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GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

2022年10月時点で無医地区は全国557か所、長崎県が再び無医地区に、愛知や福岡などで無医地区増加―厚労省

2023.8.1.(火)

2022年10月時点でわが国の無医地区は557か所あり、無医地区の人口は12万2206人となり、2019年10月に比べて減少している。

しかし、無医地区から脱却した長崎県が再び無医地区になってしまい、愛知県や福岡県などでは無医地区が増加している―。

このような状況が7月28日に厚生労働省が公表した2022年度の「無医地区等調査および無歯科医地区等の調査」の結果から明らかになりました(厚労省サイトはこちら)。

大都市を抱える愛知県や福岡県でも無医地区が存在し、かつ増加している

「無医地区等調査及び無歯科医地区等の調査」は、へき地の保険医療体制をどのように組むべきかを検討する際の基礎資料となります。今回は2022年10月末の状況が調べられています。

ここでいう無医地区(無歯科医地区)とは、「(歯科)医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、概ね半径4キロメートルの区域内に50人以上が居住している地域で、かつ容易の医療機関を利用できない地区」とさします。

医師の地域・診療科偏在が大きな課題となっており、また地域包括ケアシステムの構築が急がれており、2024-29年度を対象とする新たな医療計画(第8次医療計画)でもこの点が重視されています(関連記事はこちら)。当然、「へき地医療対策」も重要ポイントの1つであり、各都道府県がどのような無医地区対策・へき地医療対策を組むのか注目されます。

今般の調査結果によれば、2022年10月末時点の無医地区は全国で557か所(2019年調査に比べて33か所減少)、その地区に居住する人は12万2206人(同4645人減少)となりました。無医地区は減少してきており、各都道府県の努力が現れていると言えるでしょう。

もっとも「全国であまねく社会インフラを整備することは困難であり、少子化が進む中で、医師配置等についてはとりわけ困難になる。スマートシティ、コンパクトシティを意識して地域の在り方を検討することも、今後、極めて重要になる」と指摘する識者も少なくない点に留意が必要です。

無医地区の状況(2022年無医地区等調査1 230728)



都道府県別に見ると、無医地区が存在しないとされているのは▼山形県▼埼玉県▼千葉県▼東京都▼神奈川県▼大阪府▼佐賀県—の7都府県で、2014年調査から「無医地区ゼロ」となっていた長崎県では、今回、無医地区が管内に1か所生じてしまっています。

逆に無医地区が多いのは、▼北海道(64か所、2019年調査から12か所減)▼広島県(53地区、同6か所減)▼大分県(38か所、同1か所減)▼島根県(28か所、同3か所増)▼岩手県(24か所、同1か所増)▼高知県(23か所、同3か所減)▼岡山県(21か所、同増減なし)—などです。

また多くの都道府県で無医地区は減少していますが、▼岩手県▼福島県▼石川県▼愛知県▼兵庫県▼島根県▼福岡県▼長崎県▼熊本県▼鹿児島県—では、2019年調査に比べて無医地区が増加しています。

例えば、「高齢の医師が1人で地域の医療を守っている」ような山間部や離島などでは、当該医師が引退すれば無医地区が生じてしまいます。愛知県や福岡県といった大都市を抱える県にも無医地区があり、「医師派遣」などの対策に力を入れていくことが重要でしょう。

都道府県別の無医地区1(2022年無医地区等調査2 230728)

都道府県別の無医地区2(2022年無医地区等調査3 230728)



なお、無歯科医地区は784か所(2019年調査に比べて7か所増加)あり、無医地区に居住する人口は18万8647人(同1万184人増加)となってしまっています。

無歯科医地区の状況(2022年無医地区等調査4 230728)



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