マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症患者の治療法選択・子宮頸部上皮内腫瘍の鑑別診断を補助する新検査を保険適用—厚労省
2025.1.3.(金)
マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症の患者等に対し最適な治療法を選択する検査、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)の鑑別診断を補助する検査を保険適用する—。
厚生労働省は12月27日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。1月1日から適用されています。
TARCタンパク質検査を、薬剤性過敏症症候群の鑑別診断に用いることも可能に
12月11日の中央社会保険医療協議会・総会において、次の2点の新たな臨床検査の保険適用が認められました。これを受け、新たな検査を保険診療の中で行う場合の診療報酬(検査料)算定ルールを厚労省が定めたものです。
(1)尿・子宮頸管擦過物中のマイコプラズマ・ジェニタリウムDNAおよびマイコプラズマ・ジェニタリウム23S rRNA遺伝子ドメインV領域の変異を検出し「マイコプラズマ・ジェニタリウム感染」の診断補助を行う新検査法「MEBRIGHT ジェニタリウム Plus DRキット」
(2)組織中のp16タンパクを検出し「子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)」の診断補助を行う新検査法「ベンタナ OptiView CINtec p16(E6H4)」
まず(1)については、D023【微生物核酸同定・定量検査】の中に、新たに「マイコプラズマ・ジェニタリウム核酸及びマクロライド耐性変異同時検出」を位置付け、次のような算定ルールを設定しています。
▽目的・対象患者など
→次のいずれかに該当する場合
(ア) マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症を疑う患者に対して、治療法の選択を目的として行った場合
(イ) マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症の患者に対して、治療効果判定を目的として行った場合
▽検出・測定方法
→リアルタイムPCR法
▽算定点数
→350点(D023【微生物核酸同定・定量検査】の「12 膣トリコモナス及びマイコプラズマ・ジェニタリウム核酸同時検出」の所定点数を準用)
一方、(2)については、N002【免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製】の中に、新たに「p16タンパク」を位置付け、次のような算定ルールを設定しています。
▽対象患者
→子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)が疑われ、HE染色で腫瘍性病変の鑑別が困難な患者
▽要件
→HQリンカーを用いて免疫染色病理標本作製を行った場合
▽算定点数
→720点(N002【免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製】の「1 エストロジェンレセプター」を準用)
【関連記事】
医薬品のイノベーション評価・安定供給に逆行しないよう、2025年度に薬価の中間年改定(=薬価引き下げ)は中止をと医薬品業界—中医協