイプの血液ポンプ(カタログ番号:BP210)のみで発生しうる事象」で、「現在。新規植え込み型補助人工心臓使用している小型ポンプ(カタログ番号:BP310)では変形する可能性のない材料(PTFEではなく、チタンで製造されている)を使用しており、同現象のリスクはない」と説明したうえで、「患者が亡くなられたことを極めて重く受け止め、引き続き安全性に十分配慮しいく」考えを示しています。

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