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新型コロナで診療縮小等となる医療機関等への優遇貸付拡充、病院では当初5年「1億円まで無利子」で長期運転資金を融資―厚労省・WAM

2020.3.12.(木)

新型コロナウイルスにスタッフが感染してしまったなど、自施設の責に帰せない理由で診療縮小や閉鎖などを余儀なくされる医療機関や介護施設を対象に、福祉医療機構(WAM)が優遇融資の条件をさらに拡充。病院では7億2000万円を上限に、当初5年間は「1億円まで無利子、1億円超過部分は0.2%」の利率で長期運転資金を貸し付ける―。

厚生労働省は3月10日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症により機能停止等となった医療関係施設等に対する融資について」を示し、こうした点を紹介しました。

政府は新型コロナへの緊急対応策第2弾を決定、医療体制充実など目指す

新型コロナウイルスが本邦でも猛威を振るい、各地で患者クラスター(集団感染)が生じ、残念なことに死亡例も発生しています。安倍晋三内閣総理大臣が全国の小学校・中学校・高等学校に休校を要請したり、イベント等の開催自粛要請を行うなど、国民生活にも大きな影響が出ており、政府は2月25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定しました。

そこでは医療体制に関し、例えば▼患者数増等を見据え、医療機関における病床や人工呼吸器等の確保を進める▼患者数が大幅に増えた状況では、一般医療機関の外来で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じた上で、新型コロナウイルス感染疑い患者を受け入れる▼高齢者や 基礎疾患を有する者では、重症化しやすいことを念頭におき、より早期・適切な受診につなげる▼風邪症状がない高齢者や基礎疾患を有する者等に対する継続的な医療・投薬等については、感染防止の観点から、「電話による診療等により処方箋を発行する」など、極力、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築する―などの考えを明確化しています。

そうした中でも感染患者が増加を続けていることを重視し、政府は今般「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策―第2弾-」を決定(2月13日に決定された緊急対策の第1弾はこちら)。▼感染拡大防止(介護施設や障害者施設、保育所等における消毒液購入や施設の消毒等の感染拡大防止に必要な費用の補助(補助率:介護施設2/3等)など)▼PCR検査体制の強化(民間検査機関等への検査設備導入支援(補助率:1/2)により3月中に検査件数を1日最大7000件程度に拡大するとともに、迅速診断機器の実用化を目指す)▼医療体制の整備(対応病床の拡大、重症者に対応するための人工呼吸器等導入など、地域の医療提供体制の整備等支援(補助率:1/2)など)―などを打ち出しています。

あわせて緊急対応策(第2弾)では、イベント自粛等による経営逼迫にも対応するための金融措置も講じることとしています。



この点、医療機関においては、現実に「新型コロナウイルス感染症に罹患した患者が来院していた」「新型コロナウイルスにスタッフが感染してしまった」ために、外来や病棟を閉鎖せざるを得なかったり、あるいは閉院を余儀なくされるケースが出てきています。その間、当然、収益が減少またはゼロとなってしまうため、長期に及べば運転資金がショートし「倒産」してしまう恐れもあります。このため、例えば日本病院会の相澤会長は「福祉医療機構(WAM)による医療貸付の強化」などの対応を緊急に行ってほしいと加藤勝信厚生労働大臣に要請するなどの動きが出ています。

こうした声を重くみて、厚労省とWAMでは、すでに実施している「新型コロナウイルス感染症により、当該施設の責に帰することができない事由で機能停止等になった場合の長期運転資金の優遇融資」(通常の融資条件から貸付利率の引き下げ等の優遇措置を講じている)について、今般、「優遇融資条件のさらなる拡充」を行いました。

具体的には次のような優遇拡充が行われています(WAMのサイトはこちら)。

【償還期間】
▽10年以内(据置期間:5年以内)に延長(通常は1年以上3年以内、これまでの優遇融では5年以内)

【貸付利率】
▽当初5年間:1億円まで無利子・1億円超の部分0.200%▽6年目以降:0.200%(通常は0.802%、これまでの優遇融資では0.200%)

【貸付金の限度額】
▽病院:7億2000万円(これまでの優遇融資では1億円)
▽老健施設・介護医療院:1億円(通常は老健施設1000万円、これまでの優遇融資では老健施設1億円)
▽それ以外の施設:4000万円(通常は診療所300万円、これまでの優遇融資では診療所4000万円)

新型コロナ対策に向けたWAM優遇融資の拡充



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