新型コロナウイルス検査の保険適用踏まえ、検査キット等の考えをさらに明確化―厚労省
2020.3.27.(金)
中華人民共和国武漢市で発生したとみられる新型コロナウイルスが本邦でも猛威を振るい、各地で患者クラスター(集団感染)が生じ、残念なことに死亡例も発生しています。例えば、東京都などでは「爆発的患者増加」(いわゆるオーバーシュート)の危険性も指摘されています。
そうした中で政府は、例えば2月25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定し、▼患者数増等を見据え、医療機関における病床や人工呼吸器等の確保を進める▼患者数が大幅に増えた状況では、一般医療機関の外来で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウイルス感染疑い患者を受け入れる▼高齢者や基礎疾患を有する者では、重症化しやすいことを念頭におき、より早期・適切な受診につなげる▼風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、「電話による診療等により処方箋を発行する」など、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する―などの考えを明確化。
また、各都道府県に対し「新型コロナウイルス感染症患者を重点的に受け入れる医療機関」の設定などを早急に進め、そこでは新規入院の制限など「病床の確保」に努めることなどを要請しています。
さらに、3月6日には新型コロナウイルス感染の鑑別を補助するPCR検査が保険適用されています。これに関連して厚労省は3月23日に事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その23)」を発出(2020年度診療報酬改定はまだ施行されておらず、2018年度診療報酬改定のQ&Aという位置づけ、厚労省のサイトはこちら)。
今般保険適用された新型コロナウイルスのPCR検査「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出」を実施する際に用いるものとして、国立感染症研究所ホームページ掲載の「臨床検体を用いた評価結果が取得された 2019-nCoV 遺伝子検査方法について」に記載された、▼FLUOROSEARCH™ Novel Coronavirus (SARS-CoV-2) Detection Kit▼SmartAmp 2019 新型コロナウイルス検出試薬―が、該当することが明確にされました。
疑義解釈(その22)、疑義解釈(その21)と合わせてご確認ください。
なお、3月25日に開催された中央社会保険医療協議会・総会において、診療側の猪口雄二委員(全日本病院協会会長)から「患者数が急増する中では、厚労省に『こうした点は保険診療等の中で可能か』と疑義を出す余裕がなくなってきている。医療現場で適切に判断して実施し、後に医療保険制度などで対応するような体制をとってほしい」との要望が出されています。これに対し厚労省保険局医療課の森光敬子課長は「医療現場の苦労は十分に理解している。クルーズ船対応などでは、医療現場の迅速の判断に助けていただいた。現場の判断を優先して適切に対応していきたい」との考えを示しています。
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