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様々な若年発症がんの罹患率が多くの国・地域で増加、子宮体がんや大腸がんでは死亡率も増加—国がん

2026.1.6.(火)

様々な若年発症がんの「罹患率」が多くの国・地域で増加している―。

とりわけ子宮体がんや大腸がんでは若年発症の「死亡率」も増加しており、その要因や病態を早期に解明する必要がある―。

国立がん研究センターが12月25日に、こうした研究成果を公表しました(国がんのサイトはこちら)。

がん罹患率上昇には様々な要因が関連している点にも留意が必要

昨今、「若年(20歳以上50歳未満)発症がんの罹患率が世界中の地域や国で増えている」ことが多くの研究グループから報告されています。

ただし、「がんの罹患率」の上昇を考える際には、「がんそのものが増えているのか」、それとも「がん登録の精度やスクリーニング技術の向上によって、がんの発見件数が増加したのか」を見極める必要があるため、「高齢発症がんとの比較」や「死亡率も合わせて検討することが必要となります。

そこで今般、国がんの研究チームは、若年(20歳以上50歳未満)発症がんと高齢(50歳以上)発症がんについて、国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer;IARC、世界保健機関(WHO)の下部組織)が世界のがん登録室から収集・公開している「5大陸のがん罹患(Cancer Incidence in Five Continents:CI5)」のデータベースや、国際データベース「WHO Mortality」(WHOが加盟国から毎年報告される年齢・性・死因別の死亡率データを集めたデータベース)の死亡率を用いた分析を行いました。

まず、「若年発症がんの罹患率」について、日本を含む世界44の国と地域における2000 年から2017年までの推移を見ると、次のようながん種について、多くの国・地域で年齢調整罹患率(年齢構成による違いを除去したがん罹患率)が上昇していることが明らかになりました。

【女性】
・甲状腺がん
・乳がん
・悪性黒色腫
・子宮体がん
・大腸がん
・腎臓がん
・子宮頸がん
・膵臓がん
・多発性骨髄腫
・ホジキンリンパ腫

【男性】
・甲状腺がん
・腎臓がん
・精巣がん
・前立腺がん
・大腸がん
・悪性黒色腫
・白血病

これらのがんの増加は、「がん登録精度やスクリーニング技術の向上」との関連(発見率が高まったこと)だけでは説明ができないと、国がんは指摘します。



そこで、研究チームは「若年発症がんの罹患率」と「高齢発症がんの罹患率」を比較したところ、次のようながん種で、「若年発症がん」の罹患率が「高齢発症がん」の罹患率に比べて顕著に増加していることが明らかになりました。

【女性】
・大腸がん(6か国)
・子宮頸がん(6か国)
・膵臓がん(5か国)
・多発性骨髄腫(5か国)

【男性】
・前立腺がん(12か国)
・大腸がん(8か国)
・腎臓がん(6か国)

また、日本では「若年発症の子宮体がん」の罹患率が高齢発症がんよりも顕著に増加していることも分かりました。



国がんでは、これらの背景について、▼がんの危険因子や、若年発症がんに特異的な新しい危険因子に若年期により多く曝露していることにより若年発症のがんが増えている可能性▼スクリーニング技術の向上により、高齢発症がんが「前がん病変のうちに除去されている」可能性—などが考えられると指摘しています。



さらに、若年発症がんの「罹患率」と「死亡率」とを比較すると、次のような状況が明らかになりました。

▽子宮体がんは、日本、韓国、エクアドル、米国、イギリスでいずれも増加している

▽大腸がんは、カナダ、米国、イギリスなどにおいていずれも増加している

死亡率が増加している点には強い懸念を覚え、子宮体がんや大腸がんの早期に発見・治療が極めて重要であると言えます。



あわせて、がんのリスク要因である「肥満」率と、若年発症がんの罹患率とを比較すると、次のような状況も明らかになりました。

▽若年者の肥満率が増加している米国、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの先進国を中心に、多くの国や地域で、若年発症がんの罹患率も増加している

▽日本でも若年者の肥満率は増加傾向にあるが、諸外国と比べるとその傾向は比較的緩やかである

ただし、「日本人を含むアジア人は欧米人と比較して軽度肥満でも生活習慣病のリスクが高い」ため、アジア人における肥満の定義や最適な分類などを適応した今後さらに検討が必要であると国がんは分析しています。



国がんでは、こうした分析結果を▼様々な若年発症がんの罹患率が高齢発症がんと比較し増加している▼なかでも子宮体がんや大腸がんは、「死亡率も増加」しており、要因や病態のより早期の解明が望まれる―と総括しました。

ただし、前述のとおり、がんの罹患率は「がん登録の精度向上」「スクリーニングや診断技術の進歩」「効果的なスクリーニングによる前がん病変の除去」「若年者における危険因子の暴露」など様々な要因が複雑に関係しており、とりわけ若年発症がんは現状が十分に把握できていないことから、疫学研究での実態把握と基礎研究をさらに行い現状をより詳細に把握する必要があります。今後の研究に期待が集まります。



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