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「複数の医療療養2」から「医療療養1と介護医療院」への転換で増益見込めるケースも―福祉医療機構

2019.4.9.(火)

 介護療養や医療療養などから「介護医療院」への転換には、事務手続き等に想像以上の時間がかかることもあるため、【移行定着支援加算】の算定を睨んだとき、早めに転換手続きを進める必要がある。また、介護医療院への転換により増益となるケースもあれば、減益となるケースもあり、戦略的な転換が必要である―。

 福祉医療機構(WAM)が3月29日に公表した、「介護医療院の開設状況等について」から、こういった点が明らかになりました(WAMのサイトはこちら)。

転換型老健、すでに介護療養から老健へ転換しており、介護医療院への転換が比較的円滑

 「介護療養病床」と「医療法上の看護配置4対1以上を満たさない病院」(主に25対1医療療養)は、設置根拠となる経過措置が終了しており、現在は「他の病床等への転換期間」として存続しています。このため2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定では、介護療養や25対1医療療養から他病床等への転換を促すような見直しが行われ、その一環として新たな介護保険施設「介護医療院」の報酬や構造設備基準が設定されました(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

WAMでは療養病床に対するアンケートの実施や、フォローアップ調査などを実施し、今般、介護医療院への転換状況や特徴などを整理しています。

まず厚生労働省による、2018年12月末時点の介護医療院の整備状況を見ると、全国で113施設の介護医療院が開設され、その内訳は▼I型(機能強化型の介護療養病床相当):68施設▼II型(転換型老健相当):43施設▼I型とII型の混合:2施設―となっています。

転換元については、「介護療養」がもっとも多く、次いで「転換型老健」(療養型老健)です。転換型老健の2割近くが介護医療院へ転換していますが、この背景についてWAMでは、▼II型介護医療院の単位数が療養型老健よりも若干高い▼転換型老健は、すでに一度、介護療養からの転換を経ており、要件や事務手続き、役職員の認識・心理的ハードルなどの点で、比較的対応しやすい―ことがあると見ています。
介護医療院の開設状況等(WAM)1 190329
 

医療療養2、患者・スタッフを集約し、医療療養1と介護医療院のミックスへの転換も

介護医療院への転換は、上述のように設置根拠の消滅した「介護療養」と「医療療養」からと期待されました。介護医療院の報酬設定前に実施した調査で「介護医療院への転換」意向を示していた33病院についてWAMはフォローアップ調査を行っています。

結果を見ると、▼実際に介護医療院へ転換した:6病院▼今後、介護医療院へ転換予定:12病院▼検討中:8病院▼当面転換しない:4病院▼別病棟へ転換済:3病院―となっています。
介護医療院の開設状況等(WAM)2 190329
介護医療院の開設状況等(WAM)3 190329
 
既に転換済の6病院の中には、「2つの医療療養2を、医療療養1とII型介護医療院へと転換する」ケースがあります。重症な患者おより医療スタッフを片方の病棟に集約して「医療療養1」の基準をクリアするとともに、片方の病棟について生活環境を向上するものです。

また、転換予定の病院の中には、「2018年度の早い段階から転換を予定していた」ところもあります。しかし、▼自治体との調整▼転換に関する補助金を利用する場合には、補助金の要綱制定や議会承認などの手続き―などに思いのほか時間がかかり、転換が実現していないようです。

介護医療院への転換インセンティブの1つに【移行定着支援加算】(1日につき93単位、1年間のみ算定可能)があります。算定可能機関は2021年3月までであり、1年分すべてを算定するためには2019年度中に転換することが必須となります。WAMでは、「行政手続きに関しては複数の部署と、かつ、同時並行的な調整が必要なことから、想像以上に時間を要することが多い」「十分な準備と、進捗状況の管理が必要」と注意喚起しています(関連記事はこちら)。

また、多床室における「プライバシーの確保」のための間仕切り家具・パーティションについては、明確な基準がないものの、「概ね高さ150-170cm程度、家具の厚みも一定程度あるもの、もしくは固定されたもの(倒れない)」という共通点がある、といった技術的な助言もしています。

 
 なお、転換後の経営状況に関しては、移行定着支援加算を除けば、増益のケースと減益のケースが混在しており、戦略的な転換を目指す必要があります。

例えば上述した「2つの医療療養2を、医療療養1とII型介護医療院へと転換する」ケースでは、医療療養2の平均単価は、▼医療区分2・3:約1万9000円▼医療区分1:約1万3000円―ですが、片方を医療療養1に転換することで、単価は2万685円に上昇し、また片方を介護医療院とすることで単価は「少なくとも1万4251円(機能強化でない介護療養)以上」になると考えられ、全体としての増益が見込まれます。

 
 

 

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