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2016年度の後発品品質確保試験、3成分・3品目が不適合―厚労省

2018.6.22.(金)

 後発医薬品の品質を検査したところ、▼アルベカシン感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による敗血症・肺炎の治療に用いる【アルベカシン硫酸塩注射液75mg「HK」】▼ブドウ球菌属やレンサ球菌属によるリンパ管・リンパ節炎・咽頭・喉頭炎・扁桃炎・急性気管支炎・肺炎などの治療に用いる【クラリスロマイシンDS10%小児用「日医工」】▼パーキンソン病・パーキンソン症候群の治療に用いる【パーキストン配合錠L250】—の3成分・3品目が不適合となった―。

 厚生労働省は6月22日に、2016年度の「後発医薬品品質確保対策事業」検査結果報告書を公表し、こうした点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。不適合となった医薬品は、メーカーが自主回収を行っています。

溶出試験、定量試験など、検査対象の後発品の一部でクリアできず

 高齢化や医療技術の高度化などにより医療費が増加しており、医療保険財政が厳しくなるとともに、我が国の財政を圧迫していると指摘されます。このため、医療費の伸びを、国民の負担できる水準に抑えるための「医療費適正化」対策が進められています。その一環として、先発品と効能効果が同じで安価な後発品の使用促進が求められています(関連記事はこちらこちらこちら)。

ただし、後発品については、医療関係者や患者の間に「不信感がある」との調査結果もあり(関連記事はこちら)、厚労省は信頼性確保に向けて、「後発品品質確保対策事業」に基づいて品質検査を毎年度実施し、その結果を公表しています(2008年度から)。

2016年度には、アスピリンやイブプロフェン、クラリスロマイシン、ジクロフェナクナトリウムなど52有効成分を含む890品目の後発品を対象として、溶出試験や定量試験などの品質検査が行われました。

 溶出試験は、いわば「決められた時間内に、決められた量の有効成分が溶け出すか」を調べるもので、2016年度は32成分・596品目を対象に実施されました。その結果、パーキンソン病・パーキンソン症候群の治療に用いる【パーキストン配合錠L250】について、規格値をクリアできないことが判明。メーカーでは自主回収を実施(2017年4月に回収終了)するとともに、製造工程の改善を行っています。

  
 また、定量・力価試験は、いわば「当該医薬品に、有効成分が定められた量含まれているか」を調べるもので、2016年度は21成分・294品目を対象に実施されました。その結果、次の2成分・2品目について不適合であることが判明。メーカーでは自主回収を実施(2017年中に回収終了)するとともに、製造工程の改善を行っています。

▽アルベカシン感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による敗血症・肺炎の治療に用いる【アルベカシン硫酸塩注射液75mg「HK」】

▽ブドウ球菌属やレンサ球菌属によるリンパ管・リンパ節炎・咽頭・喉頭炎・扁桃炎・急性気管支炎・肺炎などの治療に用いる【クラリスロマイシンDS10%小児用「日医工」】

 なお、この試験では、高カルシウム血症・骨ページェット病の治療に用いる【エルカトニン注40単位「NP」】において、検体の使用期限が切れていたため「判定不能」との判断がなされています。本品目は、2017年度以降の検査で試験対象となる予定です。

2016年度の後発品品質確保試験では、「5」のアルベカシン硫酸塩、「16」のクラリスロマイシン、「52」のレボドパ・カルビドパ水和物で不適合製品がみつかった。また「9」のエルカトニンでは、使用期限切れで「判定不能」となった医薬品もあった(その1)

2016年度の後発品品質確保試験では、「5」のアルベカシン硫酸塩、「16」のクラリスロマイシン、「52」のレボドパ・カルビドパ水和物で不適合製品がみつかった。また「9」のエルカトニンでは、使用期限切れで「判定不能」となった医薬品もあった(その1)

2016年度の後発品品質確保試験では、「5」のアルベカシン硫酸塩、「16」のクラリスロマイシン、「52」のレボドパ・カルビドパ水和物で不適合製品がみつかった。また「9」のエルカトニンでは、使用期限切れで「判定不能」となった医薬品もあった(その2)

2016年度の後発品品質確保試験では、「5」のアルベカシン硫酸塩、「16」のクラリスロマイシン、「52」のレボドパ・カルビドパ水和物で不適合製品がみつかった。また「9」のエルカトニンでは、使用期限切れで「判定不能」となった医薬品もあった(その2)

 
 
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