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運動器やロコモなどの用語認知度は依然低い!「骨粗鬆症→骨折」防止のために日常的に体を動かす人の割合はやや増加!

2023.4.13.(木)

運動器やロコモティブシンドロームなどの用語について認知度(聞いたことがある)や理解度(意味をしっている)は依然として低い—。

男女とも年齢が上がるにつれて「家の中でつまづきやすい」「階段をのぼるのに手すりが必要である」「片脚立ちで靴下をはけない」人の割合が高くなる状況に変化はない—。

骨粗鬆症に伴って軽度な外力(転倒など)で生じてしまう脆弱性骨折を避けるために「日常から軽度な運動などを行っている」人が増加している—。

「運動器の健康・日本協会」が4月6日に公表した2023年度の「ロコモティブシンドローム」認知度調査報告書からこうした状況が明らかになりました(協会のサイトはこちら)(前年度調査の記事はこちら)。

運動器やロコモティブシンドロームなどの用語認知度は依然として低い

ロコモティブシンドロームは、「運動器(運動に関わる骨、筋肉、関節、神経など)症候群、骨・筋肉・関節などの運動器の障害のために移動機能を低下した状態」と一般に定義されます。日本医学会連合では、ロコモティブシンドロームやフレイル(虚弱)が健康寿命の短縮・要介護状態を引き起こす危険な状態であるが、予防・改善が可能であり、国全体が一丸となって「80歳までの活動性維持」を目指す80GO運動を展開する考えを強く打ち出しています(関連記事はこちら)。

しかし、「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」や「運動器」などは専門用語であり、一般国民には「なじみが薄い」「なんのことか分からない」のが実際でしょう。

運動器の健康づくりを通して、医学・医療、保健、教育、福祉などの充実・発展・振興を図り、活力ある社会の実現に寄与する活動を続ける「運動器の健康・日本協会」では、20-60歳代の国民を対象に「ロコモティブシンドローム」などの認知度や不安などを毎年、調査。今般、2022年度調査の結果が公表されました。

まず、「運動器」(身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称)という言葉については、次のように循環器や泌尿器、呼吸器などに比べて認知度が低く、また前年度調査に比べて「下がっている」状況です。

▽「理解している」(意味を知っている)人
▼運動器:26.1%(前年度調査から1.4ポイント低下)
▼循環器:56.3%(同1.7ポイント低下)
▼泌尿器:62.2%(同1.5ポイント低下)
▼消化器:65.5%(同2.1ポイント低下)
▼呼吸器:64.5%(同2.2ポイント低下)

▽「認知している」(聞いたことがある)人
▼運動器:50.1%(前年度調査から1.3ポイント低下)
▼循環器:91.6%(同0.3ポイント低下)
▼泌尿器:92.3%(同0.1ポイント上昇)
▼消化器:94.3%(同0.2ポイント上昇)
▼呼吸器:93.9%(同0.1ポイント上昇)

運動器の認知度(2023年度ロコモ認知度調査1 230406)



また「ロコモティブシンドローム」という言葉についても、「理解している」(意味を知っている)人は17.8%(前年度調査から1.3ポイント低下)、「認知している」(聞いたことがある)人は41.5%(前年度調査から1.0ポイント低下)にとどまっています。

ロコモティブシンドロームの認知度(2023年度ロコモ認知度調査2 230406)



ロコモ対策などを進めるうえで、こうした「用語の認知度が低い」状況は大きな阻害要因となります。「運動器やロコモといった言葉のPR」や「用語の見直し」(より馴染みやすい平易な言葉に置き換える)などを検討していく必要があるでしょう。



また、本人が「ロコモティブシンドローム」にどの程度の不安を感じているかを見ると、全体では「すでに該当している」が2.2%(前年度調査から0.3ポイント上昇)、「不安をかなり感じる」「不安をやや感じる」が合計で40.7%(同0.3ポイント低下)となりました。また、年齢があがるほど不安を感じる割合が高くなり、さらに男性よりも女性の方が不安を感じている割合が高くなっています(前年度調査と同じ傾向)。

ロコモ不安度(2023年度ロコモ認知度調査3 230406)

70歳を過ぎると、家の中でつまづきやすく、階段昇降に手すりが必要になる割合が高い

次に「ロコチェック」の状況を見てみましょう。ロコチェックとは「7つの項目をチェックし、ロコモティブシンドロームの該当性を判断する」もの。1つでも当てはまればロコモティブシンドロームの可能性があります。

2023年度の調査では、次のような状況が明らかになりました。前年度調査に比べて「ロコモティブシンドロームの可能性がある人」が増えているようです。
▽家の中でつまづいたり滑ったりする:15.6%(前年度調査から1.0ポイント上昇)
▽階段を上るのに⼿すりが必要である:12.0%(同1.1ポイント上昇)
▽15分くらい続けて歩けない:4.3%(同0.2ポイント上昇)
▽横断歩道を⻘信号で渡りきれない:2.3%(同0.3ポイント上昇)
▽⽚脚⽴ちで靴下が履けない:14.3%(同0.3ポイント上昇)
▽2kg程度の買い物(1リットルの⽜乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である:4.7%(同0.6ポイント上昇)
▽家のやや重い仕事(掃除機の使⽤、布団の上げ下ろしなど)が困難である:5.3%(同0.7ポイント上昇)

ロコチェック該当状況(2023年度ロコモ認知度調査4 230406)



また、ロコチェックに1つでも該当する人の割合は28.7%(前年度調査から1.3ポイント上昇)で、性・年齢別等に見ると▼男女とも70代以上では約5割が該当する▼50代以上は37.7%が該当する▼「ロコモ不安がある」(上述)者では48.2%が該当する—状況です。

さらに該当割合の高い項目について見ると、次のような状況が浮上してきました。

▽家の中でつまづいたり滑ったりする
→男性は70歳以上、女性は60代以上になると「あてはまる」のスコアが2割近くになる

家の中でつまづくか(2023年度ロコモ認知度調査5 230406)



▽階段を上るのに⼿すりが必要である
→男女ともに年代が上がるにつれて「あてはまる」が高くなり、70歳以上の男性では23.8%(前年度調査から0.3ポイント上昇)、70歳以上の女性では30.5%(同0.4ポイント低下)が該当する

階段を上がるときに手すりが必要か(2023年度ロコモ認知度調査6 230406)



▽⽚脚⽴ちで靴下が履けない
→男女ともに概ね年代が上がるほど「あてはまる」が高くなり、70歳以上の男性では35.3%(前年度調査から0.6ポイント上昇)、70歳以上の女性では25.2%(同5.4ポイント低下)が該当する

片足立ちで靴下をはけるのか(2023年度ロコモ認知度調査7 230406)

「骨粗鬆症→骨折」防止のために、体を日常的に動かすことなどが重要

また、「骨粗鬆症」の認知度は非常に高い(意味を理解している:65.7%(前年度調査から2.1ポイント低下)、聞いたことがある83.3%(同1.3ポイント低下))ものの、骨粗鬆症を背景に軽度の外力で生じてしまう「脆弱性骨折」の認知度はやや低くなっています。



さらに「脆弱性骨折がどの部位で生じやすいのか」を知っているかどうかを見ると、▼背⾻:28.4%(前年度調査から0.9ポイント低下)▼⼿⾸:29.1%(同0.2ポイント低下)▼肩・腕の付け根:18.6%(同0.3ポイント上昇)▼太ももの付け根:30.1%(同0.2ポイント低下)—にとどまり、「ひとつも知らなかった」が50.4%(同0.5ポイント上昇)と半数を占めています。

骨密度の低くなった高齢者が、前向きに転倒した場合には手首や肩で骨折が生じやすく(腕をつく際に骨折)、逆に尻もちをつく格好で転倒した場合には大腿骨頸部の骨折が生じやすくなります。また、骨粗鬆症が進めば自重で背骨などを骨折してしまうこともある点に留意が必要です。

脆弱性骨折の認知度(2023年度ロコモ認知度調査8 230406)



他方、転倒防止に役立つことの認知度を見ると次のような状況です。
▽⽇常⽣活で体をよく動かす:93.4%(前年度調査から5.1ポイント上昇)
▽外に出て⽇光を浴びるように⼼がける:80.2%(同3.8ポイント上昇)
▽無理なく楽しいエクササイズを⻑く続ける:63.7%(同1.4ポイント低下)
▽こまめに⽔を飲む:46.7%(同3.3ポイント上昇)
▽裸⾜になったり、⿐緒のある履物を履くなど⾜の裏の感性を磨く:42.5%(同2.3ポイント低下)
▽⽚脚が痛いとき反対側に杖を突く:18.4%(同3.3ポイント上昇)

また、「どれも知らなかった」は2.4%にとどまっています(同0.9ポイント低下)。

上述の「つまづきやすい」人が高齢になると増加してくる点を踏まえれば、脆弱性骨折→要介護状態に進みやすい人が増えていくことを意味し、様々な情報を分かりやすく丁寧に高齢者に伝えるとともに、「実践をサポートしていく」取り組みが非常に重要なことがわかります。徐々に「高齢者への情報伝達が進んでいる」状況が今般の調査から伺うことができます。



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