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GemMed塾 新制度シミュレーションリリース

医療療養から介護医療院や老健施設等にどの程度転換するのか把握、2024年度からの医療・介護計画の重要な基礎資料—厚労省

2023.5.12.(金)

2024年度から新たな医療計画・介護保険事業(支援)計画がスタートするため、サービス量をできるだけ正確に見込む必要がある。そこで、医療療養を持つ医療機関に対し「今後の転換・移行などの予定」を調査し、厚労省に6月16日までに報告してほしい—。

厚生労働省は5月1日に事務連絡「第8次医療計画及び第9期介護保険事業(支援)計画の策定に係る医療療養病床を有する医療機関からの転換意向の把握について」を示し、各都道府県にこうした要請を行いました。医療療養を持つ医療機関では「今後の転換・移行等」計画を急ぎ詰め、調査に協力することが求められます。

「医療保険のベッド」→「介護保険のベッド」へ移行した場合、介護保険財政に影響

2024年度から新たな第8次医療計画(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)、第9期介護保険事業(支援)計画(関連記事はこちらこちら)がスタートします。

述べるまでもありませんが、医療計画には「地域で必要となる病床数」などを、介護保険事業(支援)計画には「地域で必要となるサービス量(施設のベッド数等)」などを記載します。介護保険のサービス量は、期間(2024-26年度)中の保険料設定の重要資料となります(サービス量が多ければ、それを賄うために保険料も高く設定しなければならない)。

ところで、本年度末(2023年度末)には「医療療養のうち経過措置型(20対1看護・介護を満たさない)の設置根拠が切れる」「介護療養病床に就いては2023年度末で設置期限が切れる」こととなり、これらは「20対1看護・介護を満たす医療療養」や「地域包括ケア病棟」、「介護医療院」、「老人保健施設」などへの転換・移行を行うことが求められます。

このため、医療計画・介護保険事業(支援)計画を立てるに当たっては、これらが「どの類型の施設に、いつ、どの程度、転換・移行する」のかを各都道府県が把握しておく必要があります。とりわけ医療療養から介護医療院などへの転換・移行するにあたっては、「介護保険サービス量の増加→介護保険支出の増加」につながるため、事前に十分に把握しておかなければ、計画の基礎が崩れてしまうことになります。

そこで厚労省は、今般の事務連絡で、都道府県に対し「医療部局、介護部局が連携して、各医療機関等の転換移行を把握する」ことを要請しました。

具体的には、本年(2023年)4月1日医時点で、▼療養病棟入院料1(20対1看護・介護配置、医療区分2・3の入院患者が8割以上)▼療養病棟入院料2(20対1看護・介護配置、医療区分2・3の入院患者が5割以上)▼療養病棟入院基本料の経過措置「注11」に規定される点数(25対1看護・介護)▼療養病棟入院基本料の特別入院基本料▼有床診療所療養病床入院基本料—を算定する病床を持つ医療機関について、それぞれ「2023年4月1日」の届け出病床数と、「2024年4月1日」「25年4月1日」「26年4月1日」「27年4月1日」の各予定病床数を調査します。

また、これら病床の転換・移行先(地域包括ケア病棟、介護医療院、老人保健施設、廃止など)も調査。

医療療養の今後の転換・移行予定を調査



介護保険施設への移行や病床廃止を予定する医療機関については、入院患者の「要介護状態区分」別・「介護保険者(市町村・広域連合)」別の人数も把握することが求められます。

これを、保険者別に集計することで、例えば「ある市町村では、老人保健施設において要介護●の者が何名増え、介護医療院において要介護◆の者が何名増えるのか」の見込み数を把握でき、介護保険料の算定につなげることが可能となります。

介護保険施設等への転換・移行を行う場合には、保険者別・要介護度別の人数も回答する



厚労省は各都道府県に対し「6月16日までに調査結果を報告する」よう求めており、療養病床を持つ医療機関では「急ぎ、今後の転換・移行予定を詰めておく」必要があるでしょう(調査結果は都道府県・市町村にも情報提供される)。

また、転換・移行予定が詰められていないない医療機関に対しては、「『病床転換助成事業』『病床機能再編支援事業』の活用について検討を促し、医療機関からの相談にも丁寧に対応する」ことを厚労省は都道府県に要請しています。



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