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小児・周産期医療、「集約化・重点化」と「患者アクセスの確保」とのバランスを地域ごとに慎重に判断せよ—第8次医療計画検討会(2)

2022.11.2.(水)

小児医療・周産期医療については、少子化・晩婚化を踏まえた「医療機関の集約化・重点化」が必要となるが、同時に「患者のアクセス」にも配慮しなければならない。地域ごとに実態を詳細に把握・分析し、両者のバランスを確保する必要がある—。

10月26日に開催された「第8次医療計画に関する検討会」(以下、検討会)では、こういった方向も概ね固められました。同日には、外来医療計画の見直し方向も固められており、すでに別稿で報じています(関連記事はこちら)。

10月26日に開催された「第16回 第8次医療計画等に関する検討会」

オンライン診療なども活用し、地域患者の医療へのアクセス確保を

Gem Medで報じているとおり、2024年度から新たな「第8次医療計画」(2024-29年度の計画)が始まります。検討会や下部組織のワーキンググループでは、都道府県が医療計画を作成する(2023年度中に作成)際の拠り所となる指針(基本指針、2022年度中に都道府県に提示)策定論議を進めています。

10月からは具体的な第2ラウンド論議に入り、徐々に見直し方向が固まりつつあります。検討会で年内(2022年内)に意見を整理し、それをもとに厚労省で年度末(2023年3月頃)に指針(基本方針)を示します。

【これまでの検討会論議に関する記事】
すべての開業医に地域で不足する医療機能(夜間対応など)への協力求める、外来機能報告データの利活用推進—第8次医療計画検討会(1)
平均在院日数の地域格差、「地域性があり容認すべき」と考えるか、「医療の標準化に向け解消すべき」と考えるか—第8次医療計画検討会(2)
医療提供体制の基礎となる2次医療圏は適正な規模・エリア設定が重要、他計画にも影響するため優先検討を—第8次医療計画検討会(1)
かかりつけ医機能は医師個人・医療機関の双方に、「制度化や登録制」に疑問の声も—第8次医療計画検討会
「病院・クリニック間の医師偏在解消」「ベテラン医師ターゲットに据えた医師偏在解消」など進めよ—第8次医療計画検討会(2)
病院薬剤師や訪問看護師、特定行為研修修了看護師、医療計画に「ニーズ踏まえた確保策」規定へ—第8次医療計画検討会(1)
医療・介護サービスの一体提供可能とするため、在宅医療圏域は「市町村単位」が望ましいのでは—第8次医療計画検討会(2)
医療安全の向上に向け、例えば医療機関管理者(院長など)の「医療事故に関する研修」参加など促していくべき—第8次医療計画検討会(1)
2次救急と3次救急の機能分担、巡回医師等確保・オンライン診療によるへき地医療支援など進めよ—第8次医療計画検討会(2)
周産期医療・小児医療提供体制、医療の質確保や医師の負担軽減のため「集約化・重点化」を急ぎ進めよ—第8次医療計画検討会(1)
がん拠点病院が存在しない医療圏への対策、効果的な糖尿病対策、精神疾患対策の評価指標などが今後の重要論点—第8次医療計画検討会(2)
外来機能報告データ活用し、紹介受診重点医療機関の明確化だけでなく、幅広く「外来医療機能分化」論議を—第8次医療計画検討会(1)
高額医療機器の共同利用推進、「読影医・治療医配置なども勘案」した広範な議論求める声も—第8次医療計画検討会(2)
外来医師偏在の解消に加え、「かかりつけ医機能の明確化、機能を発揮できる方策」の検討も進める―第8次医療計画検討会(1)
人口減の中「2次医療圏」をどう設定すべきか、病床数上限である基準病床数をどう設定するか―第8次医療計画検討会
今後の医療提供体制改革では、「医療人材の確保」が最重要論点―第8次医療計画検討会
外来機能報告制度や紹介受診重点医療機関が「医師偏在」を助長しないよう留意を―第8次医療計画検討会
感染症対応では情報連携、看護師はじめ医療人材確保が最重要、課題検証し早急な改善を—第8次医療計画検討会
感染症対応医療体制を迅速確保できるよう、強制力持つ法令の整備を検討してはどうか—第8次医療計画検討会
集中治療認定医を専門医と別に養成し、有事の際に集中治療に駆け付ける「予備役」として活躍を—第8次医療計画検討会
2024年度からの医療計画に向けた議論スタート、地域医療構想と医師配置、外来医療など考えるワーキングも設置—第8次医療計画検討会



10月26日には、「5事業」(救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療)に関する見直しの方向性を概ね固めました。救急・災害に関しては、下部組織「救急・災害医療提供体制等に関するワーキンググループ」に関する記事で既に報じており(関連記事はこちら)、本稿では「周産期医療・小児医療」に焦点を合わせます。

周産期医療・小児医療に関しては、例えば次のような方向が示されました。

●周産期医療
(1)「産科医師や分娩取り扱い施設が存在しない周産期医療圏」を解消するため、2次医療圏にこだわらず、周産期母子医療センターを基幹として集約化・重点化を行うなど周産期医療圏を柔軟に設定する
→その際には、周産期医療に携わる医師の勤務環境にも留意する

(2)周産期医療に関する協議会の構成員として、地域の周産期医療に携わる医師のほか「助産師等、看護職を含む」ことを基本とし、「妊婦のメンタルヘルスケアに携わる人材」「消防関係者」の参画を検討する

(3)将来的な医療の質の向上、安全性の確保のために「周産期医療の知識・技術を指導する人材」の育成等を検討する

(4)「周産期医療に関する協議会」と「小児医療に関する協議会」との合同開催等を通じ、互いの情報連携を進める

(5)医療、母子保健等との連携を推進する観点から、協議会への保健福祉部局の担当者の参画を通じて「市町村が行っている保健・福祉等の支援策」を情報共有し、母子に対し切れ目ない支援を進める
→「妊産婦の居住する市町村の母子保健事業を、個別の妊産婦に情報提供を行っている周産期母子医療センター数」を指標例に追加する

(6)協議会は少なくとも年1回、必要な場合は年に複数回、定期・臨時で開催する(必要に応じオンライン開催)

【ハイリスク妊産婦への対応】
(7)NICU・MFICUや周産期・新生児専門医などの「高度専門人材の集約化・重点化」などを通じて、総合周産期母子医療センターを中心に、必要に応じて協力医療施設を定め、精神疾患を含めた合併症妊娠や胎児・新生児異常等「母体・児のリスクが高い妊娠」に対応する体制をとる

(8)総合周産期母子医療センターは、周産期医療関係者研修事業を活用し、地域の医療従事者への研修を 含め、周産期医療に精通した医療従事者育成の役割も担う。

(9)医師の勤務環境の改善のため医師の働き方改革を進めつつ、地域において必要な周産期医療を維持・確保するため、地域医療構想や医師確保計画との整合性にも留意しながら、「基幹施設を中心とした医療機関・機能の集約化・重点化」や「産科・小児科の医師偏在対策」を検討する

(10)ハイリスク分娩を取り扱う周産期母子医療センター等に負担を集中させないよう、分娩を取り扱わない医療機関でも「妊婦健診や産前・産後のケアの実施」「オープンシステム・セミオープンシステムの活用」をすすめるなど、医療機関の役割を分担し周産期医療・母子保健を地域全体で支える

(11)地域医療介護総合確保基金等を活用し、院内助産や助産師外来の活用を進めることにより、産科医師から助産師へのタスクシフト・シェアを進める
→「院内助産や助産師外来を行っている周産期母子医療センター数」を指標例に追加

(12)新興感染症蔓延時にも地域の周産期医療を確保するため、「感染症に罹患した(疑い含む)妊婦に対して産科的緊急症を含む産科診療を実施する医療機関」について、協議会等においてあらかじめ協議する

(13)適切に妊婦のトリアージや入院等に係るコーディネートを行う災害時小児周産期リエゾン等の人材を、災害時小児周産期リエゾン養成研修事業を活用し養成するとともに、その活用を平時から検討する

●小児医療
(1)周産期医療圏との連携のもと「小児医療圏と小児救急医療圏を一本化」する
→小児救急患者を常時診療可能な体制がとれるよう留意する

(2)一般小児医療機能を担う小児科診療所の「地域における医療と保健、福祉、教育との橋渡しの役割・ 機能」を、小児医療に関する協議会活用などを通じ推進する

(3)集約化・重点化により@アクセスが悪化する地域に居住する小児」に対する医療確保のため、対面診療を適切に組み合わせたオンライン診療について検討する

(4)外傷、熱傷等など「小児科以外と連携が必要な領域」を含む事項も幅広く協議する

(5)小児医療に関する協議会の構成員として、「地域の小児医療に携わる医師、看護師」を基本に、▼助産師▼児童福祉関係者▼学校・教育関係者—の参画を検討する

【医療的ケア児等への支援】
(6)医療的ケア児が入院する医療機関は、▼児の入院後、現在の病状・今後予想される状態等について家族等と話し合い▼退院後の療養上必要な事項についての家族等への説明▼転院・退院後の療養生活を担う医療機関や訪問看護ステーション等との連絡や調整、福祉サービスの導入に係る支援▼退院後の医療的ケア児の緊急入院に対応—体制を整備する
→「退院支援を受けたNICU・GCU入院児数」(入退院支援加算3の算定件数とする)を指標例に追加する
→「在宅小児の緊急入院に対応している医療機関数」(15歳未満の在宅患者緊急入院診療加算算定医療機関数とする)を指標例に追加する。
→「在宅医療を担う医療機関と入院医療機関が共同して在宅での療養上必要な説明・指導を行っている医療機関数」(15歳未満の退院時共同指導料1・2の算定医療機関数とする)を指標例に追加する

(7)レスパイト受け入れ体制等の医療体制を、日中一時支援事業を活用し整備する

(8)新興感染症蔓延時にも地域で小児医療を確保するため、「感染症に罹患した(疑い含む)小児に対して救急医療を含む小児診療を実施する医療機関」をあらかじめ協議する

(9)適切に小児のトリアージや入院等に係るコーディネートを行う災害時小児周産期リエゾン等の人材を、災害時小児周産期リエゾン養成研修事業を活用して養成し、その活用を平時から検討する

(10)新興感染症まん延時に対面診療が困難となる場合に備えて、オンライン診療について平時からその導入を検討する



多くの項目がありますが、注目されるのは、やはり「周産期医療・小児医療を行う医療機関の集約化」でしょう。「少子化・晩婚化の影響から、患者数(妊婦、小児)が大きく減少している」「晩婚化等に伴いハイリスク分娩が増加している」中では、周産期・小児医療を提供する医療機関を集約化していくことが「医療の質確保」「経営の確保」「医療従事者の働き方改革」などのために必須の事項となります。一方、医療機関の集約化は「アクセスの悪化」という大きな問題を引き起こします。地域ごとに、医療資源や患者の状況(人数・居住地からの交通など)を詳細に把握・分析し、両者のバランスを確保した周産期・小児医療提供体制を整えることが重要で、そこでは「分娩を取り扱わない医療機関との連携」や「オンライン診療の活用」などの方策も示されています。



また、第8次医療計画から「6事業」目として新興感染症対策が盛り込まれることとなっており、現在、国会に感染症法改正案が提出されています(関連記事はこちら)。

検討会では、「改正法の成立を待たなければ議論できない部分」と「成立を待たずに議論可能な部分」とを切り分け、医療計画に盛り込む「新興感染症対策」の記載事項を議論していくことが確認されました。例えば、コロナ禍でも大きな課題となった「新興感染症に対応する医療」と「一般医療」との両立などが最重要論点の1つとなりそうです。



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【関連記事】

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