2019年の10連休、医療機関等は休日加算等を算定可能、また処方日数制限を超えた処方も―厚労省
2019.2.5.(火)
2019年度の10連休において、医療機関は従前どおり休日加算等を算定できる。また、旅行等に出かける患者に対し、処方日数制限を超えた医薬品の処方を行うこともでき、その場合、処方箋に「理由」記載が求められる。
厚生労働省が1月30日に通知「本年4月27日から5月6日までの10連休等の長期連休における診療報酬等の取扱いについて」を発出し、このような点を明確にしました(厚労省のサイトはこちら)。
今上天皇陛下が今年(2019年)4月30日に退位され、皇太子殿下が5月1日に新たな天皇に即位されます。これに伴い、政府は4月27日から5月6日まで「10連休」とすることを決定しました(天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律)。
この10連休における医療提供体制(とくに救急医療)の確保が重要となることから、厚生労働省は1月15日に通知を発出し、地域の医療提供体制を確認・調整し、情報提供することを都道府県知事に要請しました(関連記事はこちら)。
今般、厚労省は、当該10連休に医療機関等が保険診療等を行った場合、休日加算等を従前どおり算定できる旨を明確にしました(平日扱いなどとはならない)。
【A000 初診料】
▼注7の加算:時間外加算(85点、6歳未満の乳幼児では200点)、休日加算(250点、同365点)、深夜加算(480点、同695点)、夜間救急の加算(230点、同345点)
▼注8の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(200点)、休日加算(365点)、深夜加算(695点)
【A001 再診料】
▼注5の加算:時間外加算(65点、6歳未満の乳幼児では130点)、休日加算(190点、同260点)、深夜加算(420点、同590点)、夜間救急の加算(180点、同250点)
▼注6の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(135点)、休日加算(260点)、深夜加算(590点)
【A002 外来診療料】(200床以上の病院で算定)
▼注8の加算:時間外加算(65点、6歳未満の乳幼児では130点)、休日加算(190点、同260点)、深夜加算(420点、同590点)、夜間救急の加算(180点、同250点)
▼注9の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(135点)、休日加算(260点)、深夜加算(590点)
※歯科、調剤も同様
ところで、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」では、投薬・処方箋について次のようなルールが定められています。
【投薬】
新薬や麻薬など厚生労働大臣の定める内服薬・外用薬・注射薬に関する14日・30日・90日の投与日数制限(第20条第2号ヘおよびト、第21条第2号ヘ)
【処方箋】
処方箋の使用期間は「4日以内」とし、長期の旅行等特殊の事情があると認められる場合は、この限りでない
10連休においては薬局等が閉まっていることも考えられ、また患者が長期間の旅行等に出かけることも少なくないでしょう。この場合、医薬品等について上記の制限を超えた日数分の投与(連休が明けるまでの日数分)を行わざるを得ないケースも出てくる可能性があります。こうした場合、医療機関等では、昭和51年(1975年)の厚生省通知「診療報酬請求書等の記載要領等について」に倣い、処方箋の「備考」欄に、当該投与日数制限を超えて投与する【理由】を記載することが求められます。
また、処方箋の有効期間(使用期間)が4日以内のままでは、患者が当該処方箋を用いた調剤を受けられなくなることもあるでしょう。この場合、医療機関では、上記厚生省通知に倣い、処方箋の「使用期間」欄に、当該処方箋を有効とする【年月日】を記載することが求められます。
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