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NUDT15遺伝子多型検査、ウイルス・細菌核酸多項目同時検出の算定対象を明確化―疑義解釈18【2018年度診療報酬改定】

2019.12.9.(月)

厚生労働省は12月2日に「疑義解釈資料の送付について(その18)」を公表しました(厚労省のサイトはこちら)。

今回は、「Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型検査」および「ウイルス・細菌核酸多項目同時検出」といういずれも今年(2019年)保険適用された新たな検査について、医療現場の疑問に答えています。

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NUDT15遺伝子多型検査、自己免疫性肝炎患者の算定対象に

今年(2019年)年2月1日付で、急性リンパ性白血病や難治性炎症性腸疾患の治療において「チオプリン製剤」の投与等の是非を判断する新たな遺伝子検査(Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型検査)が保険適用されました。

この検査の対象疾患は「チオプリン製剤を使用する疾患のうち、関連学会の定める治療指針等で治療選択基準および本検査の結果を踏まえた治療方針が明確に示されているもの」とされ、今年4月3日付の疑義解釈13では▼難治性の炎症性腸疾患▼急性リンパ性白血病▼治療抵抗性のリウマチ性疾患―が該当することが示されました。

このうち「治療抵抗性のリウマチ性疾患」については、以下の疾患が限定列挙されています。
▽全身性血管炎(▼顕微鏡的多発血管炎▼多発血管炎性肉芽腫症▼結節性多発動脈炎▼好酸球性多発血管炎性肉芽腫症▼高安動脈炎―など)
▽全身性エリテマトーデス(SLE)
▽多発性筋炎
▽皮膚筋炎
▽強皮症
▽混合性結合組織病
▽難治性リウマチ性疾患

この点、学会等での研究進展により対象疾患は順次拡大していくこととなり、今般の疑義解釈では「2019年11月以降、自己免疫性肝炎も該当する」ことが明示されました。今後も対象疾患の拡大が想定されますので、最新情報を確認する必要があります。

ウイルス・細菌核酸多項目同時検出、学会ガイドラインの「重症」患者に算定可能

また本年(2019年)11月1日付で、インフルエンザウイルスなど20種類の呼吸器感染症病原体のいずれに感染しているのかを短時間で極めて正確に判定できる新たな検査法が保険適用され、D023【微生物核酸同定・定量検査】に、新たに「ウイルス・細菌核酸多項目同時検出」の項が設けられました。

この検査の対象患者は、A300【救命救急入院料】、A301【特定集中治療室管理料】、A301-4【小児特定集中治療室管理料】、A302【新生児特定集中治療室管理料】、A303【総合周産期特定集中治療室管理料】の2「新生児集中治療室管理料」を算定する患者で、「重症呼吸器感染症と診断した、または疑われる場合」とされています。今般の疑義解釈でより具体的に、次のような基準が示されました。

【小児】
小児呼吸器感染症診療ガイドライン(日本小児呼吸器学会および日本小児感染症学会)における上気道炎の重症度分類であるWestleyのクループスコアまたは気道狭窄の程度の評価で【重症以上】、もしくは小児市中肺炎の重症度分類で【重症】と判定される呼吸器感染症患者

【成人】
成人肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)における、市中肺炎または医療・介護関連肺炎の重症度分類で【重症以上】、もしくは院内肺炎の重症度分類で中等症以上と判定される呼吸器感染症患者

 
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