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医療・介護計画の整合性確保に向けた「総合確保方針」、コロナ禍での課題など踏まえ2022年中に改正―医療介護総合確保促進会議

2022.8.1.(月)

2024年度から新たな医療計画・介護保険事業(支援)計画がスタートすることを踏まえ、その両者の上位指針(医療・介護連携を進める)となる「総合確保方針」について、本年(2022年)内に改正を行う―。

その際、▼⼈⼝構造の変化への対応▼「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築▼人材確保と働き方改革▼デジタル化▼地域共生社会づくり―といった視点を重視してはどうか―。

7月29日に開催された「医療介護総合確保促進会議」(以下、促進会議)で、こうした議論が始まりました。

人口構造の変化、効率的効果的なサービス提供体制確保などが改正の重要視点

、2024年度からは▼新たな医療計画(第8次医療計画)▼新たな介護保険事業(支援)計画(第9期、市町村が事業計画、都道府県が事業支援計画を作成)—がスタートします。

地域医療の将来設計図である医療計画は、2018年度の第7次計画から6年計画(3年目に中間見直しを行う)となり、地域の介護提供体制の設計図である介護保険事業(支援)計画(3年を1期とする計画)と歩調を合わせることになりました。医療・介護を切れ目なく提供することの重要性に鑑みたものです。

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この点、医療計画と介護保険の計画とを全く別個に作成したのでは「切れ目のない医療・介護提供体制」構築が難しくなることから、両計画の上位概念・上位指針である「総合確保方針」が策定し、この方針に沿って「医療計画・介護保険の計画の作成指針」を立てることとなっています。総合確保方針には、例えば「両計画を都道府県で作成するにあたり、医療所管部局と介護所管部局とが密接な連携をとる」こと、「介護保険事業計画を作成する市町村を、医療計画や介護保険事業支援計画を作成する都道府県がサポートする」ことなどが盛り込まれています。

促進会議では、上述のように「2024年度から新たな医療計画・介護保険の計画がスタートする」中で、「最近の制度改正や諸課題への対応などを、総合確保方針に織り込む必要がある」と判断し、「本年(2022年)中に総合各方針を改正する」考えを固めています。

7月29日の促進会議には、改正の視点として次の5つが厚生労働省保険局医療介護連携政策課の水谷忠由課長から示されました。

(1)⼈⼝構造の変化への対応
→ついに今年度(2022年度)から団塊世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者となる一方で、支え手となる現役世代人口は2025年度から2040年度にかけて急速に減少する
→ただし、その状況は地域によって全く異なる(すでに高齢化がピークを迎えている地域、これからピークを迎える地域、支え手が減少していく地域、減少しきっている地域、増加する地域など様々)
→こうした地域の実情を踏まえた医療・介護提供体制を考える必要がある

(2)「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築
→地域医療構想の推進、さらなる医療機能の分化・連携の強化、かかりつけ医機能を発揮できる制度整備、地域包括ケアシステムの構築などが重要となる

(3)サービス提供⼈材の確保と働き⽅改⾰
→支え手が減少する中で人材の確保は急務であり、あわせて「働き方改革」の実現に向けたタスクシフト、ICT等の活用などを推進する必要がある

(4)デジタル化・データヘルスの推進
→患者・利⽤者⾃⾝の医療・介護情報を、デジタル基盤を活⽤して医療機関・介護事業所等の間で共有・活⽤していく必要がある
→NDBや介護DB等の公的データベースやこれらの連結解析等を通じ、客観的なデータに基づいてニーズ分析や将来⾒通し等を⾏うことが重要である

(5)地域共生社会づくり
→地域包括ケアシステムの先にある「地域共生社会」も見据える必要がある



こうした方向に異論はでておらず、構成員からは、例えば▼新型コロナウイルス感染症下で再確認された医療・介護提供体制の課題(機能分化が進んでおらず、また各地に分散してしまっているなど)解決を進めるべき(井上隆構成員:日本経済団体連合会専務理事)▼医療・介護の持続可能性を確保するために「提供体制の最適化」を図らなければならない。かかりつけ医機能についても総合確保方針に明示すべき(河本滋史構成員:健康保険組合連合会専務理事)▼介護提供体制に関しては「多機能型サービス」(住まい、通い、訪問の3機能を併せ持つ小規模多機能型居宅介護や、定期訪問と随時訪問をセットで提供する定期巡回随時対応型訪問介護看護など)を中心に整備していくべき(齋藤訓子構成員:日本看護協会副会長、山際淳構成員:民間介護事業推進委員会代表委員)▼寝たきり高齢者防止のために、急性期病棟に介護職員やリハビリスタッフ配置を進めるべき(武久洋三構成員:日本慢性期医療協会名誉会長)▼ACP(人生の最終段階などで、自分自身がどのような医療・介護を受けたいか、また受けたくないかを専門家や家族などと繰り返し話し合い、可能であれば書面にしておく取り組み)の推進を総合確保方針にも盛り込むべき(渡辺敏恵構成員:高齢社会をよくする女性の会理事)—などの意見・提案が出されています。

いずれも、今後の医療・介護提供体制を構築していくうえで非常に重要な視点ですが、中には「総合確保方針に盛り込むべきだろうか、個別の医療計画・介護計画の中に盛り込むべきものではないか」との提案もあります(少なくない)。今後、上記(1)から(5)の視点を具体化していく中で、構成員からの提案・意見を踏まえることになりますが、「どう取捨選択していく」のか注目が集まります。

水谷医療介護連携政策課長は「本年(2022年)内に総合確保方針改正に向けた意見とりまとめを行ってほしい」と構成員に要請しています。

総合確保方針医等の見直しスケジュール(医療介護総合確保促進会議1 220729)

医療介護総合確保基金、事業・都道府県で執行状況に大きなバラつき

また、7月29日の促進会議には「医療介護総合確保基金」の執行状況(▼基金創設(医療は2014年度、介護は2015年度)から2020年度まで▼昨年度分(2021年度)—)も水谷医療介護連携政策課長から報告されました。

このうち「基金創設(医療は2014年度、介護は2015年度)から2020年度まで」の執行状況(執行率:執行総額÷交付総額)に注目すると、次のようになっています。

【医療】
▽全体:70.9%
▽地域医療構想達成に向けた医療機関の施設・設備整備:43.9%
▽居宅等における医療提供:80.8%
▽医療従事者の確保:95.3%
▽勤務医の労働時間短縮に向けた体制整備:37.8%

医療分(全体)の執行状況(医療介護総合確保促進会議2 220729)

医療分(地域医療構想)の執行状況(医療介護総合確保促進会議3 220729)

医療分(在宅医療)の執行状況(医療介護総合確保促進会議4 220729)

医療分(人材確保)の執行状況(医療介護総合確保促進会議5 220729)

医療分(労働時間短縮)の執行状況(医療介護総合確保促進会議6 220729)



【介護】
▽全体:67.4%
▽介護施設等の整備:64.5%
▽介護従事者の確保:83.2%

介護分(全体)の執行状況(医療介護総合確保促進会議7 220729)

介護分(施設等整備)の執行状況(医療介護総合確保促進会議8 220729)

介護分(人材確保)の執行状況(医療介護総合確保促進会議9 220729)



事業により、また都道府県により執行状況にバラつきがあります。行政事業レビューでは▼都道府県における地域医療構想の進捗状況と基⾦の執⾏状況をモニタリングした上で、地域医療構想の進捗に応じ交付⾦を交付することを検討すべき▼都道府県から報告される執⾏予定額については、事業の執⾏⾒込みなどを踏まえ、その内容が適切か国で基準を設けて精査すべきなものとなっているのか、国において⼀定の基準を設けて精査すべき▼⼀定のルールを定めるなどして、基⾦の対象事業間での流⽤を認めることについて検討すべき—などの意見が出ており、こうした意見も踏まえて「適正執行に努めていく」考えを厚労省は強調しています。



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