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2024年度からの第8次医療計画、「医療人材の確保」「効果的・効率的な医療提供体制」などの視点をさらに重視せよ—厚労省

2023.4.3.(月)

2024年度からの次期医療計画を作成するにあたり、▼2025年度以降、2040年度までに「支え手となる現役世代」が急速に減少し、医療従事者の確保が困難になる点を踏まえ、「医療従事者の確保」「効果的・効率的な医療提供」をこれまで以上に重視する▼医療提供体制のベースとなる「医療圏」について、「入院医療を適切に完結できる」ものとなっているかとの視点で必要な見直しを行う▼計画の実行・評価・改善を行い際の「評価指標」についてロジックモデルなどの導入を検討する▼医療安全を確保するために「医療事故調査制度にかかる研修」を院長等が受けた医療機関の割合なども記載する—といった見直しポイントに留意する必要がある—。

厚生労働省は3月31日付けで、このような内容を盛り込んだ通知を発出しました。これらの通知を拠り所として、各都道府県は2023年度中に「医療計画」を作成。2024年度から実行することになります。

●医政局長通知「医療計画について」はこちら

●地域医療計画課長通知「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」はこちら

なお、「新興感染症対策」部分については5月中に関連通知が示される見込みです(関連記事はこちらこちら)。

2024年度からの「第8次医療計画」、医療従事者の確保などが極めて重要なポイントに

2024年度から新たな医療計画(第8次医療計画)がスタートするため、都道府県で今年度(2023年度)中に計画を作成する必要があります。今般の通知は、計画作成の拠り所となるもので、第8次医療計画等に関する検討会の意見を踏まえて設計されました(関連記事はこちらこちら)。

Gem Medでも繰り返し報じているとおり、「2025年度には、人口の大きなボリュームゾーンを構成する『団塊の世代』がすべて75歳以上の後期高齢者」となり、医療・介護ニーズが今後、急速に増大していきます。その後2040年度にかけて、高齢者の人数そのものは大きく変化しませんが、支え手となる現役世代人口が急速に減少していきます。このため、医療・介護保険制度の財政が厳しくなることはもちろん、「医療・介護の支え手となる人材の確保」が非常に難しくなるのです。

また地域ごとに見ると、こうした事態が「既に到来している地域」「近く生じる市域」「到来までに少し時間のかかる地域」など様々です。

第8次医療計画(2024-29年度)の対象期間中に2025年度が訪れることから、地域の実情に応じて「マンパワーの確保」「効率的・効果的な医療提供体制の構築」を進めていく必要があります。

第8次医療計画を作成する際の重要ポイントとしては、例えば次のような点が挙げられるでしょう。

▽医療圏設定について、改めて次の点を確認する(関連記事は(関連記事はこちら
▼既設の2次医療圏が「入院に係る医療を提供する一体の圏域として成り立っていない」場合には見直しを検討する

▼特に、「人口規模が20万人未満」かつ「流入患者割合が20%未満」かつ「流出患者割合が20%以上」の2次医療圏は、「入院に係る医療を提供する一体の区域として成り立っていない」と考えられ、見直しの検討が必要である
→見直しを行わない場合には、その理由(地理的条件、当該圏域の面積、地理的アクセス等)を明記する

▼人口規模が100万人以上の2次医療圏については、「地域医療構想区域としての運用に 課題が生じている」場合が多く、必要に応じて見直しを検討するとともに、地域医療構想調整会議について「細分化した地域」「地域医療課題等の協議項目」ごとに分けて開催するな ど運用上の工夫を行う

▽2024年4月からの「医師に対する時間外・休日労働の上限規制」適用に当たり、各医療機関において、医師事務作業補助者の確保をはじめとしたタスク・シフト/シェアの推進等による医師の業務負担の軽減など、「勤務医が自身の健康を確保しながら働くことができる勤務環境の整備」に向けた取り組みが進むよう支援する必要がある(関連記事は(関連記事はこちら

▽「隣接する都道府県の区域を含めた医療圏」の設定を行わない場合でも、医療提供体制の構築において隣接する都道府県と連携を取る場合は、当該連携を行う都道府県と協議を行い、具体的な内容を医療計画へ記載するよう努める(関連記事はこちら

▽地域医療構想の達成の推進のため「2以上の医療機関の再編で、1以上の医療機関が廃止する」場合、▼その前後で病床数の合計数が増加されない▼再編計画について地域医療構想調整会議における協議・合意を経た上で、厚生労働大臣の認定を受ける—ときにはは「都道府県知事による勧告」は行わない(関連記事はこちら

▽地域医療の課題を解決するために、具体的な方法を論理的に検討し、できる限り実効性のある施策を盛り込むとともに、各々の施策と解決すべき課題との連関を示すことが重要であり、施策の検討・評価の際には「ロジックモデル」等のツールの活用を検討する(関連記事は(関連記事はこちら

▽医師・歯科医師・薬剤師・看護師(訪問看護に従事する看護師含む)の確保に向けた計画を充実させる(関連記事はこちら

▽医療安全に関連して、▼病院、一般診療所、歯科診療所及び助産所ごとの総数に対する「医療事故調査制度に関する研修を院長などの管理者が受講した医療施設数」の割合▼病院の総数に対する「他の病院から医療安全対策に関して評価を受けている、または第三者評価を受審している病院数」の割合—を記載する(関連記事は(関連記事はこちら

▽地域医療支援病院について▼感染症の発生・蔓延時の対応に関する事項との連携▼外来医療に係る医療提供体制の確保との関係—について留意する

▽基準病床数の計算方法について「精緻化」(推計患者数の細分化、回復期・慢性期ニーズ把握の精緻化など)を行う(関連記事は(関連記事はこちら

▽5疾病・5事業および在宅について、疾病・患者・医療提供体制の動向などを最新の知見を踏まえて勘案し「評価指標」の見直しなどを行う(関連記事はこちらこちら

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