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合理的理由なく「無給」の大学病院医師、全体の8.8%に当たる2819名に増加―文科省

2020.2.13.(木)

大学病院本院において「無給」が強いられている医師が問題となっており、さらなる調査を進めた結果、「2819名・8.8%の勤務医」について勤務実態(診療実態)があるにも関わらず給与が支給されていないことが分かった―。

文部科学省は2月7日に「大学病院で診療に従事する教員等以外の医師・歯科医師に対する処遇に関する調査」結果を更新し、こうした状況を明らかにしました。大学病院では「雇用契約を明確にする」「遡及して給与を支払う」などの改善に取り組みます(文科省のサイトはこちら(概要版)こちら(調査結果全体))。

合理的理由なく給与が支払われていない大学病院勤務医の状況(大学病院無給問題調査1 200207)

給与未払いのあった29大学病院のうち18大学病院で、給与の遡及支払完了

2018年10月に「医療現場で診療行為を行っているのにも関わらず給与が支給されていない医師が大学病院において存在する」という点が問題視され、文科省では調査を進め、昨年(2019年)6月に調査結果の第一報が公表されました。文科省ではその後も精査を進め、今般、調査結果を更新したものです。

調査は、全ての国公私立大学附属病院の本院(99大学・108大学病院)に勤務する医師(3万1801名)を対象に2018年9月の給与支給状況を調べたもので、精査の結果、次のような状況が明らかになりました(2019年6月時点では1304名について、大学側が「精査が必要」と判断していた)。

(1)給与(謝金を含む)を支給している者は2万4733名(前回調査から21名増)・77.8%(同0.1ポイント増)・104大学病院(同増減なし)

(2)合理的な理由があるため、労務管理の専門家への相談等も踏まえ、給与を「支給していない」者は4249名(同655名増)・13.4%(同2.1ポイント増)・72大学病院(同6施設増)

(3)合理的な理由があるため給与を支給していなかったが、労務管理の専門家への相談等も踏まえ、「今後、給与を支給する」とした者は2015名(同575名増)・6.3%(同1.8ポイント増)・44大学病院(同9施設増)

(4)合理的な理由がなく給与を支給していなかったため、労務管理の専門家への相談等も踏まえ、「遡及も含め給与を支給する」とした者は804名(同53名増)・2.5%(同0.1ポイント増)・29大学病院(同2施設増)



(3)と(4)の合計となる2819名・8.8%の勤務医について、「勤務実態(診療実態)がありながら、給与が支払われていなかった」と考えることができるでしょう。1割近い勤務に不当な給与未払いがあったことは極めて遺憾です。

このうち、とくに(4)については問題が大きく、未払い分の給与を勤務医に支払う必要が出てきます。ただし、その対応状況を見ると▼遡及して給与を支給している:18大学病院▼遡及して給与支給を開始しているが、未完了:3 大学病院▼遡及して給与の支給する方向で支払い時期等について検討中:8大学病院―とバラつきがあります。

また、(4)の合理的な理由のない給与未払いが生じた背景については、▼自己研鑽・自己研究等の目的、または大学院の研修の一部であったため(ただい労働者的実態が強く、給与支給が適当と判断している):482名((4)の60.0%)・16大学病院▼労働条件勤務日や労働時間上限時間などを超えた診療について未払いがあった:203名(同25.2%)・5大学病院▼診療科等における労働時間の管理・把握が不十分であったり、労務管理に関する書類等の事務手続上の不備があった:119名(14.8%)・10大学病院―などがあげられています。



また(2)の「合理的な理由」とは、▼自己研鑽(最新の医療情報の収集、診療技術の向上等)・自己研究(自身の臨床研究推進等)等の目的で診療に従事しているため▼大学病院と別に本務先のある医師で、本務先の業務命令で研修として診療に従事しているため(大学病院での診療従事分も含め本務先から給与が支給されている)―というもので、今後も大学病院からは給与は支払われないようです。

一方、(3)の「合理的理由」は、「自己研鑽・自己研究等の目的で診療に従事しているため」で、(2)の一部と同じですが、労務管理の専門家との協議で「給与を支給することが適当」と判断されたといいます。(2)と(3)の判断が異なった理由について、詳しい分析がなされるよう期待したいところです。



なお、個別大学病院の実名で、(1)から(4)の状況が示されており、「問題ケースがない大学病院((3)(4)がゼロ人の病院)」も少なくありません。

【(3)(4)がゼロ人の病院】
◎国立

▼旭川医科大学病院▼弘前大学医学部附属病院▼山形大学医学部附属病院▼東京医科歯科大学医学部附属病院▼富山大学附属病院▼金沢大学附属病院▼山梨大学医学部附属病院▼信州大学医学部附属病院▼浜松医科大学医学部附属病院▼名古屋大学医学部附属病院▼三重大学医学部附属病院▼神戸大学医学部附属病院▼鳥取大学医学部附属病院▼岡山大学病院▼広島大学病院▼徳島大学病院▼香川大学医学部附属病院▼愛媛大学医学部附属病院▼高知大学医学部附属病院▼九州大学病院▼佐賀大学医学部附属病院▼鹿児島大学病院▼琉球大学医学部附属病院▼大阪大学歯学部附属病院▼東京大学医科学研究所附属病院―

◎公立
▼札幌医科大学附属病院▼福島県立医科大学附属病院▼京都府立医科大学附属病院▼大阪市立大学医学部附属病院▼茨城県立医療大学付属病院―

◎私立
▼東北医科薬科大学病院▼国際医療福祉大学病院▼自治医科大学附属病院▼埼玉医科大学病院▼帝京大学医学部附属病院▼東京医科大学病院▼金沢医科大学病院▼大阪医科大学附属病院▼関西医科大学附属病院▼近畿大学病院▼川崎医科大学附属病院▼産業医科大学病院▼福岡大学病院▼日本歯科大学附属病院▼日本歯科大学医科病院▼朝日大学病院▼明治国際医療大学附属病院▼常葉大学常葉リハビリテーション病院▼東北福祉大学せんだんホスピタル▼聖路加国際大学聖路加国際病院―

個別大学病院の状況1(大学病院無給問題調査2 200207)

個別大学病院の状況2(大学病院無給問題調査3 200207)

個別大学病院の状況3(大学病院無給問題調査4 200207)

個別大学病院の状況4(大学病院無給問題調査5 200207)



大学病院サイドは、▼「合理的な理由なく給与を支給していなかった」と判断した者に対して、遡及を含めた給与支給と雇用契約の締結等を実施する▼「労務管理や自己研鑽・自己研究等に関するマニュアル」の作成や「診療従事願」等の申請書類の見直しなど、関連規程の見直しを図る▼労務管理の適切な把握・報告等を実施するよう、病院長等から全診療科長等に対して周知徹底を図る―などの改善を行う考えを強調しています。


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