15歳未満の子ども数は38年連続、人口に占める子どもの割合は45年連続で減少―総務省
2019.5.9.(木)
今年(2019年)4月1日現在、我が国における15歳未満の「子ども」の数は1533万人で38年連続の減少、人口に占める「子ども」の割合は12.1%で45年連続の減少となった。また東京都以外の、全道府県で「子ども」の数と割合が減少している―。
総務省は5月4日に、こうした状況を統計トピックス「我が国のこどもの数」として公表しました。「子ども」の減少は、社会保障はもちろん、日本国の存在をも脅かします(国家として認められるためには、「領土」「統治機構」「国民」の三要素が不可欠)。少子化対策をさらに充実していくことが必要です(総務省のサイトはこちら)(前年の関連記事はこちら)。
我が国の子ども数は1533万人、1982年から38年連続で減少
総務省は毎年、こどもの日にちなみ、「子どもの数」や「子どもの割合」などを推計して、発表しています。
それによると2019年の子どもの数は1533万人で、前年に比べて18万人減少しました。子どもの数は1982年(昭和57年)から38年連続で減少しており、過去最少を更新しています。
年齢階級別に見ると、年齢の低い階層ほど人口が少なく、▼0-2歳:286万人(前年推計から7万人減)▼3-5歳:295万人(同5万人減)▼6-8歳:309万人(同4万人減)▼9-11歳:321万人(同2万人減)▼12-14歳:322万人(同4万人減)—という状況です。年々、少子化が進行している状況を再確認できます。
子どもの割合は12.1%、1975年から45年連続で減少
次に、我が国の人口に占める子どもの割合に目を移してみると、2019年は12.1%で、前年に比べて0.2ポイント減少しました。子どもの割合は、1949年(昭和25年)には3分の1を超えていました(35.4%)が、その後減少。第2次ベビーブーム(1971-74年)でわずかに上昇したものの、再び減少しています。1975年(昭和50年)から45年連続で減少しており、やはり過去最低を更新しています。
「人口に占める子どもの割合」を国際比較すると、統計年次の差はあるものの、我が国が「もっとも子ども割合の少ない国」となっています。我が国に次ぐのは、韓国(12.9%、2018年統計)、イタリア(13.4%、2018年統計)、ドイツ(13.4%、2018年統計)など。ドイツでは、2016年統計に比べて0.2ポイント上昇しています。
子ども割合の最高は沖縄県の17.0%、最低は秋田県の10.0%
都道府県別に昨年(2018年)10月1日時点の「子どもの数」を見てみると、前年に比べて増加しているのは、人口集中が続く東京都のみで、沖縄県でも前年から横ばいとなっています。子ども数の減少が著しいのは、▼大阪府(前年から1万3000人減)▼神奈川県(同1万1000人減)▼北海道(同1万1000人減)▼兵庫県(同9000人減)—などで、前年と同じ顔触れです。
また都道府県別の「子どもの割合」は、沖縄県で最も高く17.0%(同0.1ポイント減)、次いで滋賀県14.0%(同0.1ポイント減)、佐賀県13.6%(同0.1ポイント減)などで多くなっています。逆に最も低いのは秋田県で10.0%(同0.1ポイント減)、次いで青森県10.8%(同0.2ポイント減)、北海道10.9%(同0.2ポイント減)で少なくなっています。「子供の割合」は、横ばいとなっている東京都以外では減少し、「西高東低」の傾向があります。
少子化は、「社会保障制度の脆弱化」はもちろん、国家の存続(国家として成立するためには、国土・国民・統治機構の3要素が必要)をも脅かし、その対策に本腰を入れることが必要です(関連記事はこちらとこちら)。
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