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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

データ提出必要病床が200床未満の回復期リハ5・6と療養、2018年度中のデータ提出加算届出は不要―厚労省

2018.10.31.(水)

 データ提出が要件となる病棟の病床数が200床未満の【回復期リハビリテーション病棟5および6】、【療養病棟入院基本料】では、再来年(2020年)3月31日まで「データ提出加算の届け出を行っている」とみなし、今年度(2018年度)中に「データ提出加算の届け出」は必要ない―。

 厚生労働省は10月22日に事務連絡「データ提出加算に係る経過措置及び届出状況について」を示し、こうした点を明確にしました(関連記事はこちら)。

小規模医療機関に配慮した新経過措置、告示改正の前に医療機関に周知

 2018年度診療報酬改定では、入院医療について極めて大きな見直しが行われました。その1つに「診療実績データの提出義務の拡大」があげられます。

 従前は、7対1・10対1病棟(改定後は、【急性期一般入院基本料(急性期一般1-7)】、【特定機能病院入院基本料(一般病棟7対1・10対1)】、【専門病院入院基本料(7対1・10対1)】と地域包括ケア病棟において、データ提出が義務付けられていましたが、新たに▼回復期リハビリ病棟入院料▼療養病棟入院基本料―の算定病棟を持つ病院にも、データ提出が義務付けられることになったのです。

 ただし、適切にデータ提出を行うには、診療情報管理士を確保するなどの体制整備が必要となるため、厚労省は、次のような「対象の限定」と「経過措置」を設定しました。

【対象の限定】
回復期リハビリ病棟5・6(旧・回復期リハビリ病棟3)と療養病棟については、「許可病床200床以上」の病院においてデータ提出を要件とする(逆に言えば、許可病床数200床未満の回復期リハ5・6と療養では、データ提出義務はない。回復期リハ1-4では許可病床数の限定はなく、小規模な病院でもデータ提出が義務化)

【経過措置】
(1)2018年3月31日時点で、新たにデータ提出の対象となる「回復期リハビリ病棟入院料」「療養病棟入院基本料」などを届け出ている場合には、「2019年3月31日までデータ提出の要件を満たしている」とみなす(1年間の猶予)

(2)2018年3月31日時点で、新たにデータ提出の対象となる「回復期リハビリ病棟入院料」「療養病棟入院基本料」などを届け出ており、許可病床数が50床未満または1病棟のみの場合には、「2020年3月31日までデータ提出の要件を満たしている」とみなす(2年間の猶予)
2018年度改定(データ提出拡大)
 
 しかし、医療現場からは、例えば「精神病棟200床、療養病棟50床の場合、許可病床数が200床を超えてしまい、データ提出が義務化され(上記【限定】の対象外)、早急に体制を整備しなければならないが、病院の体力的に非常に厳しい」といった指摘がありました。

そこで厚労省は、9月26日の中央社会保険医療協議会・総会に「新たな経過措置」創設を提案。そこでの了承を経て、近く、告示改正が行われます。もっとも、医療機関においては「体制整備が必要か否か」が可能な限り早期に、明確にされているべきであり、今般、事務連絡でその内容が示されたものです。

まず許可病床数200床以上の【回復期リハ5・6】【療養病棟】については、次の区分に従って「入院基本料におけるデータ提出加算の届け出がなされている」とみなされます。これまでは、上記経過措置(1)により「来年(2019年)4月以降は、データ提出の届け出が必要」(届け出をしない場合、施設基準を満たさず、入院料の届け出ができないこととなる)とされていましたが、細分化し、「実質的に小規模な医療機関では経過措置をさらに1年間延長する」というイメージです。

(a)データ提出が要件となる病床(▼急性期一般入院基本料(急性期一般1-7)▼特定機能病院入院基本料(一般病棟7対1・10対1)▼専門病院入院基本料(7対1・10対1)▼地域包括ケア病棟▼回復期リハビリ病棟(ただし5・6についてはデータ提出が要件となる病床合計数200床以上の病院)▼療養病棟入院基本料(ただしデータ提出が要件となる病床合計数200床以上の病院)—)の数が200床以上の場合
→来年(2019年)3月31日まで「データ提出加算の届け出あり」とみなす(後述のとおり、来年度(2019年度)以降も当該入院料を届け出るためには、今年度(2018年度)中にデータ提出加算に係る届け出が必要となる)

(b)データ提出が要件となる病床(同)数が200床未満の場合
→再来年(2020年)3月31日まで「データ提出加算の届け出あり」とみなす

 どういうケースが(a)または(b)に該当するのか、厚労省は下図のように例示(4ケース)しています。
データ提出に関する新経過措置1 181022
データ提出に関する新経過措置2 181022

  
 なお、データ提出にあたっては、「データ提出が要件となる病棟(同)」だけでなく、「全病棟」分のデータの提出が必要となる点に留意が必要です(従前と同じ取扱い)。

 
 また、上記経過措置(1)のとおり、今年(2018年)3月31日時点で、旧▼一般病棟入院10対1(許可病床数200床未満に限る)▼療養病棟1・2▼特定機能病院一般病棟10対1(許可病床数200床未満に限る)▼専門病院10対1(許可病床数200床未満に限る)▼回復期リハビリ病棟―の入院基本料・特定入院料を算定していた場合で、引き続き来年(2019年)4月以降もこれらの入院料を算定する場合には、今年度(2018年度)中にデータ提出加算に係る届け出が必要となります。

 データ提出加算に係る届け出を今年度(2018年度)中に行うためには、まず「様式40の5」(データ提出開始届出書)を今年(2018年)11月20日までに、地方厚生(支)局を経由して、厚生労働省に提出しなければなりません(さらに、12月・1月分の試行データを来年(2019年)2月22日までに提出し、適切なデータ提供が可能かの審査を受けなければならない)。該当する病院では、急ぎ「様式40の5」の準備を行う必要があります。

様式40の5[データ提出開始届出書](施設基準の解釈通知より)

様式40の5[データ提出開始届出書](施設基準の解釈通知より)

 
 ただし、【回復期リハビリ病棟5・6】【療養病棟】において、「データ提出が要件となる病床の数が200床未満」の場合には、上述(b)のように「再来年(2020年)3月31日まで、データ提出加算の届け出がなされている」とみなされるので、今年度(2018年度)中のデータ提出加算に係る届け出は必要ありません。

 
 
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【関連記事】

回復期リハや療養病棟のデータ提出、病棟の構成等に応じた新たな経過措置―中医協総会(1)