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催奇性のあるレナリドミド製剤の誤投与が発生、医薬品の安全使用手順の徹底を―厚労省

2016.8.9.(火)

 多発性骨髄腫の治療に用いる「レナリドミド製剤」(販売名:レブラミドカプセル5mg)を、投与すべき患者とは別の患者へ誤投与してしまった―。

 こういった医療ミスが発生したことを受け、厚生労働省は4日に都道府県に対して通知「サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミド製剤の院内処方薬の取扱いについて」を発出し、医療機関への注意喚起などを依頼しました。

レナリドミドやサリドマイド、TERMSなど安全管理手順の従業者への徹底も

 医療ミスが生じたのは600床規模の病院で、血液内科病棟において多発性骨髄腫の患者A(60代女性)に投与すべきレナリドミド製剤を、誤って血液がん以外のがん治療で入院している患者B(60代男性)に投与してしまいました。

 看護師Xが患者Aと患者Bの内服薬を同時に準備する差異に、薬袋に患者Bの氏名のみを記載。看護師Zが両方の内服薬を患者Bのものと思い込み、患者Bにレナリドミド製剤を配薬してしまったことが原因です。幸い健康被害は報告されていません。

 

 多発性骨髄腫の治療に用いるレナリドミド製剤やサリドマイド製剤(販売名:サレドカプセル100ほか)、ポマリドミド製剤(販売名:ポマリストカプセル1mgほか)については強い催奇性があることから、胎児暴露による健康被害を二度と起こさないために安全管理の徹底が求められています。

 具体的にはサリドマイド製剤安全管理手順「TERMS」、レブラミド・ポマリスト適正管理手順「RevMate」を関係者が遵守することが必要です。これら手順には、▽処方医師・責任薬剤・患者の登録▽処方・調剤の手順▽薬剤の管理▽製薬メーカー・行政への報告―などについて詳細に規定されています。

 

 厚生労働省は、今般、ミスの発生を重くみて、「TERMS、RevMateの遵守事項を、教育・研修などを通じて、従業者に対してこれらの製剤の取り扱い方法を改めて周知徹底する」よう求めるとともに、次のような対策をとるよう求めています。

▽患者への医薬品の使用にあたっては、各医療機関で定める「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」を確認する(関連記事はこちら

▽特に、医薬品の誤投与などを防止する方策や適正に使用する方法などについて、改めて従業者に周知徹底する(関連記事はこちら

▽医薬品に起因する医療事故などが発生した際には、各医療機関の医療安全管理者、医薬品安全管理責任者らに対して速やかに報告する

▽同時に、医療機関内で情報の共有・注意喚起を行うなど必要な安全管理対策を講じる

 

 事例の生じた病院では、▽入院患者にレナリドミド製剤を配薬する際には「1名の患者に1作業」とする▽配薬の際、本人であることを名前で確認する▽病棟看護師にRevMateの周知徹底をはかるようトレーニングを行う―という再発防止策を図っています。

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