15歳未満の子ども数は42年連続、人口に占める子どもの割合は49年連続で減少―総務省
2023.5.8.(月)
今年(2023年)4月1日現在、我が国における15歳未満の「子ども」の数は1435万人で42年連続の減少。総人口に占める「子ども」の割合は11.5%で49年連続の減少となった。また東京都を含めすべての都道府県で「子どもの数と割合」が減少している―。
総務省は5月4日に、こうした状況を統計トピックス「我が国のこどもの数」として公表しました。「子ども」の減少は、社会保障制度の基盤を揺るがすことは述べるまでもなく、日本国の存在そのものをも脅かします(国家として認められるためには、「領土」「統治機構」「国民」の三要素が不可欠)。少子化対策を早急に充実していくことが必要です(総務省のサイトはこちら)(前年の記事はこちら、将来推計人口に関する記事はこちら)。
我が国の子ども数は1435万人、1982年から42年連続で減少
総務省は毎年、こどもの日にちなんで「子どもの数」や「子どもの割合」などを推計し、発表しています。
今年(2023年)4月1日現在の子ども(15歳未満)の数は1435万人で、前年に比べて30万人減少しました。子どもの数は1982年(昭和57年)から42年連続で減少しており、過去最少を更新しています。
総人口に占める子どもの割合は11.5%で前年から0.2ポイント低下。49年連続の低下となりました。1950年の35.4%、1965年の25.6%、1975年の24.3%、1985年の21.5%、1995年の16.0%、2005年の13.8%、2015年の12.5%などと比べると「少子化が急速に進行している」状況を再確認できます。
年齢階級別に見ると、年齢の低い階層ほど人口が少なく、▼0-2歳:243万人(総人口に占める割合は2.0%、前年から8万人減・割合には変化なし)▼3-5歳:267万人(同2.1%、前年比11万人・0.1ポイント減)▼6-8歳:296万人(同2.4%、前年比5万人減・割合には変化なし)▼9-11歳:308万人(同2.5%、前年比5万人減・割合には変化なし)▼12-14歳:321万人(同2.6%、前年比2万人減・割合には変化なし)—という状況です。今後も「少子化が進行していく」ものと推察できます。
「総人口に占める子どもの割合」を国際比較すると、統計年次の差はあるものの、我が国(11.5%)が「もっとも子ども割合の少ない国」となっています。我が国に次ぐのは、韓国(11.6%、2022年統計)、イタリア(12.4%、同)、スペイン(13.8%、同)、ドイツ(14.0%、同)などです。ドイツでは前年に比べて、子どもの割合が0.2ポイント「増加」しています。ドイツの取り組みも参考にした少子化対策を我が国でも検討・実施することが重要でしょう。
子ども割合の最高は沖縄県の16.3%、最低は秋田県の9.3%
次に、都道府県別に昨年(2022年)10月1日時点の「子どもの数」を見てみると、すべての都道府県で「前年に比べて減少」していることが分かりました。
最も子ども数割合が高いのは沖縄県で16.3%(前年に比べて0.2ポイント減)、次いで滋賀県13.2%(同0.2ポイント減)、佐賀県13.2%(同0.1ポイント減)などと続きます。逆に最も低いのは秋田県で9.3%(同0.2ポイント減)、次いで青森県10.2%(同0.2ポイント減)、北海道10.3%(同0.2ポイント減)などです。
また、子ども「数」の減少が著しいのは、▼東京都(前年から1万8000人減)▼神奈川県(同1万8000人減)▼愛知県(同1万8000人減)▼大阪府(同1万6000人減)▼北海道(同1万4000人減)▼埼玉県(同1万4000人減)—などで、従前と同じ顔触れです。
少子化は、「社会保障制度の脆弱化」はもちろん、国家の存続(国家として成立するためには、国土・国民・統治機構の3要素が必要)をも脅かします。少子化対策に本腰を入れることが喫緊の課題となっており、岸田内閣の掲げる「異次元の少子化対策」の実行に期待が集まっています。
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