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医療機関自ら検体検査を行う場合、12月以降は医師等を精度確保責任者として配置せよ―厚労省

2018.8.16.(木)

 医療機関自らが検体検査を行う場合、その精度を確保するために医師等を「精度確保責任者」として配置し、内部精度管理の実施、外部精度管理調査の受検、適切な研修の実施などに努めることを求める。また遺伝子関連検査等を行う場合には、医療機関はもちろん検査業者等においても、遺伝子関連業務の経験を持つ医師・臨床検査技師等を「遺伝子関連検査等の責任者」として配置することなどを求める―。

 厚生労働省は8月10日に、通知「医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令の施行について」を発出し、こういった点に向けた体制整備を行うよう求めました(厚労省のサイトはこちら)(関連記事はこちらこちら)。今年(2018年)12月1日から適用されます。

検体検査の精度確保、遺伝子関連検査等の推進に向けて、関連規定を整備

 検体検査について、▼医療機関内で実施する場合の品質・精度管理に関する規定が整備されていない▼検体検査の分類が法律事項となっており、技術革新で新たな検査手法が開発された場合、分類を見直しにくい―などといった課題が指摘されていました。そこで、2017年の医療法等改正において▼医療機関内で実施する検体検査について品質・精度管理規定を設ける▼検体検査の分類を省令事項とするとともに、遺伝子検査などを追加する―との見直しが行われました。

 厚労省は、具体的な精度管理基準などを詰めるために「検体検査の精度管理等に関する検討会」を設置。そこでまとめられた見直し案が社会保障審議会・医療部会で了承されたことを受け、今般、次の4項目について関連通知を発出したものです。新たな規定は、今年(2018年)12月1日から施行されます。医療機関におかれては、それまでに人員体制の整備などに向けた準備を進める必要があります。

(1)病院等(病院、診療所、助産所をさす、以下同)で検体検査を行う場合の精度確保基準
(2)病院等が検体検査業務を行う者に委託する場合の精度確保基準
(3)検体検査分類の見直し
(4)衛生検査所における検体検査の精度確保基準

院内での検体検査にあたっては、人員確保やマニュアル・記録の整備などを実施せよ

まず(1)「病院等が自ら検体検査を行う場合」には、検査の精度を確保するために、(a)構造設備(b)人員配置(c)検査のマニュアルや記録等―を適切に整備するとともに、(d)精度管理や職員への研修実施、を適切に行うよう努めることが求められます((d)は努力義務)。

このうち(b)の人員配置については、「検体検査の精度確保に係る責任者」として、医師・歯科医師、臨床検査技師(当面、いわゆる衛生検査技師でも可)を置くことが必要となります。厚労省は、衛生検査所の精度管理責任者では「検体検査業務の実務経験6年以上かつ精度管理の実務経験3年以上」という基準が設定されていることを参考に、医師や臨床検査技師を院内の検体検査精度確保責任者として選任するよう要望しています(当該経験は必須要件でなく、「望ましい」要件である)。ただし、後述するように院内で遺伝子・染色体検査を実施する場合には、特別の要件が設定されます。

 
 また(c)の検査マニュアル・記録については、次のようなものを整備することが必要です。院内の状況を踏まえて適宜、統合することも可能ですが、これらの整備や記載が不十分な場合には、指導等の対象になる可能性があります。

▼標準作業書
・「検査機器保守管理標準作業書」(医療機器の添付文書や取扱説明書でも可)
・検査項目ごとに、測定方法や検査手順、基準範囲、検査室の環境条件、測定上の注意事項などを記載した「測定標準作業書」
▼作業日誌(週、月単位での記録が望ましい)
・保守点検の日時や内容などを記載する「検査機器保守管理作業日誌」
・検査の実施状況やエラー状況などを記載する「測定作業日誌」
▼台帳
・試薬の数量や有効期限などを記載する「試薬台帳」
・内部精度管理結果や研修状況などを記載する「統計学的精度管理台帳」、
・外部の精度管理受検状況などを記載する「外部精度管理台帳」(外部精度管理調査業者の報告書でも可)

 
 (d)は「内部精度管理」「外部精度管理」「研修」の3項目に分けることができます。

内部精度管理とは、院内での検体検査の精度を確保するために実施すべき「自己点検」と言えるでしょう。厚労省は、「日々の検査・測定作業の開始に当たり、機器や試薬について『狂いがないか』『精度が保たれているか』をチェック(較正)する」「自院の管理試料等の同一検体を繰り返し検査した時の『結果のばらつき』の度合いを定期的に記録・確認し、検査結果の精度を確保する」ことなどを求めています。(c)にあるとおり、内部精度管理の結果は台帳に記録することが必要です。

外部精度管理は、日本医師会や日本臨床衛生検査技師会、日本衛生検査所協会等が行う調査を受検することを意味します。(c)にあるとおり、外部精度管理の受検状況やその結果は台帳に記録することが必要です。

また研修は、「各標準作業書の記載事項」や「患者の秘密の保持」に掲げる事項を含めたものであることが必要で、院内研修はもちろん、外部(自治体や学術団体などの研修会、報告会、学会など)の教育研修機会を活用することが重要です。

遺伝子関連検査を院内で実施する場合には、より厳格な基準を遵守せよ

 ところで、院内で遺伝子関連・染色体検査を実施する場合には、精度管理や情報管理などに特別の配慮が必要となるため、「遺伝子関連・染色体検査の精度確保責任者」として、医師、臨床検査技師、遺伝子関連・染色体検査の専門知識・経験を有する多職種を配置することが必要となります((b)の「精度確保責任者」との兼任可)。

 ▼大学院▼大学▼短期大学▼専門学校▼高等専門学校—で分子生物学関連科目(分子生物学、遺伝子検査学、細胞遺伝学、人類遺伝学、微生物学、生化学、免疫学、血液学、生理学、病理学、解剖学、動物細胞工学、生物科学など)を履修し、検体検査業務の実務経験3年以上・精度管理の実務経験3年以上を持つ人物を選任することが望まれます。

 また、院内で遺伝子関連・染色体検査を実施する場合には、(d)の精度管理・研修が必須要件となります。ただし、外部精度管理については、体制が整っていない検査項目もあるため、これらについては、例えば「他病院、衛生検査所、大学等の研究機関と連携し、それぞれが保管・保有する検体を用いて相互に検査結果を比較し、検査・測定方法の妥当性を確認
する」などの方法で精度確保に努めることが必要です。

 さらにISO15189などの第三者認定の取得に努めることも必要となります。

検体検査業者においても、精度確保に向けて厳格な基準を遵守せよ

 次に(2)の「検体検査業者の精度確保基準」を見ると、新たに、「精度確保責任者」の配置、必要な「検査用機械器具」の保有、記録の整備に関する規定が整備されました。

「精度確保責任者」としては、上述した「院内で遺伝子関連・染色体検査」を行う場合の精度確保責任者と同等の経験を有する者を選任することが必要となります。具体的には、▼大学院▼大学▼短期大学▼専門学校▼高等専門学校—で分子生物学関連科目(分子生物学、遺伝子検査学、細胞遺伝学、人類遺伝学、微生物学、生化学、免疫学、血液学、生理学、病理学、解剖学、動物細胞工学、生物科学など)を履修し、検体検査業務の実務経験3年以上・精度管理の実務経験3年以上を持つ人物の配置が必要となります。

遺伝子関連検査を検体検査の一分類として明確化

 一方、(3)は医療・科学技術の革新を踏まえ、検体検査の中に「遺伝子関連・染色体検査」を明確に位置付けるとともに、一次分類・二次分類を整理・統合しています。また、これまで法律に位置付けられていた分類を、省令事項として、今後の技術革新で新たな検査手法が登場した場合には、迅速に追加することが可能となりました。

 がんゲノム医療を始め、患者の遺伝子情報を踏まえ、より効果的・効率な治療を実現するために「遺伝子関連・染色体検査」の重要性が今後、さらに増していくことになるでしょう。
検体検査に関する医療法施行規則の見直し 180810の図表
 
 なお、(4)では衛生検査所における検査の精度をさらに高めるために、▼院内で遺伝子関連・染色体検査を実施する場合の精度確保責任者と同等の経験を持つ人物を「精度確保責任者」として配置する▼検体検査分類の見直しに伴い、必要な医師・臨床検査技師の配置、必要な検査室・機器等を整備する▼標準作業者や台帳の整備・記載を行う―ことが求められます。

 
 

 

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