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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

2017年の結核罹患率は13.3で前年から0.6ポイントダウンするも、地域格差は依然大きい―厚労省

2018.8.28.(火)

 2017年の結核罹患率は13.3で前年から0.6ポイントダウンしたが、都道府県別にみると最高は大阪府の21.3、最低は宮城県の7.2で、依然として地域格差は大きい―。

 厚生労働省が8月28日に公表した、2017年の「結核登録者情報調査年報集計結果」からこういった状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

大阪市に限れば罹患率は32.4と非常に高い

 結核は、現在でも年間2万人以上が新たに罹患する慢性感染症です。厚労省は毎年、前年1月1日から12月31日に新たに登録された結核患者と潜在性結核感染症(LTBI)などの状況をまとめ公表しています。

 2017年の罹患率(人口10万対)は13.3で、前年に比べて0.6ポイント減少しましたが、先進諸国に比べて非常に高い状況が続いています。
2017年結核登録者情報調査年報1 180828
2017年結核登録者情報調査年報2 180828
 
 都道府県別に見ると、大阪府が最も高く21.3(前年に比べて0.7ポイント減)、▼長崎県:16.8(前年に比べて0.9ポイント増)▼東京都:16.1(同1.1ポイント減)▼兵庫県:15.9(同0.6ポイント増)▼徳島県:15.9(同0.1ポイント減)—などで高くなっています。一方、もっとも低いのは宮城県の7.2(同0.7ポイント減)で、▼福島県:7.3ポイント(同1.3ポイント減)▼山形県:7.4(同0.2ポイント増)▼秋田県:8.0(同0.5ポイント減)▼長野県:8.1(同0.2ポイント増)—などで低くなっています。
2017年結核登録者情報調査年報4 180828
 
 また大阪府の中でも、大阪市の罹患率は32.4となっています(同0.4ポイント減)。

結核による死亡率、死因統計の分類見直しで1.8に上昇

 次に、結核による死亡状況を見てみると、2017年は2303人(概数)が結核で死亡。前年に比べて411人と大幅に増加していますが、これは「人口動態統計で死因統計に使用する分類を変更した」ことに伴うものです。あわせて、死亡率(人口10万対)は1.8で、前年より0.3ポイント上昇しました。

 
また、年齢階級別に新登録結核患者数を見ると、「80-89歳」が最も多く4822人(新登録者全体に占める割合は28.7%)、次いで「70-79歳」の3187人(同19.0%)、「60-69歳」の2024人(同12.1%)、「90歳以上」の1904人(同11.3%)と高齢者が多くなっています。しかし、「20-29歳」の1231人(同7.3%)も多くなっており、注意喚起がこれまで以上に求められそうです。
2017年結核登録者情報調査年報3 180828
 
 さらに、薬剤耐性菌の状況を見てみると、新登録肺結核培養陽性結核患者9580人のうち「多剤耐性肺結核患者数」(INH、RFP両剤耐性の者)は52人で、前年より3人増加しています。新登録肺結核培養陽性結核患者に占める多剤耐性結核割合は0.5%で、前年から変化ありません。

 
 
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