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病院経営は逼迫、WAMによる「1病院10億円程度の緊急融資」創設を―四病協

2018.1.26.(金)

 昨今、病院の経営が極めて厳しいことが各種調査で明らかになっている。民間病院の経営難を救済するために、福祉医療機構において「1病院当たり10億円程度」の長期運転資金貸付制度を設けてほしい—。

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会で構成される四病院団体協議会は1月24日、こうした要望を加藤勝信厚生労働大臣に宛てて行う方針を決定しました。

12月20日の四病院団体協議会の会合後に記者会見に臨んだ、日本病院会の相澤孝夫会長

1月24日の四病院団体協議会の会合後に記者会見に臨んだ、日本病院会の相澤孝夫会長

民間病院を対象に、「1病院当たり10億円程度」の長期運転資金融資をしてほしい

 中央社会保険医療協議会・総会で、昨年(2017年)11月8日に報告された第21回医療経済実態調査によれば、一般病院全体の損益(医業収益+介護収益-医業・介護費用)比率は、2015年度(2016年度診療報酬改定前)には▲3.7%でしたが、改定後の2016年度には▲4.2%で、0.5ポイント悪化していることが分かりました。これは「過去三番目に悪い数字」です(厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室の矢田貝泰之室長)(関連記事はこちら)。

一般病院全体の経営状況、損益比率はマイナス4.2%、つまり赤字で、過去3番目に悪い数字のようだ

一般病院全体の経営状況、損益比率はマイナス4.2%、つまり赤字で、過去3番目に悪い数字のようだ

 
 また福祉医療機構が、同じく昨年(2017年)12月26日に公表したリサーチレポート「平成28年度病院の経営状況について」では、一般病院の医業収益対医業利益率(病院の収益性を表す)は、2015年度には1.1%でしたが、2016年度(前回診療報酬改定後)には0.3%となり、0.8ポイント悪化していることも報告されました。人件費をはじめとするコスト増に、収益増が追いつかないためです(関連記事はこちら)。
病院類型別の医業収益対医業利益率は、精神科病院を除いて前年度から悪化している

病院類型別の医業収益対医業利益率は、精神科病院を除いて前年度から悪化している

 
 このように各種データから病院経営が厳しいことが明らかになり、2018年度の次期診療報酬改定では、診療報酬本体について0.55%(医科に限れば0.63%)のプラス改定が行われますが(関連記事はこちら)、これは「全病院の収益を0.55%向上させる」ものではありません。

 四病協では「経営悪化の数字により、民間金融機関の融資は消極的になると考えられる」とし、加藤厚労相に対し「福祉医療機構から、補助金などのない民間病院の経営難を救済する緊急融資として、『1病院当たり10億円程度』の長期運転資金貸付制度を創設してほしい。このための予算措置の配慮をしてほしい」と要望する方針を決定しました。

 1月24日に記者会見を行った日本病院会の相澤孝夫会長は、「薬価制度の抜本改革や、2018年度の薬価・材料価格改定で、医薬品・医療機器卸との価格交渉が難しくなるのではないか。そうなれば医薬品等の購入価格が高止まりし、とくに医薬品や医療材料を多く使用しなければならない急性期の大規模病院で経営がさらに厳しくなると考えられる」と見通します。

 さらに、昨今の雇用情勢や医療従事者の働き方改革などにより、病院における「人件費」は増加しており、これが病院経営を圧迫する最大の要因になっていると指摘されます。相澤日病会長は「早急に、加藤厚労相に宛てて『なんとか病院を助けてほしい』との声を届けたい」と説明しました。

 

 

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