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子宮がん等治療に用いるヒスロンH錠等、子宮内膜異型増殖症への投与を審査上認める―支払基金・厚労省

2020.3.2.(月)

「メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(内服薬)」(ヒスロンH錠ほか)を子宮内膜異型増殖症治療に、「ポリドカノール(注射薬)」(エトキシスクレロール、ポリドカスクレロール)を消化管出血治療に、「アジスロマイシン水和物(内服薬)」(ジスロマック錠ほか)を肺非結核性抗酸菌症治療に用いることを審査上認める―。

またレボドパの注射薬を、レボドパ製剤の経口投与ができないパーキンソン病、パーキンソン症候群患者に処方することを審査上認める―。

こうした審査情報を社会保険診療報酬支払基金(支払基金)が2月26日に公表しました(支払基金の審査情報提供サイトはこちら(ページの最終部分に、今回の事例が追加された))。厚生労働省も同日に、事務連絡「医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて」を関係団体等に向けて行っています。

薬理作用等に照らし、審査における「医薬品使用の柔軟な取扱い」を一定程度認める

保険診療において、医薬品の使用は「薬事・食品衛生審議会(薬食審)で有効性・安全性が認められた傷病」に限定されています。医療安全を確保すると同時に、医療保険財源を適正に配分するためです。

ただし医療現場では、「医学的・薬学的知見に照らし、薬食審で認められていない傷病にも一定の効果がある」と強く推測されるケースがあり、レセプト審査において一定の柔軟な対応がなされています(いわゆる「55年通知」(旧厚生省保険局長による1980年(昭和55年)発出の通知)に基づく適応外使用など)。

一方、地方独自の審査ルール(都道府県ルール、例えば「山間部などでは冬期に高齢者の通院が困難になるので、薬剤の1回処方量を多くすることを認めている」「地域によって、疾患別リハビリテーションを1日6単位までしか認めない(診療報酬点数上は9単位まで算定可能)」など)の存在が知られていますが、これが横行すれば「全国一律の診療報酬」という大原則に反し、さらに審査の透明性確保がかなわなくなってしまいます(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

そこで支払基金では、審査ルールを明確にし、適宜、医療関係者らに情報提供しています(支払基金の審査情報提供サイトはこちら(ページの最終部分に、今回の事例が追加された))(関連記事はこちらこちらこちら こちら)。。

今般、支払基金は次の4つの審査ルールを明確にしました。

(1)「メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(内服薬)」(販売名:ヒスロンH錠200㎎、ほか後発品あり)について、「子宮内膜異型増殖症」に対する処方を審査上認める。ただし、現在承認されている効能・効果、用法・用量に照らし、「プロベラ錠2.5㎎」「ヒスロン錠5」は今回の対象から除外(子宮内膜異型増殖症への処方は適応外で、保険診療の対象とならない)

(2)「ポリドカノール(注射薬)」(販売名:エトキシスクレロール1%注射液、ポリドカスクレロール0.5%注2mL、同1%注2mL、同3%注2mL)について、「消化管出血」に対する処方を審査上認める

(3)「レボドパ(注射薬)」(販売名:ドパストン静注25mg、同50mg)について、「レボドパ製剤の経口投与ができないパーキンソン病、パーキンソン症候群」に対する処方を審査上認める

(4)「アジスロマイシン水和物(内服薬)」(販売名:ジスロマック錠250mg、ほか後発品多数)について、「肺非結核性抗酸菌症」に対する処方を審査上認める



まず(1)の「メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(内服薬)」は、現在、▼乳がん▼子宮体がん(内膜がん)―への効能効果が認められています。今般「薬理作用(抗腫瘍作用)が同様と推定される」として、「子宮内膜異型増殖症」に対する処方が審査上認められることとなったものです。ただし、子宮内膜異型増殖症の標準治療は「子宮全摘術」であり、上記使用は「妊孕性温存を希望する症例に限る」点に留意が必要です。この場合、通常、成人1日当たり400-600㎎を2-3回に分けて経口投与し、症状により適宜増減することが求められます。

なお、「メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(内服薬)」であっても▼「プロベラ錠2.5㎎」の適応は無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産で、用法・用量が成人1日2.5-15mg▼「ヒスロン錠5」の適応は無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産で、用法・用量が成人1日2.5-15mg―となっており、今回の対象からは除外(子宮内膜異型増殖症への処方は適応外で、保険診療の対象とならない)されている点にも留意が必要です。



また(2)の「ポリドカノール(注射薬)」は、現在、▼食道静脈瘤出血の止血および食道静脈瘤の硬化退縮▼一次性下肢静脈瘤の硬化退縮―への効能効果が認められています。今般「薬理作用(止血・組織線維化・血管内皮細胞障害作用)が同様で、妥当と推定される」として、「消化管出血」に対する処方が審査上認められることとなったものです。

ただし、▼その他の止血方法で十分に十分に効果が得られなかった場合にのみ認められる▼経内視鏡的止血術に十分な知識・経験のある医師が使用する▼通常、成人には、出血点周囲に1穿刺当たり1-2mLを注入し、出血状態・患者の病態により適宜増減するが、1内視鏡治療当たりの総注入量は30mL以内とする▼添付文書に記載されている「使用上の注意」等に従い、適正使用に努める―などの点に留意が必要です。



一方、(3)の「レボドパ(注射薬)」は、「薬理作用(γ運動ニューロンに対する作用、薬剤その他処置に伴う無動、筋緊張亢進、振戦に対する作用)に基づいており、妥当と推定される」として、「レボドパ製剤の経口投与ができないパーキンソン病、パーキンソン症候群」に対する処方が審査上認められることとなったものです。

この場合(レボドパ製剤の経口投与ができない場合)、レボドパ/ドパ脱炭酸酵素阻害薬配合薬100mgに対し、レボドパ静注薬を通常50-100㎎を「ゆっくりと静脈注射」または「整理食塩液またはブドウ糖注射液などに希釈して点滴静注」する。症状によって適宜増減が可能ですが、「レボドパ量として1日1500mgを超えない」という点に留意が必要です。



また、(4)の「アジスロマイシン水和物(内服薬)」は、現在、アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属やレンサ球菌属による▼深在性皮膚感染症▼リンパ管・リンパ節炎▼咽頭・喉頭炎▼扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)▼急性気管支炎▼肺炎▼肺膿瘍▼慢性呼吸器病変の二次感染▼尿道炎▼子宮頸管炎▼骨盤内炎症性疾患▼副鼻腔炎▼歯周組織炎▼歯冠周囲炎▼顎炎―への効能効果が認められています。今般「薬理作用(抗菌作用)が同様で、妥当と推定される」として、「肺非結核性抗酸菌症」に対する処方が審査上認められることとなったものです。

その際、▼アジスロマイシン単剤使用ではなく、他の抗菌薬と併用する▼当該使用例を第1選択薬とする場合には、原則として「クラリスロマイシン」を検討した後に投与する▼成人には、250mg(力価)を1日1回経口投し、結節気管支拡張型の場合には1日1回500㎎(力価)を1週間に3回、原則として隔日経口投与することもできる▼投与開始後、経過観察、「喀痰検査」を行い、喀痰検査で「陰性」を確認後に概ね1年以上投与を継続する▼添付文書に記載されている「使用上の注意」等に従い、適正使用に努める―などの点に留意が必要です。


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