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ベンゾジアゼピンの1年処方、全日病研修修了者も通常の処方料・処方箋料を算定可能―疑義解釈11【2018年度診療報酬改定】

2019.2.4.(月)

 厚生労働省は1月30日に「疑義解釈資料の送付について(その11)」を公表しました。今回は、ベンゾジアゼピンを処方する場合の【処方料、処方箋料】や【在宅気管切開患者指導管理料】などについて、医療現場の疑問に答えています(厚労省のサイトはこちら)(関連記事はこちら(疑義解釈9)こちら(疑義解釈8)こちら(疑義解釈7)こちら(疑義解釈6)こちら(疑義解釈5)こちら(疑義解釈4)こちら(疑義解釈3)こちら(疑義解釈2)こちら(疑義解釈1の3)こちら(疑義解釈1の2)こちら(疑義解釈1の1))。

ベンゾジアゼピンの適正使用目指し、漫然とした使用は処方料・処方箋料を減額

 2018年度診療報酬改定では、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬等の長期処方を適正化するため、「向精神薬を処方する場合の処方料・処方箋料に係る要件」が見直されました。具体的には、不安・不眠に対しベンゾジアゼピン系の薬剤を12か月以上連続して同一の用法・用量で処方されている場合には、処方料が29点(通常42点)、処方箋料が40点(同68点)に減額されます。ただし、「不安・不眠に係る適切な研修を修了した医師」または「精神科薬物療法に係る適切な研修を修了した医師」が行った処方、「直近1年以内に精神科の医師からの助言を得て行っている」処方は除外されます(関連記事はこちら)。

2018年3月の疑義解釈(その1)では、前者の「不安・不眠に係る適切な研修」として、日本医師会の生涯教育制度における研修(「日医e ーニング」含む)において、カリキュラムコード69「不安」またカリキュラムコード20「不眠」を満たす研修で、プライマリケア提供に必要な内容を含むものを2単位以上取得した場合が、後者の「精神科薬物療法に係る適切な研修」として、日本精神神経学会または日本精神科病院協会が主催する精神科薬物療法に関する研修(ただし、精神科の臨床経験5年以上を有する状態で受講した場合のみ)が、現時点で該当することを示していました。

今般の疑義解釈では、前者の「不安・不眠に係る適切な研修」について、上記のほか、全日本病院協会による「向精神薬の適正使用に係る研修」も該当することが明らかにされました。

 
 C112【在宅気管切開患者指導管理料】は、さまざまな原因で気管切開を行った患者が、安定した病態にあり、在宅生活を送る場合、必要な気管切開に関する医学管理(酸素吸入設備やレスピレーターの適切な使用方法など)を医師が行うことを評価するものです。

 また、気管切開を行っている入院中以外の患者に対して、人工鼻を使用した場合にはC169【気管切開患者用人工鼻加算】を算定することが可能です。

 この点、厚労省は今般、「喉頭摘出患者」についても、気管切開患者と同様にC112【在宅気管切開患者指導管理料】やC169【気管切開患者用人工鼻加算】を算定でき、その際、使用した薬剤・特定保険医療材料以外の材料費等は当該点数に含まれ別に算定できないことを明確にしました。

 
 また、2018年度診療報酬改定で、特定保険医療材料の035【尿管ステントセット・一般型・異物付着防止型】(2万3000円)の定義が見直され、「異物付着防止加工について、薬事承認または認証上明記されていること」が必要となっています。このため、2018年3月以前は「異物付着防止型」に該当していたが、2018年4月以降は「標準型」に該当することとなった製品を、2018年4月以降に請求する場合には、「標準型」(1万5000円)で算定することが明示されています。医療現場におかれては、在庫製品の仕様等を確認しておくことが必要です。

 
このほか、次のような点が明らかにされました。

▽D283【発達及び知能検査】について、WAIS-Ⅳ知能検査は、3「操作と処理が極めて複雑なもの」(450点)に含まれる

▽先進医療の「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」について、フェムトセカンドレーザー使用は「有効性・安全性が従来法と同等で、先進医療の有効性・安全性評価に影響を与えない場合」に限り可能(日本眼科学会の見解に沿う)であるが、フェムトセカンドレーザーに係る費用は先進医療に係る費用として計上できない。なお、フェムトセカンドレーザーの有効性・安全性を評価する場合は、新規の先進医療として申請する必要がある

 
 
 
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