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「かかりつけ医機能」報告制度の稼働、医療機能情報提供制度の刷新等に向け、2023年10月から詳細を詰める議論始める—社保審・医療部会

2023.10.2.(月)

全国の病院・診療所に「かかりつけ医機能を実施しているか否か」を都道府県知事に報告する仕組みが新たに稼働する(かかりつけ医機能報告制度)。その詳細を、この10月(2023年10月)から来夏(2024年夏)まで、新たな検討会で詰め、再来年(2025年)4月から稼働させる—。

9月29日に開催された社会保障審議会・医療部会で、こういった方針が固められました。なお、同日には「2024年度診療報酬改定の基本方針」策定論議も行われており、別稿で報じます。

9月29日に開催された「第102回 社会保障審議会 医療部会」

病床機能報告・外来機能報告に次ぐ「かかりつけ医機能報告」制度を2025年4月稼働

2023年の医療法改正(「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」の一部)で、(1)医療機能情報提供制度の刷新(来年(2024年)4月施行)(2)かかりつけ医機能報告の創設(再来年(2025年)4月施行)(3)慢性疾患患者等に対する書面交付・説明の努力義務化(再来年(2025年)4月施行)—を行うことになりました。「まずかかりつけ医を受診し、そこから基幹病院の専門外来を紹介してもらう。専門外来での治療が一定程度終了した後には、かかりつけ医に逆紹介を行う」という外来医療の流れ・機能分化を推し進めることが狙いです。

まず、こうした制度改正の大枠をお浚いしておきましょう。

(1)の医療機能情報提供制度は、医療機関等(▼病院▼診療所▼歯科診療所▼助産所―)が、毎年度、自院の機能を都道府県に報告し、都道府県がその情報を整理してホームページ上で公開する仕組みです(厚労省のサイトはこちら(各都道府県のホームページに飛ぶことができる))。国民・患者が「具合の悪い時などに、まず受診するかかりつけ医機能を持つ医療機関」を選択することができるように、都道府県が「どの医療機関がかかりつけ医機能を保持しているのか」という情報を広く提供する観点での見直しを行うものです。

医療機能情報提供制度の「かかりつけ医機能」情報を強化(医療部会(2)2 221128)



また(2)の「かかりつけ医機能報告」制度は、病床機能報告・外来機能報告に続く、第3の「報告」制度です。

各医療機関に「自院が、かかりつけ医機能を保持しているのか否か」の報告を求め、その情報をもとに「地域単位で、かかりつけ医機能の強化を図る」ことを目指すもので、次のような仕組みを厚生労働省は想定しています。

(A)報告してもらう「かかりつけ医機能」の内容を、今後、専門家・有識者で詰める
→【例】「慢性疾患を持つ高齢者」に対応するかかりつけ医機能としては、(a)外来医療の提供(幅広いプライマリケア等)(b)休日・夜間の対応(c)入退院時の支援(d)在宅医療の提供(e)介護サービス等との連携—などが設定されたと仮定する

(B)各医療機関が、毎年度(A)の「かかりつけ医機能の保有状況、今後の保有意向」を都道府県に報告する

(C)都道府県は、各医療機関の報告内容を整理し、「この地域では、どのような機能を持つ医療機関がどの程度あり、どのような機能が不足しているのか」などのデータを「地域の協議の場」に提示する

(D)協議の場で、地域で不足している機能を充足するため、医療機関支援や医療機関間連携の具体的方法を検討する

(E)都道府県は、(B)の報告内容をもとに「かかりつけ医機能を持つ医療機関」情報を公表する

かかりつけ医機能報告制度(案)を新設(医療部会(2)3 221128)

かかりつけ医機能が発揮される制度整備2



さらに(3)は、「慢性疾患などに罹患し、継続的な管理が必要な患者」と「当該患者の継続管理を行っている医師」とが、書面で「今後想定される病状の変化、その際に考えられる治療・医学的管理の方針や内容」などを確認するものです。現在でも、多くの医師・患者が「口頭で行っている確認」を「書面で行う」ことで、患者がより安心して当該医療機関を受診できると考えられます。入院する際には「入院診療計画書」が交付され、患者に今後の医療提供内容、退院の見込みなどが説明されますが、これの「外来版」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

患者が複数の慢性疾患にかかり、それぞれの担当医が「継続的な医学管理が必要である」と考える場合には、複数医療機関と「書面でのかかりつけ医機能確認」を行うことも可能です。

かかりつけ医と患者との書面確認(医療部会(2)5 221128)



こうした仕組みを稼働させるに当たって、例えば(1)や(2)では、どういった項目が「かかりつけ医機能」に該当するのか、(3)の書面はどのようなものなのか、などの詳細を詰める必要があります。

厚生労働省大臣官房の高宮裕介参事官(救急・周産期・災害医療等、医療提供体制改革担当)は9月29日の医療部会で次のように詳細を詰める考えを示しました。

(a)国民・患者へのかかりつけ医機能をはじめとする医療情報提供等のあり方の検討を統括する「国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会(仮称)」を新設する

(b)(a)検討会の下に次の分科会を設置する
▽(2)の「かかりつけ医機能報告」等の施行に向けた検討を行う「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(仮称)」

▽(1)の医療機能情報提供制度の全国統一システム化、かかりつけ医機能の情報提供項目等を検討する分科会(既存の「医療情報の提供内容等の在り方に関する検討会」を改組)



この10月(2023年10月)から来夏(2024年夏)までに上記の検討会・分科会で詳細を詰めるイメージです。

「かかりつけ医機能報告」制度等の詳細を検討する場とスケジュール(社保審・医療部会 230929)



こうした検討方針に異論は出ていませんが、委員からは今後の検討に向けて「かかりつけ医機能に関する教育の充実も重要である」(泉並木委員:日本病院会副会長、木戸道子委員:日本赤十字社医療センター第一産婦人科部長)、「医療機能情報提供制度等について、国民が使いやすい仕組みとしてほしい」(野村さちい委員:つながるひろがる子どもの救急代表)、「かかりつけ医とは何か、について国民・患者への普及啓発を十分に行うべき」(都竹淳也委員:全国市長会、岐阜県飛騨市長)、「地域により医療資源が大きく異なり、病院がかかりつけ医機能と高度機能との両方を果たさなければならないケースも少なくない点等を考慮すべき」(小熊豊委員:全国自治体病院協議会会長)、「国民のイメージする『かかりつけ医』と乖離した制度になることは避けなければならない。また、各医療機関が提供するさまざまなかかりつけ医機能を『統括』する医師・医療機関が必要になると考える」(島崎謙治委員:国際医療福祉大学大学院教授)、「我が国の医療提供体制の長所を残しつつ、外来機能分化を進めるべき」(城守国斗委員:日本医師会常任理事)といった意見が出ています。

「かかりつけ医とは何か」「かかりつけ医機能とは何か」については、人によって考え方が全く異なります(いわゆる「赤ひげ先生」をイメージする人もいれば、難病患者・家族は「大学病院の主治医」をイメージすることもある)。こうした中で、報告すべき「かかりつけ医機能」をどのように整理していくのか、今後の検討会・分科会論議に注目が集まります。



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