Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
外来診療 経営改善のポイント 2024年度版ぽんすけリリース

急性白血病等の治療法選択するNUDT15遺伝子検査、例外的に治療開始後にも算定可能―疑義解釈12【2018年度診療報酬改定】

2019.2.22.(金)

 厚生労働省は2月20日に「疑義解釈資料の送付について(その12)」を公表しました。今回は、今年2月1日付で保険適用された、急性リンパ性白血病や難治性炎症性腸疾患の治療において、「チオプリン製剤」の投与等の是非を判断するための新たな遺伝子検査「Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型検査」などについて、医療現場の疑問に答えています(厚労省のサイトはこちら)(関連記事はこちら(疑義解釈11)こちら(疑義解釈9)こちら(疑義解釈8)こちら(疑義解釈7)こちら(疑義解釈6)こちら(疑義解釈5)こちら(疑義解釈4)こちら(疑義解釈3)こちら(疑義解釈2)こちら(疑義解釈1の3)こちら(疑義解釈1の2)こちら(疑義解釈1の1))。

3剤配合の血圧コントロール薬「ミカトリオ」、事前の3剤併用療法の状況確認を

 急性リンパ性白血病や難治性炎症性腸疾患の治療においては、「チオプリン製剤」の投与が重要な選択肢の1つとなります。ただし本製剤には、▼再生不良性貧血などの血液障害▼肺炎や敗血症などの感染症▼悪性リンパ腫などの悪性新生物▼肝機能障害▼間質性肺炎▼進行性多巣性白質脳症(PML)―などの重大な副作用があり、「本製剤の投与が可能か否か」などを医師が慎重に判断する必要があります。

新たに保険収載された「Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型検査」(2100点)では、高い精度で▼チオプリン製剤の投与対象となる患者▼チオプリン製剤を減量して投与すべき、または他の薬剤を考慮すべき患者―の鑑別が可能と期待されています(関連記事はこちら)。

今般の疑義解釈では、「Nudix hydrolase 15(NUDT15)遺伝子多型検査」の対象疾患について、今年(2019年)2月時点では「難治性の炎症性腸疾患および急性リンパ性白血病」であることが明確にされました。チオプリン製剤を使用する疾患のうち「関連学会の定める治療指針等で治療選択基準・本検査の結果を踏まえた治療方針が明確なもの」が該当するとされ、今後、拡大される可能性もあります。

また、「保険適用以前(2019年1月31日以前)にチオプリン製剤の投与を開始している患者」は原則として対象となりません(チオプリン製剤の投与を開始するまでの間に限り本検査を算定できる)。ただし、検査をせずにチオプリン製剤の投与を続けた場合、重篤な副作用が生じる可能性もあります(保険適用外の検査をすれば、厳密には治療費すべてが全額自己負担となってしまう(混合診療の禁止))。そこで、厚労省では、以下の要件をすべて満たす場合には、例外的に「チオプリン製剤の投与開始後であっても本検査の算定を可能とする」考えを示しています。
(1)チオプリン製剤の投与開始後8週未満である
(2)チオプリン製剤による重篤な副作用(Grade3以上の白血球減少・脱毛など)が認められていない

この場合(例外の場合)には、レセプトの摘要欄に▼チオプリン製剤の投与開始日▼本検査日▼チオプリン製剤による重篤な副作用の有無▼検査の医学的必要性―を記載することが必要です。

 
 なお、高血圧治療薬のミカトリオ配合錠(成分名:テルミサルタン/アムロジピンベシル酸塩/ヒドロクロロチアジド)については、「テルミサルタン80mg、アムロジピン5mgおよびヒドロクロロチアジド12.5mgの併用療法(3剤併用療法)における血圧コントロールの状況、および安定した血圧コントロールが得られていると判断した際に参照した血圧測定値および当該血圧測定の実施年月日」を記載することが求められます(関連記事はこちら)。ミカトリオ配合錠は、我が国初の「3剤配合剤」です。成分となる3剤の用量が固定されていることから、「過剰な血圧低下のおそれがある」「副作用が生じた場合の原因特定が困難である」「投薬の調整が難しい」といった懸念があります。そこで、事前に成分となる3剤での血圧コントロールが可能と判断された患者にのみ投与することが適当と考えられるのです。

この点について、今般の疑義解釈では「血圧コントロールの状況については、『3剤の併用療法で安定した血圧コントロールが得られている』旨の記載で足り、それ以上に詳細な記載はなくともよい」ことを明らかにしました。

 
 
 
診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo

 

【関連記事】

ベンゾジアゼピンの1年処方、全日病研修修了者も通常の処方料・処方箋料を算定可能―疑義解釈11【2018年度診療報酬改定】
【看護夜間体制加算】、夜間の看護補助4時間以上配置は「週3日以上」でよい―疑義解釈9【2018年度診療報酬改定】
看護必要度II、「一覧に記載された薬剤」の後発品も評価対象―疑義解釈8【2018年度診療報酬改定】
看護必要度II、3月・9月中に切り替える場合は実績期間も前倒し可能―疑義解釈7【2018年度診療報酬改定】
一般の病床が満床で差額ベッドのみ空床の場合、懇切丁寧な説明と同意あれば差額ベッド代徴収は従前通り可能―疑義解釈6【2018年度診療報酬改定】
看護必要度II、一覧に記載された薬剤の「類似薬」も評価対象に―疑義解釈5【2018年度診療報酬改定】
看護必要度II、投薬・注射・手術・麻酔の薬剤のみ評価対象―疑義解釈4【2018年度診療報酬改定】
自院で介護保険訪問看護を実施していれば、地域包括1・3の選択基準満たす―疑義解釈3【2018年度診療報酬改定】
7対1病院が急性期一般1を算定する場合、9月までは特段の届け出不要―疑義解釈2【2018年度診療報酬改定】
保険診療上の【オンライン診療料】、実施指針よりも厳格に運用―疑義解釈1【2018年度診療報酬改定】(3)
医療安全のピアレビュー、抗菌薬の適正使用推進を評価する加算を新設―疑義解釈1【2018年度診療報酬改定】(2)
看護必要度IIの詳細、入院時支援加算における専従・専任看護師の規定など解説―疑義解釈1【2018年度診療報酬改定】(1)

外来から入院、退院後の在宅医療までをマネジメントするPFM、さまざまなメリットが!
鈴木医務技監・迫井医療課長がGHC改定セミナーに登壇!「重症患者受け入れ」に軸足を置いた入院報酬に!

200床以上で看護必要度II要件を満たさない場合、急性期一般入院料2・3は届出可能か―厚労省
DPCのEF統合ファイル用いる看護必要度II、選択可能な病院の条件を提示―厚労省

2018年度診療報酬改定、答申内容を一部訂正―厚労省
【2018年度診療報酬改定答申・速報6】がん治療と仕事の両立目指し、治療医と産業医の連携を診療報酬で評価
【2018年度診療報酬改定答申・速報5】在総管と施設総管、通院困難患者への医学管理を上乗せ評価
【2018年度診療報酬改定答申・速報4】医療従事者の負担軽減に向け、医師事務作業補助体制加算を50点引き上げ
【2018年度診療報酬改定答申・速報3】かかりつけ機能持つ医療機関、初診時に80点を加算
【2018年度診療報酬改定答申・速報2】入院サポートセンター等による支援、200点の【入院時支援加算】で評価
【2018年度診療報酬改定答申・速報1】7対1と10対1の中間の入院料、1561点と1491点に設定

ロボット支援手術を、胃がんや肺がん、食道がんなど12術式にも拡大―中医協総会 第384回(1)
2018年度改定、入院料の再編・統合、かかりつけ機能の評価拡充などが柱に―中医協総会 第382回(3)
かかりつけ機能持つ診療所など、初診料の評価アップへ―中医協総会 第382回(2)
7対1・10対1を再編し7つの急性期入院料を新設、重症患者割合が争点―中医協総会 第382回(1)
【2018年度診療報酬改定総点検3】複数医療機関による訪問診療をどこまで認めるべきか
【2018年度診療報酬改定総点検2】ICTの利活用を推進、オンライン診察等の要件はどうなる
【2018年度診療報酬改定総点検1】入院料を再編・統合、診療実績による段階的評価を導入
2018年度改定、年明けからの個別協議に向け各側がスタンスを表明―中医協総会
麻酔科医の術前術後管理の重要性を勘案し、麻酔管理料の評価充実へ―中医協総会 第379回
「専従」要件の弾力運用、非常勤リハビリスタッフの「常勤換算」を認める―中医協総会 第378回
かかりつけ薬剤師の推進目指すが、「かかりつけ」を名乗ることへの批判も―中医協総会 第377回(5)
介護施設を訪問して入所者を看取った場合の医療機関の評価を拡充―中医協総会 第377回(4)
腹膜透析や腎移植、デジタル画像での病理診断などを診療報酬で推進―中医協総会 第377回(3)
療養病棟入院料も再編、20対1看護、医療区分2・3割合50%がベースに―中医協総会 第377回(2)
「入院前」からの外来で行う退院支援、診療報酬で評価―中医協総会 第377回(1)
薬剤9.1%、材料7.0%の価格乖離、診療報酬本体プラス改定も―中医協総会 第376回(3)
退院支援加算2でも、地域連携診療計画加算の算定を可能に―中医協総会 第376回(2)
7対1から療養までの入院料を再編・統合、2018年度は歴史的大改定―中医協総会 第376回(1)
抗菌剤の適正使用推進、地域包括診療料などの算定促進を目指す—第375回 中医協総会(2)
退院支援加算1、「ICT活用した面会」などを弾力的に認める—第375回 中医協総会(1)
安定冠動脈疾患へのPCI、FFR測定などで「機能的虚血」確認を算定要件に—中医協総会374回(1)
地域包括ケア病棟の評価を2分、救命救急1・3でも看護必要度を測定—中医協総会(2)
7対1・10対1基本料を再編・統合し、新たな入院基本料を創設へ―中医協総会(1)
内科などの有床診療所、より柔軟に介護サービス提供可能に―中医協総会(2)
療養病棟入院基本料、2018年度改定で「療養1」に一本化—中医協総会(1)
訪問看護ステーション、さらなる機能強化に向けた報酬見直しを—中医協総会(2)
病院に併設する訪問看護ステーション、手厚く評価をすべきか—中医協総会(1)
診療報酬でも、「同一・隣接建物に住む患者」への訪問で減算などを検討—中医協総会(1)
紹介状なしに外来受診した場合の特別負担、500床未満の病院にも拡大へ—中医協総会(3)
非常勤医師を組み合わせて「常勤」とみなす仕組みを拡大へ—中医協総会(2)
2016年度改定後に一般病院の損益比率は▲4.2%、過去3番目に悪い—中医協総会(1)
保湿剤のヒルドイド、一部に「極めて大量に処方される」ケースも―中医協総会(3)
生活習慣病管理料、エビデンスに基づく診療支援の促進を目指した見直し―中医協総会(2)
ICT機器用いた遠隔診察、対象疾患や要件を絞って慎重に導入を―中医協総会(1)
臓器移植後の長期入院、患者からの「入院料の15%」実費徴収禁止の対象に―中医協総会
要介護者への維持期リハ、介護保険への完全移行「1年延期」へ―中医協総会(2)
回復期リハ病棟のアウトカム評価、次期改定で厳格化すべきか—中医協総会(1)
統合失調症治療薬クロザピン使用促進に向け、精神療養の包括範囲を見直し—中医協総会(2)
向精神薬の処方制限を2018年度改定で強化、薬剤種類数に加え日数も制限へ—中医協総会(1)
医療安全管理部門への「専従医師」配置を診療報酬で評価すべきか―中医協総会(2)
医療体制の体制強化で守れる命がある、妊婦への外来医療など評価充実へ―中医協総会(1)
抗菌薬適正使用に向けた取り組みや医療用麻薬の投与日数をどう考えるか—中医協総会(2)
小児入院医療管理料、がん拠点病院加算と緩和ケア診療加算を出来高評価に—中医協総会
レセプトへの郵便番号記載、症状詳記添付の廃止、Kコードの大幅見直しなど検討—中医協総会
認知症治療病棟でのBPSD対策や入退院支援の在り方などを検討—中医協総会
2018年度から段階的に診療報酬請求事務の効率化や、診療データ活用などを進める—中医協総会
地域包括ケア病棟、「病院の規模」や「7対1の有無」などと関連させた議論に—中医協総会(1)
医療療養2、介護医療院などへの移行に必要な「経過措置」を検討—中医協総会
オンラインでのサービス担当者会議などを可能にし、医療・介護連携の推進を—中医協・介護給付費分科会の意見交換
要介護・維持期リハビリ、介護保険への移行を促すため、診療報酬での評価やめるべきか—中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)
複数医療機関による訪問診療を認めるべきか、患者の状態に応じた在宅医療の報酬をどう考えるか—中医協(1)
かかりつけ薬剤師指導料、対象患者は高齢者や多剤処方患者に絞るべきか—中医協総会(2)
生活習慣病の重症化予防、かかりつけ医と専門医療機関・保険者と医療機関の連携を評価―中医協総会(1)
訪問看護、2018年度同時改定でも事業規模拡大などが論点に―中医協・介護給付費分科会の意見交換(2)
医療機関での看取り前の、関係者間の情報共有などを報酬で評価できないか―中医協・介護給付費分科会の意見交換(1)
7対1・10対1入院基本料、看護配置だけでなくパフォーマンスも評価する報酬体系に―中医協総会(1)
主治医機能に加え、日常生活から在宅までを診る「かかりつけ医機能」を評価へ―中医協総会(1)
2018年度診療報酬改定に向け、臨床現場でのICTやAIの活用をどう考えるか―中医協総会(1)
2018年度改定に向け入院医療の議論も始まる、機能分化に資する入院医療の評価を検討―中医協総会(1)
2018年度改定に向けた議論早くも始まる、第1弾は在宅医療の総論―中医協総会

地域で求められる医療を提供する医療機関を応援―厚労省医療課の林補佐がGHCの2016年度改定セミナーで講演

 
急性白血病等の治療法選択に当たり、新たな遺伝子検査を、2019年2月から保険収載—厚労省

高血圧症治療の3剤配合剤「ミカトリオ」、レセプトに成分薬での併用療法状況などの記載を―厚労省