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2020年度の後発品品質確保試験、36成分・528品目を対象に実施し「100%の適合」を確認―厚労省

2022.3.14.(月)

後発医薬品の品質を検査したところ、▼シロドシン錠4mg「TCK」(前立腺肥大症に伴う排尿障害治療に用いる)▼シロドシン錠4mg「YD」(同)▼ニトレンジピン錠5mg「NP」(高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症の治療に用いる)―で規格不適合がみられたが、メーカー側の再試験で適合が確認されている―。

この結果、2020年度には「規格不適合」となった後発品は見つからなかった―。

厚生労働省は3月22日に、2020年度の「後発医薬品品質確保対策事業」検査結果報告書を公表し、こうした点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。不適合となった医薬品は、メーカーが自主回収を行っています。

2成分・3品目で不適合が見つかったが、メーカーの再試験で「適合」を確認

高齢化や医療技術の高度化などにより医療費が増加しており、医療保険財政が厳しくなるとともに、我が国の財政を圧迫しています。

医療技術の高度化(例えば脊髄性筋萎縮症の治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(1億6707万円)白血病等治療薬「キムリア」(3350万円)などの超高額薬剤の保険適用が相次ぎ、さらにキムリアに類似した、やはり超高額な血液がん治療薬も次々に登場)が進み、医療費は大きく膨張を続けています。

また、少子高齢化の進展(来年度(2022年度)から団塊世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者となる。その後2040年度にかけて高齢者の増加ペース自体は鈍化するが、現役世代人口が急速に減少する)により、やはり医療費は膨張し、その一方で支え手となる現役世代が減少していきます。

このように、我が国の医療保険財政は厳しさを増しており、「医療費の伸びを、我々国民が負担できる水準に抑える」(医療費適正化)ための取り組みが欠かせない状況となっています。その一環として、先発品と効能効果が同じで安価な後発品の使用促進が求められています。

ただし後発品については、医療関係者や患者の間に「不信感がある」との調査結果もあり(関連記事はこちら)、厚労省は信頼性確保に向けて、「後発品品質確保対策事業」に基づいて品質検査を毎年度実施し、その結果を公表しています(2008年度から)。

2020年度には、インフリキシマブ(遺伝子組換え)、トラスツズマブ(遺伝子組換え)、リツキシマブ(遺伝子組換え)などの計36有効成分を含む528品目の後発品を対象に、溶出試験や定量試験などの品質検査が行われました。

溶出試験は、いわば「決められた時間内に、決められた量の有効成分が溶け出すか」を調べるもので、2020年度は26成分・428品目を対象に実施されました。その結果、次の3品目について規格値を下回ることが判明しました。

▼シロドシン錠4mg「TCK」(前立腺肥大症に伴う排尿障害治療に用いる、辰巳化学社)
▼シロドシン錠4mg「YD」(同、陽進堂社)
▼ニトレンジピン錠5mg「NP」(高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症の治療に用いる、ニプロ社)

ただし、後にメーカーサイドで再度試験を行ったところ「規格値に適合」していました。両試験は適切に行われ、また、都道府県によるメーカー等への立ち入り検査では「溶出性の影響を与えるような問題」は確認されていません。このため「対象全品目で適合している」と考えることができます。



また崩壊・定量・力価試験は、いわば「当該医薬品に、有効成分が定められた量含まれているか」を調べるもので、2020年度は9成分・95品目を対象に実施されました。すべて規格に適合していることが判明しています。



一方、バイオ後続品では、生物活性等試験(細胞の増殖や分化、受容体結合活性、酵素活性等の臨床効果と密接に関連する試験管内での生物活性についての比較試験)が行われます。バイオ医薬品は複雑な構造を持ちますが、高次構造までの試験法が難しく、「生物活性」を比較することで代替するものと言えます。2020年度は3成分・5品目を対象に実施され、すべて規格に適合していることがわかりました。



適合率は、2017年度に99.6%でしたが、18年度:100%、19年度:100%、20年度:100%と100%を維持しています。



後発医薬品をめぐっては「一部メーカーによる不祥事」(関連記事はこちらこちら)などに端を発し、供給停止・出荷調整が頻発(A医薬品が出荷停止になると、代替薬であるA1医薬品のニーズが高まり品薄になる、そして次なる代替品A2医薬品のニーズが高まり・・・と連鎖していく)。このため医療機関・薬局の責に帰せない事情により「後発品割合を維持・向上することが困難」な状況が生じているのです。

一刻も早い「後発品の信頼回復」→「供給不安の解消」に期待が集まります。



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