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新型コロナウイルス検出のためのPCR検査、3月6日から保険適用―厚労省

2020.3.5.(木)

新型コロナウイルス感染症疑い患者への診断、新型コロナウイルス感染症で入院している患者の退院可能性を判断するための検査(PCR)を3月6日から保険適用し、医師は「保健所の判断」を待たずに検査を実施することが可能とする。本検査は、感染症の発生状況、動向、原因究明のための積極的疫学調査に用いることはできない―。

診療報酬上、▼検査所等の検体を郵送する場合には1800点(1万8000円)▼それ以外の場合には1350点(1万3500円)―とするが、「都道府県から医療機関等に検査を委託するもの」と取り扱い、患者の自己負担は求めないこととする―。

なお、当面は院内感染防止・検査の精度管理の観点から、▼帰国者・接触者外来▼帰国者・接触者外来と同様の機能を持つと都道府県が認めた医療機関―においてPCR検査を実施することとする―。

厚生労働省は3月4日に通知「検査料の点数の取扱いについて」や通知「新型コロナウイルス核酸検出の保険適用に伴う行政検査の取扱いについて」などを発出し、こうした点を明らかにしました。

検体の郵送等状況などに応じて、1800点または1350点を算定

中華人民共和国武漢市で発生したとみられる新型コロナウイルスが本邦でも猛威を振るい、各地で患者クラスター(集団感染)が生じ、残念なことに死亡例も発生しています。安倍晋三内閣総理大臣が全国の小学校・中学校・高等学校に休校を要請したり、イベント等の開催自粛要請を行うなど、国民生活にも大きな影響が出ており、政府は2月25日に政府は2月25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定。医療体制に関し、▼患者数増等を見据え、医療機関における病床や人工呼吸器等の確保を進める▼患者数が大幅に増えた状況では、一般医療機関の外来で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウイルス感染疑い患者を受け入れる▼高齢者や 基礎疾患を有する者では、重症化しやすいことを念頭におき、より早期・適切な受診につなげる▼風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、「電話による診療等により処方箋を発行する」など、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する―などの考えを明確化しています。

そうした中で今般、新型コロナウイルス感染症を鑑別するための検査が保険適用されるに至ったものです。

まず、「新型コロナウイルス感染症が疑われる患者」に対する診断の目的、あるいは「新型コロナウイルス感染症治療で入院している患者」の退院可能性判断の目的のために、患者の▼喀痰▼気道吸引液▼肺胞洗浄液▼咽頭拭い液▼鼻腔吸引液▼鼻腔拭い液―からの検体を用いて、新型コロナウイルス検出の薬事承認・認証を得ている体外診断用医薬品(「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」(国立感染症研究所)に記載、あるいはこれに準じたものに限る)で実施した場合に、次のように診療報酬を算定できます。

(1)検体を、「感染性物質の輸送規則に関するガイダンス 2013-14年版」(国立感染症研究所)記載のカテゴリーB感染性物質の規定に従い、検体を採取した医療機関以外の施設へ輸送して、検査を委託して実施した場合には1800点(D023【微生物核酸同定・定量検査】の12「SARSコロナウイルス核酸検出」(450点)の4回分)
→この場合、レセプトの摘要欄に検査実施施設名を記載する

(2)それ以外の場合には1350点(同の3回分)



「新型コロナウイルス感染症が疑われる患者」の診断目的で検査を実施した場合には、診断確定までに(1)(2)に沿った点数を1回に限り算定できます。ただし、発症後に「陰性」であったものの、「新型コロナウイルス感染症以外の診断がつかない」場合には、さらに1回、(1)(2)の沿った点数を算定できます。なお「検査が必要と判断した医学的根拠」をレセプトの摘要欄に記載することが必要です。

また「新型コロナウイルス感染症治療で入院している患者」の退院可能性判断目的で検査を実施した場合には、1回に限り(1)(2)に沿った点数を算定できます。この場合には検査実施の日付とその結果をレセプトの摘要欄に記載することが求められます。

都道府県等から「患者の自己負担分」を公費補助

ところで、医療保険は「公費」「保険料」「患者負担」の3要素を財源としており、患者負担は年齢・収入によって1-3割に設定されています。患者負担徴収には「応益負担」(受益に応じた負担を行う)や「患者に医療保険財源は有限である」ことを知らせるなどの意味合いがあり、医療機関が自己判断で減免することは認められません。

しかし、今般、厚労省は「帰国者・接触者外来を設置している医療機関等で実施する『保険適用された検査』は、都道府県から医療機関等に行政検査を委託するもの」と取り扱い、「患者負担を求めない」こととする考えを明確にしました。もっとも、その際には、医療機関で「患者負担分」の収入が減少してしまうため、減少分について「公的な補助」が行われます。

具体的には、次のような流れとなります。

▽感染症指定医療機関等(▼感染症指定医療機関▼それ以外で都道府県知事の勧告によって新型コロナウイルス感染症患者を入院させる医療機関▼「帰国者・接触者外来を置く医療機関」「帰国者・接触者外来と同様の機能を有すると都道府県が認めた医療機関」―)が、都道府県等と委託契約を結ぶ(契約が3月6日以降となっても、3月6日から適用)

▽都道府県等から医療機関等を経由して、患者に対しPCR検査にかかる患者負担額相当を支給する(患者負担と相殺することが認められ、この場合、事実上「患者負担ゼロ」となる)

【補助金額】
▽3割負担者
・6歳(義務教育就学)から70歳まで・70歳以上のうち「現役並み所得」者

上記区分に沿って(1)では5850円、(2)では4500円

▽2割負担者
・6歳未満(義務教育就学前)・70-74歳

上記区分に沿って(1)では3900円、(2)では3000円

▽1割負担者
・75歳以上

上記区分に沿って(1)では1950円、(2)では1500円

「PCR検査を効率的に行うための会議」を設置し、地域で実施可能な検査数等把握を

なお厚労省は、検査体制の充実を求めるとともに、検査実施体制の把握・調整等を行うための会議体設置を都道府県等に求めています。

検査実施体制の把握・調整等を行うための会議体には、▼医師会▼病院団体▼感染症指定医療機関▼地方衛生研究所▼衛生検査所協会▼帰国者・接触者外来を設置する医療機関―などが参加。「地域でPCR検査実施が可能な機関(医療機関も含む)」「各機関で1日当たり実施可能な検査数」を把握したうえで、地域内で効率的にPCR検査を実施できるような対策・方向を検討し、関係者間で調整することが求められます。例えば「受診者が一部機関に偏ってしまい、検査が実施できない」といった事態を避けることが狙いです。

こうした情報は、会議体から都道府県に、都道府県から厚労省に提供され、効率的な検査実施に向けたアドバイスにつなげられます。


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